7月31日の月曜日。ユーコン川を下るカヌー旅は2日目です。初日はとてもゆっくりと、しかも1時間ほどしか漕いでいないのに、
既に腰にきております(汗)
漕ぐのに無駄な力が入っているのと、姿勢が固定されてカラダが凝ってしまうんですよね。今日は丸々1日漕ぐのですから、気合を入れないとです。
※文中のレート換算はバンクーバーで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1カナダドル(CAD)=106.8円で記載しています。
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朝釣りでグレイリングを仕留めました!
朝6時。目が覚めて筋肉痛に顔を顰めながら、テントから這い出てみるとあたり一体は濃い霧に覆われていました。
白夜まではいかないけれど、ユーコンが暗闇に覆われる時間は短くて、その分薄明の時間が長い印象。昨夕に釣り師のOさんから教わった所によると、こういう時間は魚の食い付きが良いのだそうですよ。まだ全員が起き出さない内から抜け駆けで竿を振っていると、
き、きた!!
ぶるぶるっと手元に響く振動は、もう何十年ぶりの感触です。慌てて合わせたけれど、バシャンと跳ねた拍子にバレてしまいました。ぐぬぬ…逃げられた。もう警戒されているかと思ったけれど、ダメ元で同じ場所にキャスティングしてみると•••
釣れました!!!
37cmとなかなか良い型のグレイリング。初心者だから5日間ボウズも覚悟していたけれど、2日目の朝に早くも釣れてめちゃくちゃ嬉しい。全ては釣り師Oさんのアドバイスと仕掛けを調整していただいた賜物です。師匠と呼ばねばなりませんね。
腹を割いて内臓を抜き塩をして、Sさんが枝を削ってくれたので波打つように刺して焚き火へ。
そうこうする内に朝食の準備が整いまして、贅沢なフルーツ盛り合わせに、
エッグベネディクト。なんともお洒落な朝ごはんです。
少し薄らいだけれど、まだ朝靄の残るユーコン川。こんな環境で食べる朝食に、食後のコーヒーなんてもう至福以外の何物でもありません。実はわたしの後にウェールズ人のPさんも同じ場所で1匹釣り上げていて、
さすが西欧人らしく、彼はオレンジを挟んだバターホイル焼き。ご相伴に預かったけれど、これもまた美味しいです。わたしの塩焼きはというと、焼くのに時間がかかって食べる暇がなく、持っていって昼食の時に温めて食べることに。美味しかったですけどね…うーむ間が悪い。
2日目の川渡とパイク釣り。
9:30にキャンプ地を出発し、15分ほど漕いだ所が本日の釣りポイント。
川から繋がっている広い淀みのような場所で、底には水草がびっしりと茂っています。
こういう場所にいるのがパイクという魚。グレイリングより大型で凶暴なのだそう。皆で散らばってカヌーの上からパイクを狙いますが、ルアーが水草に引っかかってなかなか難しい。20〜30分がんばってみたけれど、結局釣れたのはOさんの1匹だけ。師匠さすがです…。
再び川に出て、ひたすらユーコンを漕ぎ下ります。
本日の行程は出発前に説明があって、実際に漕ぐのは4〜4.5時間程度。テスリン川との合流地点を過ぎた辺りのフータリンカ/Hootalinqua でキャンプとなります。昨日と同じMさんと同乗ですが、今日は前後を入れ替えてわたしが前。
前の人は推進役なので、頑張って漕がねばなりません。昨日は余裕がなくて全く見ていなかった川地図も、今日は周りの地形と見比べながら進みます。最初は意味不明だった地図も、カーブの具合や目印となる岩などで、だいたいこの辺を漕いでるのだと目星がつくようになってきました。
合っているかはまあ、置いておいて•••。
暫く漕いで、小腹が減ってきた所で上陸です。お待ちかねのお昼ごはんですね。
今日のお昼はホットドッグ。でもただのホットドッグではなくてですね、
各自が枝に刺してソーセージを炙ります。焚き火の煙で燻し焼きにした、ワイルドなホットドッグ。もちろんパンも焚き火で炙っておくのです。
埋もれて見えないけど、ソーセージにケチャップとマスタード。ピクルスを1本挟んで齧り付きます。
うん、うまい!
手軽でアウトドアらしい豪快さも楽しめて、これは良いメニューですね。2つ食べてお腹もしっかり膨れ、再び川へと漕ぎ出します。
この頃には漕ぐのにも大分慣れてきて、前に座っていてもある程度の方向調整ができるようになってきました。それでもまだまだ船足は遅いので、ちょっと油断すると前を行くガイドSさんに置いていかれます。引き離されてきたら、必死に漕がねばなりません。
サポートスタッフのBさんと同乗しているウェールズ人のMさんは、寝転がっての極楽モード。タクシーじゃないんだから、
もうちょい頑張って漕ぎなさいな。
ユーコンはひたすら木と水と空の世界ですが、所々こうした岩壁が露出していて、これが川地図の目印になります。
岩壁を見ているとSさんから声がかかり、指差す方向には頭の白い鳥がいました。
お〜白頭鷲!!
iPhoneだとズームしすぎてボケていますが、肉眼ではもう少しハッキリと見えています。
さらに進むと黒く焦げた木がポツポツと並び、地面にはびっしりと赤い花が咲いてます。ユーコンでは雷などによる自然発火の山火事も日常茶飯事だそうでして、燃え跡に最初に生えるのがこの赤い花の咲くファイアーウィード/Fireweed という植物なのだそう。燃え跡に赤い花って、
どことなく意味深ですね。
時と場所によるけれど、ユーコンでは山火事による焼失と再生も自然の重要なサイクルなのだそうですよ。
恐怖のハイキングとキャンプの夜長。
漕いだり休んだりを繰り返し、夕方近くなってテスリン川が流れ込む場所を通過。合流点では暫く2つの水の色が混ざらずに、2色に分かれて流れていました。
テスリン川を過ぎてまもなく、16時頃にフータリンカに到着。こちらが本日のキャンプ地です。
フータリンカはゴールドラッシュで砂金取りに来た人たちの拠点があった場所。
電信所なんかも建てられていたそうで、
これが電信所だったかな。ちょっと記憶があやふやです。
これは狩り小屋だったかな。ムースか何かの大鹿のツノが飾ってあります。
ここから希望者だけでハイキングに行くよと言われ、内容を把握しないままついていきます。フカフカの苔の林を抜けていくと、
途中から急な登り坂。上の写真はまだそこまでじゃないんですがその先がすごい。いや、ちょっと待って。これ急とかいうレベルじゃないですよ!
怖い怖いっ。
急坂の途中のなだらかな場所で一旦集合。そこから振り返ると素晴らしい景色が広がってまして、
おお〜〜美しい!!!
これは頑張った甲斐のある絶景ですね。ガイドのSさんは更にずっと上に見えてる頂上まで行くのだそうで、一番若手のAさんも一緒に登るとのこと。
わたしを含めて3人は、ここで残って少し休憩。体力的にもキツいけど、滑落する恐怖心の方がより強いのです。
暫く見ていると、天辺についてAさんが手を振っていますね。凄いな、あんな所まで。
ああ、行かなくて良かった。
下りはもっと怖いので、お尻をつけながらジリジリと降っていきます。
ふぅ、無事に生還できました。
本日の晩ごはんは筒切りのサーモンと野菜炒め。それに鍋炊きの白米です。さすが日本人ガイドさん、絶妙なタイミングでお米を投入してくれます。
ご飯の後は長い夜。雨がぱらつき、大きなタープの下で酒盛りです。アイラ島のボウモア蒸留所で樽から詰めてきたウイスキーをちびりちびり。興味ある方におすそ分けして、釣り師匠Oさんとウイスキートークに花が咲きます。ウェールズ人のPさんの深〜い人生話も聞いたりして、なんかこう不思議な感じです。
ちょっと前まで全然知らない人たちだったのにね。
旅ではありがちといえばそうなのですが、やはり何もない、電波も通らない川旅は少し特別な時間が流れているように感じます。
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