現地ならではのおいしさを探して、ゆるゆると旅します

世界一周 めし旅

モンテネグロ・コトル→クロアチア・ドブロヴニクへ。クロアチア料理に初挑戦!

投稿日:

5月2日の火曜日、モンテネグロのコトル滞在を終えて、次の目的地はクロアチアのドブロヴニク!紅の豚とか魔女の宅急便のモチーフになった町として知られている

日本人にも大人気の観光地ですね!

実はけっこうドブロヴニクは楽しみにしていたのですが、コトルで会う人会う人「ドブロヴニクは物価がヤバイ」という話をするので、ややビビり気味。滞在も2泊だけにして、サクッと観てしまおうという作戦です。

※文中のレート換算はアテネで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1€(ユーロ)=147円で記載しています。


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コトルからドブロヴニクのバス移動。

コトル⇄ドブロヴニク間は1日に何本もバスが出ていて、ドブロヴニクからコトルへ日帰り小旅行に来る人も多い人気路線。チケットはコトルに着いた時バスターミナルで買っておいたし(21€3087円)、情報も多いので今回は何の心配もありません。サクッと移動して、サクッとドブロヴニク観光に入る予定だったのですが…

そう思うように行かないのが旅ですね。

実はコトルの宿で知り合ったオーストラリアのお母さん、わたしより一回りどころじゃない年上なのですが、元気に2か月間のひとり旅中で、今日は偶然同じバスでドブロヴニクに行くとのこと。一瞬に行く約束をしつつ、

朝ごはん食べるからバスターミナルには先に行ってるね

と8:30発のバスに乗るのに、7:45に着くよう早めにバスターミナルへ向かいます。

宿周辺はスーパーすら開いていない状況ですし、クロアチア国境は混んで時間かかると聞いてますからね。

バスターミナルのカフェはさすがにやっていて、コーヒーとチキンサンドをオーダーします。モンテネグロは焼くのに時間がかかると言っても、これだけ余裕があれば大丈夫でしょうと思っていたら、15分経っても20分経ってもサンドイッチが出てきません。

ヤバイ、バスが来ちゃった。

モンテネグロの調理時間を舐めてはいけませんでしたね。先ほどカフェに顔を出したオーストラリアお母さんも先にバスに行ってしまったし、急遽テイクアウトに変更してもらい、受け取ってすぐバスへ。

よしよし間に合った。お母さんの隣に荷物を置いて一旦バスを出て、出発まで3分でチキンサンドを片付けたい。

もぐもぐ、むぐぅ…。

パサパサのパンが強烈な水分吸収力のサンドイッチ。手元には水もコーヒーもありません。壮絶なバトルを制した代わりにシャックリに見舞われてバスへ戻ったのでした。コーヒーとサンドで9€(1323円)、あーもったいない…。

オーストラリアのお母さんとは車中いろいろな話をして旅は楽しく進みます。途中から、同乗していた独特の風態をしたアジア系ご老人が日本人と分かり、彼も会話に参加。予期せぬグループ旅行感と平均年齢の高さに、

正直戸惑いを拭い切れません(汗)

モンテネグロとクロアチアの国境もさして時間を取られずに無事通過。モンテネグロもノービザでいけましたが、クロアチアは今年2023年からシェンゲン協定加盟済み。「あらゆる180日の期間内で最大90日間」というアレですね。もちろん日本人はノービザで入国できます。

おぉ、ドブロヴニクが見えてきましたね。アテネで購入したSIMも、モンテネグロは圏外だったけどクロアチアでは多少ゴネたものの無事復活。順調といえば順調なのですが、ここで一つ問題が。

オーストラリアお母さんはクレジットカードを持たずに旅行していて、リスクを減らす為に手持ちの現金も最小限にしているそう。その話はコトルにいた時に聞いていたのですが、今日ドブロヴニクで合流し現金を補充してくれる友人が飛行機トラブルで遅れて、夜にならないと着かないとのこと。

嫌じゃなければ50€だけ貸して欲しいの。

しかも友人が手配したドブロヴニクのアパートメントは鍵の受け取りから何まで友人任せだそう。旧市街にある代理店を探すけど、もしかしたら夜までどこかで時間を潰さないとかもと言うのです。うーん、それはなかなか...。

とりあえず一緒にお昼を食べますか?

うーん、うん、そういうことなら仕方ない。50€お貸ししましょう。人柄はある程度信用できるけど、旅は成り行き行き違い。帰ってくる保証はありません。でもですよ、

さすがにお年を召したご婦人を、お金もなく放り出すのは後ろめたいじゃないですか。

メルアドを交換して連絡が取れるようにして、さてこの後はどうしましょう。彼女は旧市街へ行って代理店を探すそうだけど、その前にお腹が減ったと。わたしは今回、バスターミナル近くのホステルを予約していて、荷物を預けて旧市街へ観光に行く予定。

じゃあ、とりあえず一緒にホステルに行って、その後ご飯食べて旧市街へ行きますか。という成り行きに。

宿はこちらのアウチ・ゲストハウス。痛そうな名前の宿ですが、ドミトリーの2段ベッドは登る時ひっくり返るんじゃないかという揺れ具合。イスタンブールの宿を超える、

激揺れ!地震ベッドです。

1泊約2600円とドブロヴニクとしては最安圏なのですが、中は雑然としてまあ値段なり。でもチェックイン前だけど地図を使ってドブロヴニク観光やバス移動のレクチャーもしてくれて、助かりました。

その宿で教わった、近くにあるシーフード料理屋のBistro Glorijet。オーストラリアお母さんと一緒にご飯に向かうと店の前に

あれ、さっき別れた日本のご老人がいますよ。

嘘でしょあります?こんな偶然。必然的に3名様となって、店内へ。

値段を気にしてフィッシュスープだけでいいというお母さん。「ほら、ライスも入ってるみたいだし」と節約志向を見せたと思いきや、

それとビールも貰おうかしら。

予期せぬトラブルで縮こまってるならフォローが必要だけど、うん、その分なら大丈夫そうですね(笑)よかった少し安心しました。

めいめいに1皿ずつのフィッシュスープ7€(1029円)。高いようですが、これでも旧市街の中よりは断然リーズナブル。ドブロヴニク=高いは本当です。

味の方は豊潤な海の幸の旨味がたっぷりで、かなり美味しい。でもお母さん、ライスってコレ↑のことですね。さすがにこれじゃお腹膨れないでしょう。

ご老人とわたしは2人で牡蠣のリゾット19€(2793円)をシェア。

牡蠣じゃなく浅利に見えますけどね。

でもこの辺の牡蠣は小さいらしいので、もしかしたら牡蠣かもしれません。こちらも味はかなりのレベル。ほらほら、お母さんも食べて食べて。

「いやぁ歳とると胃が小さくなってね。シェアできて良かった」と満足そうなご老人。

わたしの胃はまだ小さくなってないんですけどね

ここから3km歩いて旧市街へ行くと言うお母さん、ご老人も一緒に歩くとのこと。ではわたしはここで失礼して、ひとりバスで旧市街へ行かせていただきます。お母さんが少し心配だけど、お互い元々ひとり旅。

求められないのに、ずっと付き添うのも違うでしょう。

食事の時の様子を見るに、さほど心配は要らなそうですし、

心配といえばお金が返ってくるかですね…。

それは一旦忘れて2泊しかしないドブロヴニク、さっそく行動に移りましょう。

ドブロヴニク観光に必須なのが、こちらのドブロヴニク・パス。宿で教わったのですが、ドブロヴニク名物の城壁歩きに各種博物館などの入場無料。そして市内交通機関乗り放題までついて1日35€(5145円)。

城壁登るだけで35€(高い!泣)だそうなので、これは買うしかありません。

レストラン近くの観光案内所で聞くと「このサイトからオンラインで買ってね」とのこと。サイト経由で購入すると↑のチケットがメールされてきます。よし、これでバスも乗り放題。

ドブロヴニクのバスは些か複雑で、路線図も相当に分かりづらい。何せ行きに乗ったバス停に、帰りは停まらないとかあるんですよ。これも宿でレクチャーを受けたので、大丈夫。ここからなら1A、1B、3番のどれかに乗れば旧市街に行きます。

バスに乗って運転手さんにメールのチケットを見せると「それで乗れるけど、終点に着いたらチケットボックスで乗車券に変えてもらってな」とのこと。ふーむ、仕組みはイマイチわからないけど、さすがドブロヴニク。

英語がバッチリ通じますね。

旧市街の入口にあたるバス終点で降りると、確かにチケットボックスがありますね。並んで順番を待ち、メールのチケットを見せると、

こんな乗車カードをもらえました。あ、さっき他の客が乗る時に使ってた、タッチしてピピッのやつだ。しかもこれ、

今から24時間有効ですからね。

だそうです。今日しか使えないと思っていたので、これはラッキー。バス代だけで今日の往復と明日の行きの分、6€も浮いちゃうじゃないですか。(ローカルバスの運賃は1回1.99€です)

さてバス終点の目の前にあるピレ門(Dubrovnik porta pile)から旧市街に入ろうとして、やたら目につくのがみんな食べてるアイスです。やや主観が入ってるとは思うのですが、

アイス率は驚異の50%超え!

郷に入っては郷に従えと言いますからね。ここは大人しく右に倣えが吉でしょう。ヘーゼルナッツのアイス2.5€(368円)はうん、ウマイ。多少安く感じるのは、早くもドブロヴニク物価に毒されているようです。

※旧市街前のバス乗り場はこちら↓です。

やはりコトルの比ではない、旧市街ぐるり1周城壁歩き。

ピレ門を入るとすぐに目に入るのが、こちらのオノフリオの噴水(Onofrio's Large Fountain)。

その噴水広場から、いくつかある城壁歩きの入口の一つ、”ピレ門入口” の階段が伸びています。

おお〜城壁に登る階段は、けっこう急ですね。

料金はやはり城壁に入るだけで35€。改めてドブロヴニク・パスのお得さを実感します。城壁歩きはどこで入ってどこで降りても自由。但し、1回入るごとに35€必要なので、時間が許すならやはりキチンと1周したいところ。

注意点は歩く方向が反時計回りに決められていることです。つまり西側のピレ門から入るとまずは西壁を南下し、南側の海沿いルート。後半は東壁を北上し、最後は北側からドブロヴニクの赤屋根を眺められるという順番になります。

登ってすぐの西壁からもドブロヴニクの旧市街が見えますが、まだこの辺はさほど印象的ではない感じ。

それでも上から古い街並みを見下ろすのは、なかなかに気分がよろしい。

海沿いの南壁に入ると片方はアドリア海の外海、片方は旧市街です。心地よい海風に、気分はさらに盛り上がりますね。

赤屋根に緑にオレンジの実。アドリア海の町って感じですねー。

よくまあこんな海っぺりに高い城壁を築いたものだと感心しつつ、立ち止まっては写真を撮ったりボケーっと景色を眺めたり。

あちらに見えているのはロブリイェナッツ要塞。

アドリア海の向こうには、200km先にイタリアがあるのですね。

ふと下を見ると、城壁の外側、激しく波が打ち付ける岩場に人がいるのが見えますね。城壁からは行けない場所なので、おそらく旧市街から抜け道があるのでしょう。明日探すとしてGoogleマップに印をつけておきましょう。

東に回ると旧市街の船着場。こうして高い所から旧市街を1周していると、大まかな配置かよく分かります。最初に城壁歩きをしたのは正解でした。

一面の赤屋根に見えたものも、上から見ているとけっこう色にグラデーションがあって、

こんな感じに色褪せた屋根がとても素敵。

さて、城壁歩きもいよいよ最終パート。北壁に突入します。ドブロヴニクは日本人には宮崎駿でお馴染みですが、世界的にはアメリカの大作ファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地として有名。かく言うわたしもコロナ引き込みもり期間に

バッチリ全作観ています。

ストーリーがエグくて面白いんですよね。町では聖地巡礼ツアーなんかも人気だそうで、

あれ、この感じはなんか見たことある気がする!

北壁に入ると、白壁赤屋根の町の景色はやはりとても美しく、

10歩進んでは写真を10枚。一気に歩くペースが落ちるのですが、中でも一番美しく見えるのはやはり北西の角にあるミンチェタ要塞/Tvrđava Minčeta からの眺めですね。

一段高い所から見下ろすドブロヴニクの旧市街。海に赤屋根の旧市街はコトルと似てはいるけれど、やはり全然違う、ことのほかの美しさでした。

ミンチェタ要塞を南に行くと、間もなく最初のピレ門です。35€と値段はかなり高いけど、やはり外せないドブロヴニク城壁歩き。ゆっくり歩いてたくさん写真も撮ってたっぷり1時間半、かなり元は取れましたね。

※普通に歩いたら1時間で充分だと思います ※ピレ門の城壁歩き入口は、こちら↓を旧市街に入った内側です

人生初のクロアチア料理が絶品でした!!!

さて昼食が軽かったし、そろそろ目星をつけていたレストランへ夕食に向かいたい所ですが、せっかくなので目の前のフランシスコ教会・修道院だけ覗いていきましょう。

噴水広場に面した馬鹿でかい建物。噴水側から向かって左端に、現役としては世界で3番目に古い薬局があるのです。

こんな感じの入口を入ると、

ほほう、これが薬局ですか。さすが現役、

冷やかしで入ったり写真撮ったりはできないようですね。

奥は有料になっていて、うろ覚えだけど確かドブロヴニク・パスで入れたと思います。

ふむふむ。

一旦出て、今度は教会の方へ。

ふむふむ。

さあ観光はこの辺にして、いよいよクロアチア料理ですよ!どこに行ってもバカ高い旧市街。高い観光地価格でイタリアンを食べる気は無いのですが、

本気のクロアチア料理なら話は別。

ネットで下調べしていて見つけたこちらのHeritage of Dubrovnik は、自分達の故郷の豊かな食文化を残し、伝えようという志が感じられるお店なのです。

メニューの扉ページにあるこの文章からもその思いが伝わってきます。曰く「現代的な生活のプレッシャーで忘れがちですが、だからこそ我々が何者で何処から来たのかを知ることが大切なのです」と。

店のポリシーを体現するかのように、ウエイターの方々はとてもプロフェッショナルで料理の説明やお薦めも堂に入っています。よし、それならこちらもその心意気に応えて、

ひとまず予算は度外視しましょう。

中途半端な節約旅行者ですが旅の目的は食なのです。出すべき時は出そうじゃないかと腹をくくります。まずメインはドブロヴニクの伝統的な肉料理からお薦めの1品を。

グラスワインはメインにとてもよく合うとお薦めされた、クロアチアのもう少し北に行ったザダルという町の赤ワイン。フルボディだけどベリー系の果実味が豊か。一方で角の取れた渋みがまろやかで、落ち着いた印象を受けますね。

ブルゴーニュの良いやつっぽくて、これは美味しい。

昼間のリゾットではよく分からなかったので、生牡蠣も1つだけ頼んでみました。これはドブロヴニクから50kmほど北西のストン/Ston で採れたもの。日本の牡蠣とは違うと聞いていたけど、

うわっ、何これめちゃくちゃ美味しい!

3cm程と小さく厚みも無くてクリーミーさは皆無だけど、日本の牡蠣以上に海の風味が鮮烈です。エグ味や臭みは一切なく、スルスルと10個は食べられそう。散らしてあるイタリアンパセリも香りが強く、牡蠣によく合います。

牡蠣に心を奪われていた所に、メイン料理のパスティカーダ/Pašticada が到着。クロアチア料理は地方によって大きく変わるそうですが、これはドブロヴニクを含むアドリア海沿いのダルマチア地方の料理。牛肉を香味野菜や酢などと一緒にひと晩漬け込んで、焼いてからまた煮てと、とても手間がかかる料理です。

地元では結婚式に良く出される料理だとか。

牛肉はとても柔らかく仕上がっていて、時間をかけているだけあり中までソースの旨味がシミシミです。

ソースは玉葱の甘さに赤ワインのコク、酢を使っているので心地よい酸味がありますね。レシピによってはイチジクを使うようですが、この皿からも果実味が感じられます。もちろん、

お薦めの赤ワインとは完璧な相性。

パスティカーダには欠かせないというグノッチ/Gnocchi は、この店ではポテトを使っているそう。溶けるほど柔らかく、ソースと一体になってとても美味しい。

パンも出してくれたのですが、ソースが美味すぎるのであっという間に完食です。美味すぎて胃に勢いがついているので、デザートも追加しましょうか。

再びお薦めしてもらって、ドブロヴニク・ケーキをオーダー。この辺で昔から採れるアーモンドにオレンジ。そう言えばオレンジの木は先ほど見かけましたもんね。これがまた、

粒子の粗いザックリした生地がとても好み。

アーモンド感がとても強く、チョコとオレンジも好相性です。最後まで一分の隙間なく楽しませてもらい、気になるお会計。

47€(6909円)と、確かにそれなりだけど思ったほどじゃありません。ドブロヴニク旧市街の物価を考えたら充分なコスパです。素晴らしい対応に感謝して、チップも少々置いてきたのでした。

次回はドブロヴニク2日目。ドブロヴニクと言えば、ロープウェイに乗って山上から見下ろす町並みは外せません。行きはロープウェイ、帰りは徒歩で行ってきました!食事は再びのHeritage of Dubrovnik。ロープウェイで浮かせた分も使って、

今度はダルマチア料理の海鮮三昧です!


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