現地ならではのおいしさを探して、ゆるゆると旅します

世界一周 めし旅

アイスランド2日目〜約500km走って温泉で締める。

投稿日:

7月3日の月曜日。2日目となるこの日から、本格的なアイスランド一周ドライブが始まります。5泊の内、最初と最後はレイキャビク泊なので、実質3日間で一周をする強行日程なのですね。この日の走行予定は、

おおよそ500km∑(゚Д゚)

東京から大阪の距離を、観光しながら走り抜けようというのです。これは中々のハードモードですよ…。

※アイスランド通貨のクローナ(Kr)は、ほぼ1Kr=1円なので、文中の日本円換算は記載しないこととさせていただきます。


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まずはアイスランドの歴史と伝承を学びましょう。

朝の8時までぐっすりと眠れ、ロンドン空港泊の疲れもしっかり取れました。できればゆっくり朝食でもとりたい所ですが、そんな余裕ほありません。コーヒーだけ飲んで8時半には宿を出発しました。

Guide to Iceland では選んだプランに合わせてレンタカーと宿の予約をしてくれて、その日ごとの見どころ情報を予め送って来てくれます。長文の英語情報を、Google翻訳の助けも借りてブリュッセルの宿でひたすら予習していたのですね。

その上でこの日の最初の目的地に選んだのは、レイキャビクから75kmのボルガルネース/Borgarnes にあるThe Settlement Centre という施設です。どうしても見たいと言う訳じゃ無いけど、まだまだ不慣れな運転なので、

ひと休みするには丁度良い距離だったのです。

アイスランド一周は、基本的には国道1号線を走ります。町を離れると速度制限は時速90km。

最初はビビりながら90kmをキープしていたのですが制限速度ちょうどだと、

煽られる煽られる。

べつに煽り運転するようなマナーの悪い人はいないのですが、皆んな平気で100km、110kmと出してくるんですよね。慣れるに従いこちらも流れに乗れるようになり、6速固定でビュンと飛ばします。

緊張しながらの運転に、少し疲れてきた所で最初の目的地に到着しました。できればここは軽く流して速やかに次へ向かいたいと思っていたのですが、

入場料3500Kr(ほぼ3500円ですね)にはオーディオガイドも含まれていて、前後半各30分。

つまり1時間たっぷりかかる訳ですね•••。

仕方ないので日本語ガイドをお願いすると「ごめんね日本語は無いのよ」と受付のお姉さん。いやいや、そこに日本語国旗が書いてますよねと指摘すると「まあ本当、あなたラッキーね!」…ちょっとラッキーの意味が違うような。

前半は結構真面目なアイスランド入植の歴史。北欧から流れてきて島を開拓し、交易やときに掠奪にと、バイキングが活躍したのはひとえに彼らの使っていた船の性能に依るものだとか。

いかにもバイキングなあの船ですね。

実際に船に乗った気分になれるこれは、乗っかるとぎーこぎーこ揺れて楽しい。2つ上の写真の航路にある通り、アイスランド・グリーンランドを経由して、アメリカ大陸のヴィンランドまで開拓の手を伸ばしたのですが、

まさに漫画ヴァンランドサガのお話のまま!

主人公トルフィンの出身地がアイスランドですからね。因みに歴史に紛れてアイスランド神話のバルバラ(戦士が死んだ後に行く場所、最終戦争のラグナロクに備えるのです)とか雷の神様トールや巨人など、ファンタジー好きが涎を垂らす話も盛々です(笑)

後半部に入ると、展示はぐっと怪しい雰囲気に様がわり。ここからはアイスランド伝承のエギルのお話(サガ)が語られていきます。

こちらが主役のエギル・スカラグリームスソン。詩人にして首領であり、戦士。戦争に参加したり海賊行為に勤しんだり、良くも悪くも大活躍した人物です。

実在の人物らしいのですが、伝承物語としてはかなり激しく描かれていて、

そもそも彼のお爺さんが「宵の狼」と呼ばれた男(上の写真)で、なんと狼に変身できる、

正真正銘の狼男∑(゚Д゚)

そしてお爺さんもお父さんも、そしてエギル自身も激昂すると、

バーサーカー(狂戦士)になる特異体質!

バーサーカーってあれですよ、漫画ベルセルクとかRPGとかでお馴染みのあの狂戦士ですよ。勿論バーサークすると理性は吹っ飛びます。親子でゲームを楽しんでたら親父が狂戦士化しちゃって、親友も乳母も殺されてエギル自身も殺されそうになる異常世界(驚)。

その後エギルは兄貴についてアイスランドを離れ北欧中心に活躍するのですが、挙句にノルウェー王と争って、

王様を呪いで追い落とすんですよ。

上の写真がエギルが雇った呪い師。その後エギルは逆に王様夫妻に追い詰められるのですが、得意の詩を詠んで赦される。「そんな訳あるかい!」とエセ関西弁でツッコミたくなる展開です。

ひと財産築いてアイスランドに戻ったエギルは当時あった民主議会でも好き放題やって、最後は財産をどこかに埋めたそう。埋めるのに使った奴隷も殺してしまい、財宝は今もどこかに埋まっているのだそうですよ。

いや、無茶苦茶だなぁ•••。

現在でもそのまま漫画のストーリーにできそうな、荒唐無稽で面白い物語。

さすがアイスランド。大自然の中にいると、物語もぶっ飛んでいくのですね。

お土産コーナーはアイスランドの動物写真がとても可愛いくて、

施設の裏は海に面して溶岩の上に生える緑。

対岸にはかっこいい山並みを眺められます。たっぷり1時間かかったけれど、はじめにアイスランドの神話や伝承に触れることで、この先の大自然を見る際にとても想像力豊かになれますので、

何気にとてもお薦めです!

お昼ごはんは北の海の魚!

次に目指すポイントは、ここから124km北上して海に突き当たった小さな湊町Hvammstangi です。魚介が美味しいらしいので、そこでお昼にしましょう。

再び時速100kmですっ飛ばし、

次々と移り変わる景色を楽しみながらのドライブです。車にはBluetoothでiPhoneを繋げられるので、BGMもばっちり!アイズレー・ブラザーズの「That Lady」とか、メイズの「Love is the Key」とか、

疾走感のあるソウルミュージックが最高に合うのです。

暫く走ると右側に水溜りが溢れたような浅い川が流れます。アイスランドって殆ど樹木がないのですが、保水力がないのに水が切れないのは、

やはり冬に積もった雪によるのでしょうね。

川どころか、あちこちの山の天辺から滝が流れ落ちる様は、とても不思議で美しいのです。

1時間半と少々で目当ての湊町に到着。想像よりずっと小さな集落です。

それでも立派なレストランやカフェがあって、今回寄ったのはこちらのSjávarborg Restaurant。

中は気取らないけど洒落た雰囲気。

窓辺からは美しい海が眺められます。

メニューはこんな感じで、さすがアイスランド。チキンのラップサンドが3450Kr、キチンサラダは4250Krと、

まあほんと、べら棒に高いですね(汗)

そんなのを見るとこのランチ・オファーという2650Kがとても安く感じます。これはビュッフェ形式で用意されてる惣菜やスープを好きに盛ってこれるという内容です。見た感じ美味しそうだったけど、別に頼みたいものがあったので今回はパス。

飲み物にコーヒーを頼むと、これも自分で注いでくるスタイル。コーヒー、紅茶、ホットチョコレート(ココア)が飲み放題で500Krです。

冷たい風に吹かれたので、温かいコーヒーがとても美味しい。頼んだ料理は日替わりの魚料理です。店に入る時に「今日はリング/Ling よ!」と説明があり、初めての魚なので食べてみたかったのです。

「鱈に似てるわよ」と聞いていた通り、味はとても鱈に似ている。リングという魚は、北大西洋で漁れるクロジマナガダラのことで、

すごくしっとりで、とても美味しい。

車の中でお菓子はつまんでたけれど、やはり1日に1回はちゃんとした物を食べなきゃですね。お会計は5150Kr。うん、高いね!

トロルよりやはり竜に見えますね。

次の目的地はHvitserkur という場所で、Hvammstangi 村からは40kmちょっと。

国道1号線を離れて北へ向かうのですが、そこから先は砂利道。スピードを出すと軽くタイヤが取られてスリップします。そこは慣れの問題なので、ある程度まではスリップさせながら制御を失わないようにするのですが、問題は跳ね飛ぶ砂利ですよ。

ほら、今フロントガラスに当たった!

路肩がある場所で停めてみると、うーむこれは傷ですかね。

いや汚れだよ、そう思おうよ。

触った指を素早く引っ込めて、知らないフリを決め込みます。返却時に言われたら大人しく支払いましょう。

1時間ほどで駐車場に着き、ここから徒歩5分で名物の岩に辿り着きます。まあ、岩も楽しみなのですが、

この荒涼としたアイスランドらしい景色がもう最高。

ほらほら、こういう感じです!2日目の午後にして、初めてアイスランドの大地に踏み入った気がします。

海風が冷たくて、夏の今でもかなり寒い。Tシャツの下にヒートテック。ウルトラライトダウンとウィンドブレーカーを重ね着してもギリギリ耐えられるレベルです。寒さを高揚感で抑え付け、いよいよ岩が見えてきました。

おお〜まるで生きているよう。

本当は朝日で石になったトロルということらしいけど、やはりあれは「水を飲む竜」に見えますね。

もしくはカバか…。

さて上からでも格好いいけど、こういうのは近くで見たいもの。崖のような斜面を降りて浜辺へ出ましょう。

怖いけど楽しい!

降りて振り返ると崖の上から滝が流れ落ちています。うーむ、いちいち格好いい。浜辺と岩の間は潮の加減によるのでしょうが、この時は少し濡れるくらいで目の前まで行けました。

ほっほ〜!今にも動き出しそうです!

午前中にThe Settlement Center でファンタジー要素に触れて膨らんだ想像力が、こういう所で発揮されるのです。

アイスランドの自然に踏み込み、かなり楽しめたけれどこれはまだ序の口。次はゴーザフォスという有名な滝へ向かいます。

アークレイリの先の有料トンネルは、迂回が吉!

寒風に晒されて、レストランでトイレは済ませてきたのにもう尿意が。駐車場に戻ると案内板が出ていたので、車ですぐのトイレへ向かいます。

有料なのは理解しているのですが、それにしたってですよ、

トイレで500Kr(約500円)は高すぎる!

人生で最高値のトイレです。背に腹は変えられないのでカード決済して用を足します。因みにこの先の数日で、ここまで高い所はなかったし、観光地には無料のトイレも多かったです。ガソリンスタンドや、カフェでコーヒーを買ったついでに済ませることもできますしね。但し「できる場所で済ませておくこと」これはアイスランドではとても重要です(真剣)

国道1号線に戻るまでのオフロードには、羊が遊びに出てきていて、

かわいいお尻にとても心が和みます。

そういやアイスランドラム食べたいですね。

脇を見ると馬の放牧。アイスランドの馬はタテガミが長くて雄々しいんですよね。海に面した荒地で草を喰む姿、

絵になるな〜。

再び国道1号線の舗装道路に戻り、いい加減運転にも充実慣れたので一気に加速します。もう想定よりだいぶ遅れていますからね。

雨が降ったり、低く垂れ込めた雲に突っ込んでいったり、

そうかと思ったら急に快晴になったりと、アイスランドの天気はとても変わりやすい。東京でいうなら春と真冬を行ったり来たりするイメージです。

3時間かけてアークレイリの町に着き、ガソリンのメーターが4割ほどに減っているので早めの給油をしておきましょう。アイスランドのガソリンスタンドは基本全てセルフです。

レンタカー会社で「給油は緑のペトロガソリンを入れるんだよ」と言われてだけど、カードを入れて緑のノズルを取り出そうとしたらロックされて動きません。売店の方に訊きに行くと、

ああ、今出せるようにするから清算はこっちのレジでしてくれ。

謎システムですが素直に従いましょう。

満タンまで給油して34.05ℓ。支払いに行ってついでにコーヒーも買うと、

お代はなんと約11,000円!

1リットルあたり314.9Krというのですから、ちょっとクラクラしますね。

ガソリンスタンドの裏から少しだけアークレイリの町を眺め、

反対の海にはユーモラスな鳥がいました。

フィヨルド地形で外海からはかなり入っていますが、これもれっきとした海。まるで湖のようですね。さて問題はこの先すぐの、こちら↓の有料トンネルです。

通行料は乗用車で1650Krと高い上に、通過時刻の24時間前から24時間後の間にサイトから支払いをしなければならないのです。無視したら後で罰金価格が請求されます(汗)。でもですね、実はトンネルに入る3kmほど手前に左折する迂回路があって、そこを通れば料金は無料。迂回といっても、

余計にかかる時間は10分少々。

遠くにトンネルが見えかけたとこで左折して、少し遠回りします。だって支払い処理するだけで数分かかるのに、あまりに馬鹿らしいじゃないですか。しかも迂回した先には、

こんな絶景が待っているのです!

このルートを行く皆さん、予め迂回ポイントをナビに登録してくれぐれも無駄金を払わないようにしましょうね。

ゴーザフォスは質量感の大迫力!

迂回路を使っても、アークレイリからゴーザフォスへは50km。40分前後で到着です。

駐車場から、それほど遠くない滝まで原野の中を歩きます。

脇を見ると、大地を割ったかのような川が流れていました。フォスというのは滝の意味。さてゴーザ滝はどんなものかと着いてみると、

お〜迫力!

左右と真ん中の細いの、3箇所から水が轟き落ちています。

水煙がこちらまで飛んできて、髪も服もしっとり濡れそぼっていきます。

滝の上側へ続く道があって、広い川から一気に落ちる様も見ることができます。

ドドドドド…ボボボボボ…

これみんな雪解け水ですよね。アイスランドは無数の名物滝がひしめく滝激戦区。ここが初めてですが、さすがアイスランド中々やりますね。

ようやく宿に辿り着き、温泉へGO!

19:45にゴーザフォスを出て45分走り、この日の宿 Hlíð Hostel に到着したのは20:30。

こちらの小屋がレセプションで、

こちらの小屋が宿泊棟。

大丈夫かここ∑(゚Д゚)

宿の手配も全てお任せで、基本はドミトリーの最安プラン。期待はしていないのですが、レセプションで「ご存じかしら、この宿はシーツも掛け布団もついてないの。寝袋があれば使ってもらって、無ければ有料で貸し出しますよ」と。恐しい宿だなと思うけど、寝袋はあるので問題ありません。指定された部屋へ行ってみると、

おお、確かに奥のベッドで寝袋使ってますね。でも指定のベッドを見てみると、

シーツも布団もあるじゃないですか。ましてや、

バスタオルまである!

使っていいんですよね?使っちゃいますよ。ちょっと挙動不審になりながら、とりあえず寝床は確保できました。さてこの後ですが、できれば近くの温泉へ行きたい。最終入館は21:30なので、夕飯を食べに行ってたら間に合いません。ささっとサイトから21:30のオンライン予約を済ませ、

夕飯はこちらのカップ麺。こういう事もあろうかと、スーパーで買っておいたのです。グッジョブ!

宿から温泉へは車で5分なのですが、行く途中には、

濛々と煙が道まで溢れ出ています。硫黄の臭いも漂ってきて、これはいい湯が出ますよね。

今回利用したのはこちらのMývatn Nature Baths。6490Krと日本の日帰り温泉なら極上最高級のお値段ですが、

ブルーラグーンよりは全然安い!

因みにタオルレンタルは850Krと、結構高いので持参しましょう。入場料は予約時にカード払い済みなので、あとはバー利用するかを訊かれます。飲みたいけど車ですしねえ。

指定された更衣室兼シャワー室で体を洗って水着に着替え、

さっそくお湯に入りましょう。寒い寒いと湯船へ急ぎ、浸かってみたところ、

うっ、ぬるい•••。

長湯するには良いけれど、冷えた身体をもっとぐっと温めたい。広い温泉を彷徨い歩いた結果、源泉が湧き出ているスポットを発見。くはぁ〜これは気持ち良いですね。温まった所でビールが飲みたくなり、売店で買って帰ろうと思ったのですが、

あの、これノンアルコールだけど大丈夫ですか?

言われて気づいたけど、ビールは生しかおいてないんですって。仕方ない今回は潔く身を引きますか。冷える前にさっさと帰りましょう。

いや〜アイスランド編は写真の整理も大変で、書くのにとても時間がかかってしまいます。次回はアイスランド3日目。みぞれ混じりの氷雨が降る中ミー湖で凍え、煙がたちこめる地熱地帯、溶岩原ハイキングへと続きます。Dettifoss でずぶ濡れになり、一気に南へ移動。最後はstokksnesとブラックサンドビーチ。怒涛のように移り変わるアイスランドの天気と景色に、圧倒された1日でした!


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