7月9日の日曜日。ひとまずグラスゴー最終日なので、朝ごはんにスコティッシュ・ブラックファーストを食べに行こうかと思ったのですが、
ちょっと待て、明日からのアイラ島は朝食付きのホテルだったよね。
アイラ島にドミトリー宿なんて無いので、必然的にそこそこ高いホテルに泊まることになるのです。きっとそこでスコットランド式朝食は食べられるのだから焦る必要はありません。
それならビタミン補給をしとこうぜ!
と、グラスゴーではわりかし見かけるサブウェイでテイクアウト。もうですね、アイスランドからのビタミン不足はグラスゴーでも一向に改善せず、そろそろまた身体が壊れそうなのですよ。
野菜たっぷりのサンドに、フルサイズのサラダまで買ってきて、貪るように生野菜を食べたのでした。
※イギリスの通貨のスターリング・ポンド(£)は、実際にこの旅中にグラスゴーのATMでセディナカードを使い引き出したレート、1£=182.6円で記載させていただきます。
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ハイランド牛を、食べられないなら見るだけでも!
その昔読んだ本にマーク・シャツカーというアメリカ人の書いた「ステーキ!-世界一の牛肉を探す旅」という名著がありまして、少し頭がぶっ飛んだ著者が最高のステーキを求めて世界中を駆け巡り、最後は自分で育てて食うという所までいくのですが、その中で幻と言っても良い、
ハイランド牛を食う所がとても印象的。
彼も入手するのにかなり苦労していたのですが、ネットで探してもやはり食べられそうな店は皆無。いや、本当に完全に見つからないんですよ。
ならば致し方なし。食べるのが駄目なら、
見るだけでも見に行こうじゃないですか!
見るだけならスコットランドでも何箇所かはヒットして、グラスゴーから電車ですぐの場所も見つかりました。とりあえず向かうはグラスゴー・セントラル・ステーション。
駅舎に入るとずらりと並ぶ電光掲示。
上の写真の真ん中、East Kilbride 行きの2駅目、ポロックショーズ・ウエスト/Pollokshaws West が目的の駅です。ふむ、プラットフォームは9番ですね。
券売機が見つからず、駅のおじさんに聞いてようやく発見。
行き先の駅名を入れると片道か往復か、オフピークかを選ぶようになっています。説明が足りず、オフピークの対象時間が分からないので通常の4.6£(840円)のを買いましょう。
怒られるのイヤですからね。
無事チケットをゲット。
イギリスの鉄道駅はちゃんと改札があるので、チケットを通して構内へ。
これが乗る電車です。外見の無骨さとは裏腹に、
中はライトな雰囲気。それにしてもガラガラですね。
2駅の電車旅はたった9分で終わってしまい、ポロックショーズ・ウエストの駅を出ます。Googleマップに従って歩いていくと、
ここがポロック・カントリー・パークですね。
案内板を見るとかなり広い敷地に、何箇所も牛の絵が描いてあります。とりあえずはGoogleマップに出てきた場所へ行ってみましょう。
入口から左にカーブを描く道をひたすら進みます。
緑地の中を川が流れていますが、写真でわかりますでしょうか。
水が茶色い!
これがスコッチを造るのに欠かせないスコットランドの水なのですよ。共感いただけないでしょうが、ちょっと感動です。さて、目当ての場所に到着すると、
おお〜いるいる!
草地の上にのんびり寝そべっているのがハイランド・キャトル、つまりハイランド牛ですね。
黒いのもいます!角は立派で強そうだけど、前髪が長くて顔は弱そう。目が髪で隠れて鼻はぶしゃっとしていて、
なんともブサ可愛いじゃないですか。
こいつだけ妙に近くに寄ってくるので、
アップの写真をパシャリ。触られてイヤそうなそぶりを見せたのは、
肉質を確かめたのがバレたのでしょうか。
準備よく人参を持ってきている中国人がいて、その為に彼はこっちに来ていたんですね。
この春に子牛が産まれたという貼り紙がありますが、そこにいるのがそうでしょうか。
前髪が伸びていない分、顔がはっきり見えるので、
ブサ可愛さが一層ですね(たまらん)
可愛いお姿に心を和ませ、その肉の味に思いを馳せて、そろそろお腹ぎ空いたなぁと公園を後にしたのでした。
再び電車に乗りグラスゴーの町へ戻り、目指すは今度こそ。スコットランドの悪名高き名物料理ハギスを食べるのです!
ついにハギスとご対面!
ハギスを正当に評価するなら、やはりちゃんと料理が美味しい店がいい。できればスコットランド料理に誇りを持って提供しているような店があればと思って探したら、
ありましたよ、まさにそんな感じのお店!
Ardnamurchan Scottish Restaurant & Bar という、ちょっと読めない感じのレストラン。そう、パブじゃなくてレストランなのです。
時刻は午後2時少し前。予約無しで入れるか不安だったけど、意外と余裕で入れました。
メニューを見るとMARKET MENU などと惹かれる上にお得なメニューもあって心が揺らぎますが、やはりここはハギスです。それとブラックプディングのフリッターも頼みましょう。何せ名に、
マザーズ・プライドなんて書いてるんですもん。
スコットランドおかんの誇りとあらば、試さない訳にはいきません。
飲み物はスコットランドのビール、McEwans 60というのを1/2パイント。光の加減か真っ黒に見えますが、ライトエールというだけあって飲み口は軽やか。仄かに香ばしくてとても美味しいです。
続いてこちらがオカンの誇り、Mother's Pride Crumb Black Pudding Fritters です。ブラックプディングというのは、
イギリス版の血のソーセージ。
血を使ったソーセージはドイツやフランス、スペインなどヨーロッパで広く食べられているし、アジアにもありますよね。イギリスのは麦などの穀物の割合が多く、スパイス使いも独特なのだとか。豚の血を中心に牛や羊のも使うそうですよ。
パックリ割るとこの通り。食べてみると独特の匂いはほんのり香るものの、物足りない位にクセがありません。食感はですね、
ホクホクとねっとりの中間くらい。
まろやかで素直においしい。イングリッシュ・ブレックファーストだと輪切りにして焼いたのが出てきたりしますが、サクサク衣で揚げたこれもイケますね。特筆はウイスキーケチャップで、コクが深くて大人な味わい。これ瓶に詰めて持って帰りたいくらいです。
さて血の次に内臓とアグレッシブな流れですが、いよいよハギスさんのご登壇です!一見お洒落な盛り付けに騙されそうになりますが、メニュー名にArdnamurchan's Own Haggis, Neeps and Tatties とある通り、左と真ん中はマッシュしたポテトとニープ/Neepという野菜。どちらも伝統的にハギスの付け合わせに出されるもので、右のどんより茶色いのがハギスです。
胃袋に包んで茹でるそうですが、これは外した後なのか元々無いのか、ミンチ状の中身だけですね。恐る恐る口に入れてみると、
あれ、思ったより全然クセがない。
少し拍子抜けだけど、あとからフワリと内臓っぽい風味がきますね。正直おいしいとも不味いとも言えず、あえて言えば挽肉状にしたことでネットリして、食感は少し苦手かも。最初に抱いたそんな印象は、添えてあるソースで激変しました。
この店オリジナルっぽいウイスキークリームは、熱々のトロトロ。これが恐ろしくコク深で、クリームのトロトロとハギスのネットリが口の中で合わさると、
もうとてつもない程、まったりまろやか!
そこに後からスパイシーさが追いかけてきて、これは過去体験したことのない味わいです。間違いなく絶品級なのだけど、日本には無い味と食感の組み立てなので、苦手な人は苦手かも。でも良いですね、こういう想像もつかない美味しさにで会えることこそが、世界を巡る醍醐味です。
美味しいけれど、ズンと胃に溜まる料理のお陰で、夜になってもお腹は減らず。この日はこれでお仕舞いです。次回は早朝から宿を出て、飛行機に乗ってアイラ島へ!個性豊かなアイラモルトを産む、
スコッチウイスキーの聖地のひとつです。
さっそく予約していたラガヴーリン蒸溜所の見学ツアーに参加して、夜はホテルのレストランでスコットランド牛。ここでもまた、絶品のウイスキーソースに悶絶してきました!
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