8月18日の金曜日。西部劇をはじめ数々のアメリカ映画に出てきた、これぞアメリカ!という景色が見られるモニュメントバレーに行ってきました。モニュメントバレーではハイキングやオープンなバンに乗るツアー、更には馬まであって色々な楽しみ方を選べるようですが、今回わたしは自家用車でシーニック・ドライブを走ってきました。普通の車で行けることは行けるけど、
その行程はなかなかにスリリング!
最後にはかなり厳しいアクシデントにも見舞われました。身をもってご報告する注意事項充実の、モニュメントバレー記です。
※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)
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ビジターセンターで既に絶景!
朝8時半より少し早く、アンテロープキャニオンの町ページ/Pageの宿を出て、モニュメントバレーを目指します。
空は生憎の雨模様ですが、これまで長く降り続けた事もないので大丈夫でしょう。そう思って走っていたら、やはり途中からは快晴になりました。
暑そうだな今日も•••。
モニュメントバレーまでは凡そ2時間半の行程。近付くに連れて、特徴的な岩山がぽつぽつと現れてきました。
おお、なんか既にモニュメントバレーっぽい。
ビジターセンターに向かって走っていくと、料金所がありました。ここで入場料8$(1,143円)を払います。
あれ、安いぞ⁉︎
アメリカにしては随分良心的な値段ですが、ここもナバホ族の土地であり、モニュメントバレーはまさにナバホ族の聖地なのだそう。
ビジターセンターの前にはだだっ広い駐車場。とりあえず中に入ってトイレを済ませます。
ビジターセンター内は飲食施設もあり、ギフトショップもかなり充実しています。ナバホ族関連のものが欲しかったら、とりあえずここ来たら良いんじゃないと思うほど。
これは人形ですが、かっこいいですよねこの脚に付けるやつ。幼少の頃キン肉マンでジェロニモを見て以来、欲しかったやつです。
素敵模様のくつしたに、
ナイフもかなりの品揃え。この写真の他にも大量に置いてありましたからね。
個人的に気に入ったのはこれ。Dye Chart と書いてあったから、ナバホ族が使っている(いた?)染料標本のようなものでしょうか。大小何種類もあって欲しくなったのですが、これ持って旅は続けられませんからね•••残念。館内ではマップだけ入手しました。
ビジターセンターを東側に出ると、展望台のような一角が。超お手軽なここからの景色はというと、
ふおおおお!!!
もう既にかなりの格好良さですよ。
展望台から駐車場東端あたりをウロウロして、ベストスポットを探します。グランドキャニオンとはまた違う、果てしない平野にポツポツと立つ岩山がとても雰囲気あります。
ふーむ、モニュメントバレー観光はこれで終了でも良い気がしてきました。どうしましょうね。
見所目白押しのシーニック・ドライブ/Scenic Drive。
貰ったマップを見てみると、ビジターセンター側から延びているシーニック・ドライブという道沿いに、11ヶ所もの見所スポットが記載されています。
その中にはジョン・フォード・ポイントという有名な場所もあり、やはりせっかくなので見てみたい。でも迷っていたのは、このシーニック・ドライブが未舗装路だからです。ネット情報を軽く当たってみると「4WD車がお勧め」とか書いてあって、わたしのこの普通車で走破出来るものなのか。途中から一方通行になるようだし、途中で引き返すのも厳しいかもなのです。うーむ、でも禁止事項に普通車は駄目とは書いてないし、
たぶん大丈夫でしょ!
少々不安ではありますが、行かなかったら後悔が残りそうですしね。
ビジターセンター駐車場の北側から、東へ入っていく道がシーニック・ドライブ。慎重に様子を伺っていると、それほど車高の高くない車が入っていきます。うん、大丈夫そうだ。全行程1.5〜2時間かかるそうですが、飛ばさず急がず行きましょう。
最大でも時速15マイル(約24km)制限というルールに従い進んでいくと、いきなりの急な下り坂。しかもぐいっとカーブを描いてるものだから、ダート道運転に慣れない身としては、
滑って対向車に当てちゃわないかドキドキ。
そうでなくても50日借りたレンタカー旅はまだ序盤。こんな所で中断する訳にもいかないですしね。
それでも序盤は危険な道というほどもなく、
なぁんだ、あんがい余裕じゃん。
なんて思ってたのですが、最後の方は結構危険。事故るとかそういうのじゃなくてですね、道のデコボコで車の腹(底面)を擦っちゃうんですよ。レンタカーでリスクを冒したくない方や運転柄苦手な方、気合のシャコタンな方は別の方法を選ぶ手もアリかもです。
同じようにシーニック・ドライブを回りたいなら上の写真のようなツアー車がたくさん走っていましたし、
馬なんて手もあるんですね!
これはかなり気分が盛り上がりそうです。シーニック・ドライブではないけれど、幾つかハイキング用のトレイルもあって、歩きでも楽しめるようです。
でもまあ僅かなリスクがあるとはいえ、こんな道を走り、気に入った場所で好きなだけ過ごせる自家用車はとても気分が良く、
アメリカにいるぞ〜という雰囲気はたっぷり堪能できました。
ビューポイントにはそれぞれ駐車スペースが確保されていて、基本的にはマップの1番から順に回るので迷う心配はありません。
こんな風に看板が立っているのでそこそこ分かりやすいです。West Mitten のMitten は日本語でもミトン。料理でお鍋とか持つ時に使う、親指だけ分かれてる手袋ですね。
うんミトンの形です•••よね?
一瞬面倒くさいからビジターセンターで終わろうかと迷ったけど、やっぱり来てよかったですね。
近くで見られるだけに、もう圧倒的に迫力がありますし、
あそこじゃ見れなかった景色も色々見る事ができます。
こちらが中でも一番有名だろうジョン・フォード・ポイント。西部劇の金字塔『駅馬車』の監督ジョン・フォードが愛した場所とのことですが、
しまった『駅馬車』観たことなかった。
そもそも西部劇自体、子供の頃テレビで流れてたのをチラ見した程度で、全編通して観たことないんでした。それでも雰囲気に浸れるんだから、お得な性分だと思います。
そうそうこんな感じ。って何気なく見ていたら、ジョン・フォード・ポイントのまさにその場所に馬がいません?
ふおおお〜!!!
めちゃくちゃ格好いいじゃないですか。もちろんアレですよね、馬に乗せてもらって記念撮影がお幾らという観光サービスですよね。
でもわたしが行った時には入れ違いに去って行ったので、もしかして “通りすがりのカウボーイ” だった可能性は捨てきれません。
ポイントである崖の先からは、ひたすらでっかい大地。うーむ、やはり馬の上から見たかったなあ。
ジョン・フォード・ポイントにはお土産屋さんも出ていて、
ドリームキャッチャーも。ナバホ族の聖地の風に吹かれて、気持ちよさそうですね。心なしか他で買うよりも霊験あらたかな気がします。
その後もいくつものポイントを見て回り、それぞれ素敵風景を楽しめたのですが、全部ご紹介していると長くなりすぎますからね。思い切って半分以上割愛してしまいます。
こちらはザ・キューブ/The Cube という不思議岩。四角い岩が、角度によってちょっと浮いて見えますね。
ここからはマップの9〜11番。デコボコ道で車の腹を擦るのは、シーニック・ドライブの道からこれらのスポットへ行く分かれ道とその駐車場です。つまり車の車高が気になるなら、この辺りを飛ばせば良いのです。
でもですね、9〜11番のスポットもかなりの絶景!ビジターセンターで見た景色を、角度を変えて見ている感じなのですが、印象としては随分と違います。
ひたすら続く平野にスケールの大きさを感じ、満足度は激高です。
車の腹は心配だけど、期待以上の絶景は見れたし、とりあえず無事に事故なく帰って来れて良かった!と、
安心して気を抜いたのが間違いの素だったのです(泣)
※シーニック・ドライブの入口はこちら↓の地図が示すポイントすぐ左の十字路を東に入った所です。
シーニック・ドライブを出た先で、クライシス発生!!
シーニック・ドライブを出てすぐの十字路。左に曲がるとビジターセンター駐車場で、一旦そこへ向かうつもりだったのです。ところが目の前を走っていたツアーらしき大型ジープは十字路を直進。瞬間的にGoogleマップを見ると、直進した方が次の目的地へは近道のようです。
なるほどと、上の写真(後で撮りました)の奥へ向かってRV車を追って行くと、緩やかな坂を下るに連れて徐々に地面の砂が深くなっていったのですね。ちょっとマズいかもしれないと思いながらも、悠々と走り抜けるジープに釣られて止まるのが遅れたのが運の尽き。
嘘でしょ、嘘だと言ってくれ!(叫)
前にも後ろにも動かなくなり、アクセルをふかす度にタイヤは砂に埋まっていく始末。砂を取り除いてタイヤに石を噛ませてみても、全く引っかかりません。ジタバタ足掻きながらも、ここからならビジターセンターまですぐ。ロードサービスを呼ぶよりビジターセンターで助けを求めるべきかと思考を巡らせていたその時、
おい、まずステアリングを真っ直ぐに戻せ。それから全力でバックしてみろよ。
いつの間にか後ろに立っていた男は顔の特徴からしてネイティブ・アメリカンぽい。ここで働いてるナバホの方でしょうか。挨拶もなく指示をされ、言われるがままやってみるけど、車は依然として動かず。
後ろに停めていた自分の車からスコップを取り出してきた彼は、無言でタイヤの周りの砂を掻き出していきます。砂に膝を付けて顔にも砂がかかりながら黙々と作業を進める彼。慌ててわたしも手で別のタイヤの砂を掘り出します。無言の共同作業が進み、再び彼の指示でバックさせるも車は動かず。何かひと言いうと、今度は車からチェーンを持ち出してきました。なるほど、牽引してくれるのか。車を、チェーンで繋ぎ「いいか、俺が合図したらバックに入れてアクセスを思いっきり踏むんだ」これならきっと抜け出せるだろう。そう思い合図に合わせてアクセルを踏むと、
ガキーン!バキバキ!!
大きな音と共に車が後ろに動きました。うん、動いたのはとても嬉しいけど、これ車が壊れてないか?
何かに引っ掛って再び動かなくなり、もう一度砂掘りをしてから牽引。バキバキ、ギーン!また大きな音を立てて車が動き、ようやく死地を脱しました。「うん大丈夫だね、じゃあ」と言ってすぐに車に乗って去ろうとする彼に、慌ててお礼を言いチップを渡すのが精一杯。結局名前も訊けぬままに、風のように去っていってしまったのです。本当に助かりました。
ありがとう名も知らぬお兄さん•••。
自分のミスで砂に嵌まってから30分で脱出できたのは彼のお陰。恩に着せることもせず黙々と助けてくれた格好いい彼に感謝が止まりません。ところで果たしてこの車、まだちゃんと動くのでしょうか•••。
※スタックしたのは前掲の地図の、十字路を西に進んですぐの所です。
フォレストガンプのあの名シーンの場所を見に行く。
地面に横たわって車の底を見てみたけれど、取り敢えずマフラーが落っこちてるとかはありません。恐る恐るアクセルを踏んで、すぐそばのビジターセンター駐車場へ。
うん、一応走れそうですね。
トイレに行って顔や腕についた砂を落とし、再び車に戻って次のポイントを目指します。
異音がしないか注意しながら向かうのは、車で20分ちょいのフォレストガンプ・ポイント/Forrest Gump Point。映画『フォレストガンプ/一期一会』で主人公(トム・ハンクス)が3年以上走り続け、ついに立ち止まった場所です。さすがにこの映画は観ているし、このシーンはとても印象深く覚えています。
おお、そうそうこんな感じ!
該当の場所には何もないのですが、多くの車が停まっていてすぐに分かりました。車が切れた途端に素早く道の真ん中に出ての撮影大会。皆んな色々なポーズで撮っているので、人の写らない写真を撮るのは早い者勝ちな感じです。
数百メートル奥(北東)にMonument Valley Overlook とGoogleマップにあるので行ってみると、より真っ直ぐ延びる道が分かりやすいですね。
さて時刻は既に15時を回り、今夜の宿はここから424km、休憩無しでも4時間半はかかるウィリアムズという町にあります。明日はセドナに寄ってから一気にフェニックスの町まで行く予定なので、頑張ってセドナの近くまで行っておこうという算段です。セドナに泊まるとホテルが高いですしね。
果たして今の車のコンディションで4時間半も走れるのか。不安を抱え、僅かな異変も見逃さないように耳目をフル稼働させますが、特に問題はなさそう。良かった、まだ旅は続けられるぞ。
予約していたのはこちらのWilliams AZ Hostel。夜8時になって宿に着くと、既にスタッフは退出していてフロントには鍵と書き置きが残されていました。一泊7346円のこのホステルは一応個室なのですが、
部屋はご覧の通りの極狭空間。でももう疲れて寝るだけだし問題ありません。頭や身体のあちこちに砂が残るのを共同シャワーでさっぱりさせて就寝。
翌朝はロサンゼルスの日本食スーパーで買っておいたレトルトの梅粥です。
ううっ、胃袋と心に沁みまくりです•••。
昨日は不注意からかなり大きなトラブルに成りかねない所を、人の好意でなんとかなりましたが、これは偶々幸運だっただけ。反省と自己嫌悪で凹んでいましたが、
お粥と人懐っこい宿ネコに癒されました。よし、もう反省終了でいいでしょう。
久しくネコ分を補給できていなかったので、その癒し効果は抜群です。気分を改めて、南へ進みましょう。
グランドキャニオンやアンテロープキャニオンなど、絶景目白押しなグランドサークル。その中でもパワースポットとして有名で、熱狂的なファンの多いのがセドナです。斯くいうわたしはスピリチュアルな雰囲気は逆に苦手。次回はお手軽にセドナの景色を眺め、そのまま一気にアリゾナ州の州都フェニックスまで移動する予定だったのですが•••。
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