8月23日の水曜日。この日はテキサス州西端ヴァンホーンの町の宿から、同州の東の方にある大きな町サンアントニオまでの移動です。その距離約730km。休まず走っても7時間半近くかかるようで、
テキサス州大きすぎません?∑(゚Д゚)
でもここからが、いよいよ本格的なアメリカ南部入り。美味いものも目白押し、ようやく “めし旅” のテーマに相応しい食い倒れ道中が始まります!
※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)
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土砂降りのテキサスを走る。
アメリカでは州を跨ぐと1時間の時差が発生したりして、この日は8時頃起きたつもりが時計を見ると既に10時。
しまった寝過ごした!
外を見るとシトシト雨が降っており、心なしか肌寒い気さえします。よし、温かいものを食べよう。
と取り出したのは日清カップヌードル・カレー味。内側の線までお湯を入れて、やや硬めの2分45秒で箸を取ると、
あれ?なんか柔いし味が薄い•••。
普段あんなに濃い味ばかり食べてるクセに、カップ麺だけ薄味なのは彼らが「麺はスープの具だろ?」と捉えているからですかね?お湯は麺がギリギリ隠れるくらいにして、2分30秒でというのがその後判明した最適解です。
さて10:40に宿を引き払い、この日も引き続きのロングドライブです。雨は土砂降りと言って良いほど強くなり、
大型トラックに並走されるとワイパーが追いつかなくなります。緊張感のある運転で、オーディオから流れる落語にも集中できません。
途中のガソリンスタンドでコーヒーを飲んだくらいで昼飯もとらずにひた走ります。ところでカリフォルニア州では1ガロン3.8$はしていたガソリン代(レギュラー)も、
テキサスに入るとグッと安くなります。
途中給油したスタンドは1ガロン3.399$だったので、1ℓ当たり128円ですね。
雨も上がって走行ペースも上がりますが、景色も単調で運転にもかなり飽きが来ています。サンアントニオで待っている旨いメシのことだけ考えて、
18時半に予約していたモーテルに到着。America’s Best Value Inn AT&T Center というこちらのモーテル。1泊6821円と割安なのは良いのですが、デポジットに100$を納めねばなりません。しかもGoogleマップの口コミを見ると、
クレカで払ったらイチャモンつけられて返って来なかった!怒
とか書かれているんですよ。でもこれ、この宿だけが特別なのではなくて、100$のデポジットもちょこちょこあるし、返金トラブルの口コミもあちこちで見かけます。まあアメリカのモーテルを泊まり歩くとマナーの悪い客も結構見るし、客の側がイチャモンつけてる可能性も高い。なので一概に鵜呑みにはできないのですが、デポジットは基本的に現金で払い、チェックアウト時に回収するのを徹底していました。
1人旅にツインベッドなんて無駄に贅沢なと思っていたのですが、夜寝る段になって脚が痒くて耐えられなくなりました。
たぶんダニか何かでしょう。
ベッドを変えたら収まったし文句をつけるほどでもありません。いやそれよりも、
こいつに移されてわたしが持ち込んだ可能性も皆無ではありませんからね。
前宿のネコと似た白黒ネコですが、ちょっとツンデレなところがある子です。
サンアントニオ名物パフィータコと、ハード・ソフトのタコス3種盛り!
さて宿での休憩もそこそこに、暗くなる前にと向かったのはサンアントニオのタコスの人気店、Ray’s Drive Inn です。
ドライブインと言うけれど、中はちゃんとしたレストランで結構な広さ。
適当に座っても良さそうだけど、一応スタッフの人に声をかけて空いてる席を確保します。
メニューは豊富でファフィータ等テックスメックスな料理もありますが、ここは初志貫徹でタコスを食べましょう。タコスの中身は12種類もあって、タコスの皮もパフィーの他にハード、そして小麦粉かトウモロコシ粉のソフトと4種類から選べるようです。更にはレタスとトマト、チーズも入れるかどうか選択できて、かなり自由に組み合わせ可能。
飲み物はダイエットペプシのMサイズ。ここでもトルティーヤチップスがお通し的に出てきました。
正体不明の茶色いソースが付いてきましたが、これが酸味・辛味・旨味が揃ってなかなかおいしい。
さて、注文したタコスが到着です。せっかく好みで選べるのですから、3種類それぞれカスタマイズして注文しました。
こちらは小麦粉ソフト生地の牛挽肉チーズ入り。タコミートの味に奥行きがあり、
それが溢れるほどたっぷり乗っています。
溢れて三分の一は皿に落ちてしまったのですが、それをトルティーヤチップスで掬って食べるとまた美味しい。
こっちはハードシェルのカルネ・ギサーダ/Carne Guisada(BBQ)。牛肉の煮込みはとてもまろやかで、シェルはザクっとして歯切れ良く、途中で崩壊することもなく食べやすいです。
最後は真打のパフィータコで、中身は豆を選びました。パフィータコはここサンアントニオ発祥で、生の生地を揚げたもの。ぷっくりと膨らんでいますが中は空気でして、表面ははらりはらりと薄い層を成しています。心地よい食感で油のクドさもなく、
これは良いですね、とても美味しい!
煮豆もまろやかでコク深く、柔らかな舌触りが生地と相まって官能的です。
サンアントニオ名物パフィータコは言わずもがな、どれも捨て難い美味しさで、これまでアメリカで食べたタコスの最高得点更新です。それよりもアメリカ横断を始めてようやく、
その土地じゃないと食べられない物を食べてる!
そんな食体験ができて、舌も心も満たされました。お会計はチップ別で15.7$(2244円)。スタッフさんもフレンドリーで、とても良いお店です。
本場テキサスBBQを、まずはローカルチェーン店で!
さて話は翌日の8月24日に移りまして、サンアントニオからオースティンへ移動中の朝昼ご飯です。アメリカ南部の “めし旅” の、その1番の目的はソウルフードですが、それと並んで楽しみにしていたのがニューオーリンズのケイジャン・クレオール料理とテキサスBBQ。そう、テキサスといえば誰が何と言おうとBBQ。下手するとハンバーガー以上にアメリカ人の心に深く根ざしているかもしれないバーベキューですが、
その聖地がここテキサスなのです!
日本でもここ10年でテキサスBBQの店は出来てきたのでご存知の方もいるかもですが、そのあり様は日本人がキャンプでイメージするBBQとは似て非なるもの。一晩中じっくり火を入れたり、調味液をモップで塗りたくったり、蓋をしてスモークしたりとその手法は独自発展を続けています。
目星を付けている名店はもちろんあるのですが、まずはサンアントニオとオースティン近辺で5店舗展開している、Cooper's Old Time Pit Bar-B-Que というローカルチェーンを試してみましょう。
店に入るとすぐ、メインフロアの前にお肉部屋がありまして、
何よりまずは、肉を選びなよ。
と明快なメッセージが伝わってきます。テキサスBBQに挑むにあたり不安だったのが、注文の最小ポーションです。値段は基本的に1lb(パウンド=454g)当たりで書かれていて「悪いな、注文は1/2 lbからだぜ」なんて言われたらどうしようと思っていたのです。
そこで今回は一計を案じました。
1人で色々試してみたいんだ。少しずつ切ってくれる?
と言って、食べたいものを指さしていく作戦。4種類ほど指さして、それぞれの分量はお任せです。「チキンはハーフ(1/2羽)からだけどいいか?」と訊かれて致し方なし。そんなに大きくないから大丈夫でしょう。
肉部屋で注文を済ませると「肉は用意しておくからそっちに進んでな」とメインのフロアを示されます。そこには飲み物やデザート、サイドディッシュの料理がカウンターに並び、飲み物はファウンテンドリンク(セルフサービスでコーラとか自由に飲めるもの)、サイドにグリーンビーンズとマッケンチーズを選びました。カウンターの最後、レジまで来る頃にはお肉も用意されていて、トータルお会計は42.33$(6049円)。頼んだ量とアメリカの物価を考えれば、充分リーズナブルだと思います。
重たいトレーを持って客席ゾーンへ。まだ昼前だからかなり空いていて、ドリンクのディスペンサーでコーラを注いできました。周りを見ている感じ、この店は何杯でも飲み放題のようですね。
さて、こちらが今回購入した料理一式。
左の包みを開けてみると、ポークリブ(写真右0.34lb=154g)、ハラペーニョ&チーズソーセージ(0.29lb=132g)、ブリスケット(写真上0.28lb=127g)が入っていました。
まずはブリスケット。部位的には牛の肩バラ肉で、筋肉質で硬めだけど濃厚な赤身の美味しさを楽しめる部位で、
紛れもないアメリカBBQの花形!
硬くなりがちな部位ですが、調味液のモップ(モップソース)をかけながら時間をかけて焼く。それをどう仕上げるかでその店の方向性や腕の良し悪しも分かろうかというものなのです。この店のブリスケットは柔らかではなくて、その代わり繊維がほろりとほどけ、赤身の旨味が口の中に広がる。ふむふむ、なかなか旨いですよ。
一方のポークリブは脂がジュワリと溶け出して、胡椒の風味が全体を引き締めています。ソーセージは無骨でブリンブリンと肉々しい食べ応え。それぞれ食べ味は違いますが、
いま俺は肉を喰っている!
という充実感はかなりのものです。
続いては1/2羽のチキンですが、これが食べてみて驚きました。
なんだこの保水力!!
切り口から既にじんわりと滲み出ているのですが、食べると噛んだ肉の間からジューシーな液が溢れてくるようです。
中までしっかり味が入っており、これはたぶんソミュール液か何かに漬けてから焼いたのでしょうか。胸肉は極々しっとりと肉質の木目がとても密で、もも肉もまた素晴らしい柔らかさに仕上がっています。
もしかして過去の鶏胸肉で最高ランクの料理かもしれない。
そう思うほど美味しい一品でした。
箸休めは卓上の唐辛子のピクルス。とても辛くて舌は休まらないのですが、これもまた良いアクセントです。
サイドのマッケンチーズはやはりフニャフニャで、人工的なチーズの臭みはないけれど、やはりそれほど美味しいとは思えず。でもグリーンビーンズの方はですね、恐らく肉汁入りのスープで炒め煮にしたような塩梅でとても美味しい。初めての本場テキサスBBQに興奮し速いペースで食べ進めますが、さすがに400gオーバーの肉にサイド2品、そのうえ鶏を半羽は完食できそうもありません。
でも周りのお客を観察していると、多くの人が残したものを持ち帰っているのですよね。客席ゾーンの一番奥。上の写真の壁際に、テイクアウト用の包み紙や袋が一式置いてあるようです。
残ったチキンはまた夜に食べましょう。鶏肉を丁寧に包み、まわりの客に習ってファウンテンドリンクも持ち帰り用に満タンに。満腹の腹を抱えて店を出たのでした。
オースティンの宿でチキン&ライス。
昼食を終えてオースティンまで移動して、宿に着いたのは16時少し前。オースティンでは3泊確保していて、宿は町中から少し外れたLa Unica というホステルです。
トイレ付き個室に共用シャワーで1泊当たり5612円と値段は割安。
連日の長距離移動が続いたので、オースティンではゆっくり過ごしたい所です。
着いて早々に部屋の冷蔵庫にビールを冷やし、胃袋に余裕ができてきた頃には程よく冷えていて、
持ち帰ったチキンの残りと、レンチンのケイジャン風ピラフで晩ごはん。さすがあれだけジューシーだった鶏肉は、冷めてもやはりしっとり美味しく、ビールも捗りました。
次回はオースティンを起点に訪れたテキサスBBQの名店を2軒ご紹介します。ブリスケットが絶品の街中の名店フランクリンと、オースティンから1時間強、土曜のみ営業する伝説の店Snow’s、どちらも行列必至の大人気店です!
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