2023年9月24日の日曜日。2日連続の暴風雨ドライブを乗り超えて、ボルチモアで迎えた朝は天気もだいぶ落ち着いていました。悪天候でろくなものを食べていなかったのですから、
よーし、今日は美味いもん喰っちゃうぞ!
と気合いも充分です。ボルチモアはワシントンD.C.から60kmほど北東に位置するメリーランド州の町で、パタプスコ川からチェサピーク湾を通じて大西洋に繋がる重要な港湾都市。もちろんシーフードもたっぷり楽しめるのですが、中でもボルチモアといえば有名なのが蟹!とにかく蟹の一点突破で、
ボルチモアに来たら蟹を食え、食わなきゃ帰さん!
とまなじりを決して町全体が圧をかけている雰囲気。こちらとしても応戦意欲は満々で、町一番と言われる店を何軒か(なぜか何軒も出てくるんですよね)下調べしておいたのです。
※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)
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Nick’s Fish House の悶絶絶品クラブケーキ!
前回書き忘れていたので、蟹の前にボルチモアでの宿まわりを少々。今回泊まったのはですね、町の中心部から少し北に外れたこちらのモーテル。
モーテル6ボルチモア・ダウンタウンです。モーテル6は全米で見かけるチェーンのモーテルなのですが、その仕様やグレードには全く統一感がありません。ここはアメリカのモーテル基準でいっても少し汚めで少し臭い。でもまあ1泊80$(11432円)とそこそこ値頃なので許容範囲です。
少し前の情報ですが、ボルチモアは治安の悪さで全米3位だったとかで、実際歩いた感じもあまり気が抜けない雰囲気。宿のすぐそばにはGraffiti Warehouse というグラフィティの有名(?)スポットなんかがあったりします。
この細い路地に入ると、
お〜すごい迫力!
長居して出口塞がれると逃げられませんからね、早々に退散しましょう。
さてさて本題に戻りまして、蟹を食べにまず訪れたのがこちらのNick’s Fish House。ネット上の口コミ数や評価の高さもボルチモア有数で、町一番とも評されるお店です。11:30前に着いたのに、既にお客はそこそこ入っている模様。
建物自体が複数あって、その手前のテントのような受付に「予約してないけど1人いいかな?」と声をかけると「左側の建物のハイトップテーブルに座って」と、建物と席タイプを指定されました。
左側の建物は、こちらの少し暗めのフロア。中にいたスタッフさんに「ハイトップテーブルって言われたんだけど」というと、案内してくれました。ここからは担当のサービスパーソンが付く、所謂アメリカ流フルサービス形式ですね。
メニューはこの通り、海老烏賊鮪に蟹カニかに。牡蠣に帆立にムール貝とクラム、貝類も豊富でテンションが上がります。蟹が目当てで来たけれど、ここは奮発してシーフード三昧といきましょうか。
ビールかワインが欲しいけど、車なのでコーヒーで我慢。
まずはMaryland Crab Soup 10$(1429円)。トマトベースのスープに6種ほどの野菜と蟹のほぐし身が入ってるようです。蟹肉の旨味がしっかりのったミネストローネという感じで、初っ端からとても美味しい。これは期待できそうですね。
続いてはClams on the Half Shell 1/2dozen 12$(1715円)。クラム/Clam を辞書でひくと、ハマグリかアサリ、もしくはそれに類する2枚貝とあります。実際に出てきたのは上の写真ので、標準的なハマグリより少し大きめ。確証はないのですが、たぶんこれホンビノス貝だろうなぁ。
本場のボストンクラムチャウダーで使われるというアレですね!
同じアメリカの東海岸だし、貝殻の形も似てるような気がします。そのまま食べてみると少し味がボケて感じるけれど、レモンを絞るととてと美味しい。臭みなく爽やかな海の風味がすうっと抜けていきます。ホースラディッシュとカクテルソースがまたよく合うんです。「魚介を食うなら日本が最強!」も一面の真実ではあるけれど、やはり地の物には地の調味料と薬味が合うのだと、改めて思う次第です。
スープ・前菜を楽しんで、いよいよ主役のご登壇。Nick’s Signature Crab Cake 25$(3573円)です。蟹の町ボルチモアで食べられる蟹料理のなかでも、一番人気なのがこのクラブケーキ。要は蟹肉をボール状にして焼いたり揚げたりする蟹団子です。皿が大きくて写真だと小さく見えますが、
握り拳くらいあってけっこう大きい!
バンズの上に乗っていて、奥のピクルスと野菜の下にもう半分のバンズが隠れています。つまりハンバーガーのような形にして食えということなのかな?そういえばメニューでもサンドイッチのカテゴリに載ってましたもんね。
外見は色気もそっけもない茶色メシ。あまり旨そうに見えないというのが正直な感想ですが、ナイフを入れて割ってみると•••
うほっ!蟹ぎっしりじゃないですか!!!
これたぶん、蟹肉とソース以外なにも入っていないですよ。純然たる蟹のかたまり。口に入れるとソースに負けない蟹肉の甘さが濃厚で、これはめちゃくちゃ美味い!日本のズワイガニなどとは全く違う方向性で、でも「蟹喰ってるぞ!」という、とてつもない満足感です。
半分くらい食べ進めてから「そうだ、バーガーにするんだった」と思い出しました。半分でもまだ充分ボリュームありますからね。バンズと野菜に挟んでガブリといってみるとですね、
成程これはただ豪勢なだけじゃなかった!
ひと口食べるごとに、口中が蟹味で溢れて悶えるほどの贅沢さ。なのにそれだけじゃなく、でっかい胡瓜のピクルスがとても良い仕事をして、料理としてのバランスがとても良いのです。付け合わせのポテチもたぶん店で揚げているようで、この店なら何を食べても美味いだろうという安心感を覚えるほど。円安(と言ってもこの頃はまだ1ドル142.9円でした)とインフレで恐ろしいアメリカ物価ですが、これが3500円なら日本でも全然アリ。チップ20%入れてぜんぶで63.6$(9088円)と久々の贅沢メシになったけど、とても満足して店を出たのでした。
町中の超有名店FAIDLEY’S の濃厚クラブケーキ。
初日のクラブケーキが想像以上に美味しかったので、翌日もう一軒行ってみることに。こちらのFAIDLEY’S のクラブケーキも、ボルチモアNo.1 と評判のようなのです。
昨日のNick’s は町外れの海沿いで、車じゃないと行きづらい場所でしたが、こちらは町の中心部の便利な立地。レキシントン・マーケットという食テーマの商業施設の並びにあります。レキシントン・マーケットについては次回触れるとして、今回はFAIDLEY’S です。
10時の開店に合わせて入ったので、店内はまだ空いていました。スタンディングの客席を、各種シーフード料理のカウンターが取り囲んでいます。
蒸し蟹とかは準備中の様子。
一方目当てのクラブケーキは準備万端、ほかのお客もみんなクラブケーキ目当てのようですね。ボードにでっかく “BOLTIMORES BEST / CRAB CAKE” と書いてありますが、これはええと、
どっちの意味なんだ?
「うちのがボルチモアで一番のクラブケーキですよ」なのか、はたまた「ボルチモアで一番の料理、クラブケーキをどうぞ」なのか。英語に詳しいかたがいたら、是非コメントかSNSで教えてくださいませ。
さて客席に置いてあるメニューを見ると、この店のクラブケーキには2種類あって、LUMP とBackfin から選べるようです。調べてみるとLUMPは甲羅部分の大粒な身肉で、Backfin は脚や爪の細かい身肉。LUMP の方が高級品です。因みに蟹の種類はというと、ボルチモアを含むメリーランドではブルークラブというガザミに似た蟹が名産でして、たぶんこの店もそれを使っているはず。
値段は時価で、壁際にぶら下がってるボードに今日の値段が書かれています。なるほど、2種類でだいぶ値段が違うのですね。クラブケーキは2回目だし少し節約しようかと思った矢先、
ボルチモアなんてもう二度と来ることはないんだぞ。
悪魔の囁きが脳内をかすめ、LUMPのプラッター31.95$(4566円)を注文することに。
クラブケーキのカウンターに並んでプラッターとコーラゼロを頼み、お会計は税も入ってトータル36.52$(5219円)。プラッターにつくサイドメニューは選ぶことができて、フレンチフライとキューカンバーサラダをお願いしました。料理を受け取って、あとは好きな席で食べるセルフービス方式です。
クラブケーキは昨日のより一回り小さくて、でも割ると中は蟹肉がぎっちり。昨日のが蟹の甘味をストーレトに味わえるものだったのに対し、こちらはたぶん蟹味噌を和えてコク増ししている感じ。
うーんこれもとても美味しい!
甲乙付けがたくあとは好みの問題かもですが、個人的には昨日のNick’s Fish House に軍配を上げます。Nick’s の方が大きいのに値段は安く、何より蟹肉自体の質がNick’s の方が上でしたから。
ただ、蟹の質は「たまたまその日は」というやつだったかもしれません。いずれにせよクラブケーキは想像以上に美味しくて、
アメリカの蟹料理?どうせ雑なやつだろ。
と実は少しだけ軽くみていたことを、ここで謹んでお詫びさせていただきます。ごめんよアメリカ。でも君のせいでもあるんだぞ。
次回はボルチモアでついに見つけたモツを使ったソウルフード “チタリングス” と、アトランティックシティの絶品サンドイッチです!
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