現地ならではのおいしさを探して、ゆるゆると旅します

世界一周 めし旅

ピルスナービール発祥の地プルゼニ(ピルゼン)へ!

投稿日:

6月12日の月曜日。3泊を過ごしたプラハを去り、南西へ80kmほど行った同じくチェコの町プルゼニ/Plzeň へと移動します。最初はもっとプラハに日数を取る予定だったのですが、やはりビールに関わる仕事をしてきた身としては、プルゼニは素通りできません。日本はもちろん世界のビールの主流であるピルスナービール発祥の地がプルゼニであり、産みの親がピルスナー・ウルケルなのです。

謂わばこれは聖地巡礼。

厳かな気持ちで工場見学を予約して、プルゼニに2泊を割いたのでした。まあ、ドミのベットで寝転びながらポチったんですけどね。

※文中のレート換算はプラハで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1Kč(チェコ・コルナ)=6.4円で記載しています。


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プラハからプルゼニへ!

コーヒー飲んで荷造りし、余裕を持っての9:40に宿を出発。近くの地下鉄駅ナーロドニー・トルジーダから地下鉄Bラインに乗り、終点のZličínまで11駅20分です。

30分券で行けるので、ここまでの運賃は30Kč(192円)。

西の外れにあるZličín 駅まで来たのは、ここまで来るとプルゼニ行きのバスが激安だからです。その値段はなんと、

3.49€(513円)!

1時間で着いてしまう距離なので、然もありなんですね。

3.49€(513円)のバスターミナルの場所はこの地図↑の通りで、地下鉄駅を降りたらすぐ目の前。

広い敷地が広がっていますが、ちゃんと乗り場案内の地図があって分かりやすいです。

FLiX BUSの乗り場も出ています。なるほど2番乗り場ですね。

駅で買ってきたパンはバッグに詰め込んだら何とも惨めな見た目に成り果てましたが、これを食べながらバスを待ちます。

9:55発車予定のバスは少し遅れてやってきて、荷物を預けて乗り込みます。さぁプルゼニへ向かって出発進行!と思ったら、

あら、全然発車しないんですけど•••。

たぶんチェコ語でアナウンスがあったのですが、もちろん理解できず。30分待ってようやく出発しました。まあ、急ぐ旅でもないですしね。

長閑な風景に心和む所ですが、実はカラダの方はかなりキツくてですね。風邪気味に痛風気味のダブルパンチを押して、プラハ満喫プランを強行しましたからね、だいぶ疲れが出てきているようです。

何とかピルスナー・ウルケルで蔵出しビール飲む余力を確保したい所です。

バスは1時間ほどで、プルゼニのバスターミナルに到着しました。ここから中心街の宿までは、歩いて20分ほど。宿に着いたら少し休みましょう。

ちょっと贅沢に個室のホテル泊なのです!

どこにでもありそうな、さして見栄えのしないバスターミナル周辺から、少し中心街へ向かって歩くだけで雰囲気のある建物が増えてきました。

カラフルな建物が目を惹きますが、

なんかこの石のブロックみたいな壁が、レゴっぽいですよね。

フェンス越しに工場のような施設。もしかしてビールの醸造所だったりしないですかね。

市街中心部にやってきて、どーんと目立つ教会が、聖バーソロミュー大聖堂/Cathedral of St. Bartholomew。その前にはリパブリック・スクウェアという広場が広がっています。紛れもなくここがプルゼニの町の中心という趣きですが、

なんと今回の宿はその広場に面した一等地のホテルです。

ホステルじゃないですよ、ホテルです!

プルゼニにドミトリー宿が見当たらないというのもあるのですが、町のど真ん中のこのホテルが1泊7078円。ヨーロッパとしては破格の安さなので、ちょっとだけ贅沢してみました。

ホテルと言っても日本でいうとビジネスホテルの雰囲気で、豪華な感じは全くないのですが、

ちゃんとした個室に、

部屋付きのシャワーとトイレ。

アメニティまであるじゃないですか!こんなことに喜んでいる辺り、かなり円安下での欧州旅にやられていると痛感しますね。今回のプルゼニの目的は唯一つピルスナー・ウルケルの見学です。ならばもうそれ以外は全て放棄して、

心身の回復に努めましょう。

部屋でゴロゴロした後は、ホテルの屋上にあるカフェで一服。少しばかりホテルステイの雰囲気を味わってみたのです。

プルゼニちょっとだけ町歩き。

そんな訳でプルゼニではネットで「見どころ」検索とかもしていません。たぶん色々と名所があるのでしょうけれど、予備知識なしに気儘な散歩くらいがちょうど良い気分なのです。

路面電車が走るよくある欧州の町の景色ですが、どことなく歩く人もゆっくりで、のんびりした雰囲気に感じられます。

町中には公園もあって、月曜の昼から何をするでもなく寛ぐ人たち。向かいの建物からは管楽を練習する音が聞こえてきます。プラハもそうだったけれど、クラシック音楽がとても身近にあるんですよね。

聖バーソロミュー大聖堂

ホテルの前にあるこちらの大聖堂は、入るだけなら無料。塔に登るには多少の入場料がかかるそうなのですが、

うん、登らないよね。

一旦旅行者としての勤勉を放棄すると、わたしの好奇心などこの程度。それでも外見通りとても高い天井に、

ステンドグラスから入る柔らかい光。

絢爛ではなく落ち着きを感じさせる教会内部は、なかなかに素敵でした。

大聖堂前の広場は着いた日こそ何もやってなかったけれど、クリスマスマーケットを筆頭に各種イベントも開かれるそうで、

翌日はイタリアン・マーケットを開催中。

サラミやチーズがこれでもかと積まれ、

イタリア菓子のカンノーロも売ってました。おいしいんですよね、これ。

大シナゴーグ/Velká synagoga

もう一つ訪れたのが、宿に来る途中に目を引いたこの建物。マップで見ると大シナゴーグ、ということはユダヤ教の会堂ですね。

ブダペストではアホみたいに高い入場料に憤激して入らなかったので、今回が初シナゴーグです。また高いのかなあと心配しながら行ってみると、入場料は120Kč(768円)。ほお、良心的ですね。

チケットを買うと平たい円錐形の帽子をくれました。どうやらこれを被って観覧するようです。調べてみるとこの帽子はキッパといって、神に対して頭を隠すことで謙遜を表しているそう。他宗教へのリスペクトですから、これはしっかり被るのです。

なんか気恥ずかしいですね。

中は一見キリスト教会と似た雰囲気ですが、どことなく落ち着きがあります。

なんでだろうと見回しながら考えてみると、

そうか、絵とか像が無いんだ。

キリスト教もユダヤ教も偶像崇拝は禁止なのですが、その解釈は異なるそう。ユダヤ教ではより厳格に、神を連想する絵画や像を禁じているのですね。祭壇の十字架がある場所にはダビデの星。

繊細な色遣いのステンドグラスも幾何学模様です。

会堂の周りは廊下になっていて、絵ではなくて写真が飾られています。

ユダヤの人たちの日常の風景。

微笑ましいというか、これはかなり笑えます。

豚の丸焼きでしょうかね。何の基準で展示されているのかは分かりませんが、地域のユダヤ民族コミュニティにしっかりと根ざしている感じは伝わってきます。

2階にも登ってひとしきり眺め、初シナゴーグ体験は終了。

お土産屋さんをチラリと覗いて退散しました。

舌と胃袋も、やすませたい。

朝のパンから何も食べず、夕方になっても全然ハラ減った〜とならないのですが、これは冷静に考えて、

かなりの危険信号。

なにせ風邪をひいても食欲が落ちることはまずない体質。腹が減らないというのは、異常事態なのです。

やはりプラハの無理が祟っているのか、いやそれだけじゃないかもしれません。いま振り返って思うと、ときどき自炊なんかでガス抜きをしていたとはいえ、

もうトルコ以来の食生活の負担も、積もり積もっていた気がします。

プルゼニの2日間は胃袋も労わろうと考えて、やってきたのがこちらのお店。

ホテルの目の前にあって便利なのと、メニューにロクシェ/Lokše があったのが選んだ決め手です。

飲み物はピルスナー・ウルケル。胃袋を労ると言いながらビール飲んでりゃ世話ないのですが、この1杯は

ピルスナービール発祥の地への敬意というものです。

歳を取ると、自分自身への言い訳がどんどん上手になっていきますよね。

さて、こちらがロクシェ。ロクシャとも言う、スロバキアで食べたジャガイモ入りの皮で食べるクレープですね。バーベキュー風味の牛肉に、玉葱やチーズやパクチー。ライムをギュッと絞るとなかなか爽やかです。

いつもならここにメイン料理が加わる所ですが、この日はこれでおしまい。こういう頼み方も良いものですが、やはりTPO次第ですよね。メインを頼まないと失礼な場合もあるでしょうし、それは店の雰囲気や曜日や時間帯なんかで判断するしかなくて、最近ようやく、

肌感覚が分かってきた気がします。

お会計は324Kč(2074円)。よし、いい具合の腹八分目です。

次回はプルゼニ2日目。前もって予約していたピルスナー・ウルケルの工場見学です。醸造所の歴史やこだわりのビール造りもとても興味深いですが、メインイベントはもちろん試飲。なんと地下セラーにある、

樽から直接注いでくれるのです!

工場のレストランとバーも利用して、ピルスナー・ウルケルを満喫してきました。


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