3日間でなかなか充実した食体験ができた香川県ですが、メインイベントは3日目のこの日。7年間恋い焦がれた『がもう』のうどんを食べに行くのです。高松駅からJR予讃線に乗って行ける、讃岐うどんの名店2軒を巡るぶらり旅。
車とはまた少し違う旅情を味わえました。
それでは、いってみましょう。
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電車と歩きでのんびり行くと、また違う景色が見えるのです。
2月18日(火)。朝イチに宿を出てJR高松駅から6駅、30分かからずに最寄りの鴨川駅に到着。駅から『がもう』へは徒歩15分です。まだ冷たい風の吹き渡る川沿いの道を、体を縮こませながら歩いていると、
あ、春。
人様のおうちの梅の木ですが、菜の花を借景に美しい枝ぶり。車では見落としてしまうこんな景色も、てくてく散歩の楽しみですね。
うどんに欠かせないネギ畑を見ながら、期待を膨らませてお店へ到着しました。
舌触り・噛み心地・喉越し、魅惑のがもううどん。
お店の営業時間は8時半から14時半頃まで。土曜と祝日は1時間ほど早く店を閉めるようです。日月の週休2日なので日曜に香川に入ってこの日まで、
2日間のおあずけ。
ようやくのご対面に感動もひとしおです。
並んでいる間に、店先にぶら下がったメニューをチェック。うどん小1玉が150円。大2玉だと250円で特大3玉が 350円。なんて良心的な値段なんでしょう。
セルフなので列はサクサクと進み、店に入るとすぐの茹で釜の前で、まずはうどんをオーダー。ここでは、あったかいのか冷たいの、大中小を指定します。
うどんを受け取ったら、天ぷらやお揚げ、卵のコーナーでトッピング。色々あって目移りします。本当ならじっくり選んで最適解を探したい所ですが、後ろにずらりと並んでいるので時間の猶予はありません。
もう目が合ったとしか言いようがない、瞬間の判断で乗せるものを選ぶのです。
ここでお会計を済ませたら、背中側にあるスペースで出汁やネギなどの薬味を自分で入れ、丼を持って席へ。ちなみに席は店内にもありますが(基本相席)、外にもベンチがあるし、なんなら外で立って啜るのもこの店の風物詩です。
この日は店内席が空いていたので、風を避けて店内へ。あったかいうどん大に、熱い出汁250円。それにお揚げとタコの練り物天が合わせて200円です。ちなみにこの店では、やや甘く炊き上げたお揚げが人気。そして飽くまで私見ですが、
本来この店では、シンプルはキツネうどんが正統。
だから練り物なんて取らないで、うどん×イリコ出汁×お揚げだけにして大人の抑制を示そうと思っていたのに、ここでもセルフの罠に惑わされてしまいました。
イリコのしっかり効いた出汁をひと口啜り、練り物さんに道をあけてもらい、うどんをずずずずず……。
あ、あ、あ、やばいこれだ。
コシはしっかりあるけれど、固さがまるでない麺。口の中の、うどんに触れる全ての場所が心地よさに喜んでいるのが分かります。何なんでしょう、これは。これより滑らかな麺も、これよりコシのある麺も、これよりモチモチした麺も食べたことがあるけれど、『がもう』のうどんは、
どこも突出していないのに、明らかに分かる無二の味わい。
そして麺だけではなくて、出汁やお揚げとのバランスも含めて素晴らしい一体感なのです。7年前にここで食べて初めて「自分の好きなうどんってこうだったんだ」と気がついた、いわばわたしの理想のうどんが、これです。
食べ終えたら自分で丼を下げに行きます。出汁を注いだ所に流しがあるので、前の人にならって箸や飲み残しのおつゆ(たぶん残らないけど)を分けて片付けます。外にでて、記憶と一切変わらないおいしさにボォっとしていると、常連さんらしい男性が食べている丼に目が止まりました。
なにそれ! うどんと蕎麦が両方入ってる...。
そういえばさっき「うどんそば頂戴」とオーダーしている人がいましたね。まさか1つの丼に一緒に入っているなど思いもしなかったけれど、これは見過ごすわけにはいくまいと、
もう1回並んで、買ってきちゃった。
2回目はちょっと恥ずかしいので、内心テヘペロなのですが、40代のおじさんはそんな気持ちはおくびにも出しません。無表情でぶっきらぼうに、そしてさも知っているかのように堂々と、
うどんそばね。
と注文。「1玉ずつでいいの?あっったかいの?」などと聞かれて初めて、色々なバリエーションがあることが分かりましたが、ここは素直に1:1のあったかいの。再びセルフの誘惑と戦いながら卵天1つを乗せ、麺250円卵天100円の明朗会計。
今度は外のベンチに持っていき、まずは蕎麦だけ食べてみます。
あれれ、蕎麦やわやわでフニャフニャ。
正直駅の立ち食い蕎麦と区別がつかないレベルです。不思議に思いながら今度はうどんと蕎麦を一緒に啜り込んでみると、
うわ、なにこれ面白い!
噛むとやわやわな蕎麦がうどんの間に入ってクッションの役割を果たし、さっきより一層ほわ〜んとします。味も食感も2層構造になって楽しいのは、マレーシアで食べた福建蝦麺の2種ミックス麺を思い出すけれど、
これは遥かに庶民的でB級なおいしさ。
卵天にたっぷりついた天カスと相まって、駄菓子を食べているように楽しい気持ちになるのです。
↓ご興味があれば福建蝦麺の記事もどうぞ。
予想外の方向性に不意打ちをくらいながらも、食べるほどに自然と笑ってホッコリしてしまう、これまた幸せなメニューでした。
昼1時間だけ営業する、幻のうどん@日の出製麺所。
『がもう』を後にして、鴨川駅から再び予讃線で2駅。坂出という駅にやってきました。狙いは日の出製麺所。名前の通り本業はうどんの製麺で、11時半〜12時半の1時間だけ、うどん屋としての営業をしているお店です。
前旅ではタイミングが合わずに食べ逃していたので、今回初訪問。開店前の行列に並び、ギリギリ1巡目で入れました。並んでいる間にオーダーを聞いてくれているので、座ると間も無くうどんが提供されました。
オーダーしたのは “ぬるめ” の大(2玉)240円。ちなみに小は120円です。注文は熱い、冷たい、ぬるめ、釜揚げの4種類と量を指定する独特な感じだけれど、分かり易く書かれた紙を見せてくれるので困ることはありません。素うどんが届いたら、
卓上に置かれた出汁(熱いのとぶっかけツユ)やトッピングを自分で乗せていくスタイル。お揚げも天ぷらも大きなテーブルに乗っていて、皆んなで共有するので、
合宿所にでもきている気分。
手が届かないので「すみませーん、卵とってください」なんてやりとりが発生するわけです。
ネギは束ごと丼の上にもっていき、ハサミでチョキチョキ。
先ほど、がもうでやりたかったシンプルなキツネうどんの完成です。
毎日食数限定で提供される香川県で開発された小麦粉「さぬきの夢」のうどんが割り当てられました。
やわらかめでーす。
と説明のあったそれは、それでも『がもう』よりはしっかり食感。ぬるめを選んだからかもしれません。噛んでいくとじんわりと小麦の甘さが感じられて、うんうん美味しい。出汁はなぜかどん兵衛っぽい感じがしないでもないけれど、うん美味しい。『がもう』のせいで、随分あっさりした文章になっている気がしないでもありませんが、『がもう』の後に食べて美味しく感じるのだから素晴らしい。2玉食べてお揚げもつけて310円という値段も魅力です。
車やバイクがないと行けない名店が多い香川県の讃岐うどんですが、今回の予讃線2軒巡りは徒歩旅行者にはなかなか良いルートかもしれません。朝ごはんを『がもう』で食べて、お昼は日の出製麺所。午後イチには高松市街へ戻ってこれる半日コースです。電車の本数が多くはないので、もし行かれる際には事前に発車時間をチェックされると良いと思います。
次回予告
香川にいる間「次はどこへ行こう」とぼんやり考えていたのですが、高松からの交通の便やまだ行ったことがないことが決め手となって、
次の目的地は徳島。
そこで3日過ごして徳島阿波おどり空港から千葉へ帰ったので、徳島が約1年の旅の最後の町となりました。次回から、ここまでの旅のブログの最後となる、徳島篇スタートです。
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