現地ならではのおいしさを探して、ゆるゆると旅します

世界一周 めし旅

まるで異世界!カッパドキア1日ツアーと伸びるアイス入り悶絶スイーツ。

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ギョレメ2泊目の夜が明けて、カッパドキア観光もこの日が最後。相変わらず手のかかったホテル朝食を食べて行動開始です。

スクランブルエッグだけど何か違う。

パンとは別にチーズを巻いて焼いた惣菜パンのようなものも。昨日はフレンチトーストでしたしね、パンにパンを重ねるのが定番なのでしょうか。

今日のデザートはミューズリーみたいなヨーグルトと果物。うんうん、朝はこっちの方がいいですね。

※文中のレート換算は実際にアコムカードで調達したレート7.29を四捨五入して、1TL(トルコリラ)=7.3円で記載します。尚トルコはいま月単位で値段が変わるレベルのインフレ中。あくまでご参考まで。


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ツアーはホテルで予約しました。

カッパドキア・ギョレメ滞在は3泊4日。ギョレメへのバス移動中、あまりに暇すぎて次の町コンヤへの予約をしてしまったので、観光できるのはこの日1日のみです。前日に頼れる宿兄貴に相談し、提示されたのは赤・緑2種類のツアーです。

レッドツアーはこの内容。

おお、何かカッパドキアっぽい岩だ。

うんうん良さそうじゃないですか。

そしてグリーンツアーがこちらです。どうもカッパドキア地下都市遺跡というのが有名らしく、たまたまチェックインしに来て隣で聞いてた韓国姉さんが

絶対こっちがオススメ!

宿兄貴も「ここ韓国人に人気だよね」と。ふむ、そうなんですね。こちとら壺ケバブと変な形の岩しか知らずに来てるので、地下都市なんて初耳です。で当の韓国姉さんはというと「絶対気球に乗りたい!でも予算厳しいから地下都市は諦める」のだそうです。

因みに気球は雪の影響で連日運休。休むと待ち客が増え、待ち客数に応じて値段が上がるという

地獄のシステム。

わたしが居る間は飛ばなかったのですが、無事乗れてたらいいですね、姉さん。さて赤と緑のコース選択。どちらも45ユーロ(6500円位)で迷うのですが、よく見ると緑の方は峡谷を4km1時間トレッキングすると書いてあります。

歩くの?この積雪のなか峡谷を!?

観光姉さんのアドバイスを完全スルーして、レッドツアーを選んだのでした。

ツアー❶ウチヒサール城/Uçhisar Kalesi

ホテルで9:30にピッアップと言われて待っていたら、10分遅れで迎えが来ました。今回は雪が面倒なのと宿スタッフの感じが良いので任せましたが、ホテルで手配すると交渉窓口が目の前にいるから待ってる間も安心ですよね。

まずはツアー会社に連れて行かれ、代金を払って乗り換えます。先客に感じの良い台湾人カップル、後からカナダ人のお婆ちゃんと無理やり付き合わされたヤンチャな孫という雰囲気の2人組。「今日はこの5人だからリクエストがあったら言ってね」と英語堪能で知識豊富、さらに気配りもできる有能ガイドのアザドさん。英語が流暢すぎてわたしの英語力では

4割くらいしか分かりません(泣

それでもアザドの取り回しで和やかに会話が弾み、バンはウチヒサール城へ到着しました。

ウチヒサール城は大きな岩山をくり抜いて作った城塞。古代ローマ帝国の時代、迫害を逃れできたキリスト教徒がこの地に隠れ住んだのが始まりだそう。

「岩に空いてる小さな穴は鳩のためのものなんだ。鳩を飼ってフンを肥料にしたり、卵の殻を壁画の染料にしたりして共生してたんだよ」とアザドの解説。ひと通り説明を聞いたら自由時間。ちょっと足元が悪いけど、奥を探検してきます。

ゴリラ岩ですね。

お土産売ってる部屋がありました。

放置された風の住居跡。

打ち捨てられた絨毯が生々しい。ウチヒサール城がどうかは知らないのですが、カッパドキアのこういう岩の住居はけっこう近年まで人が住んでいて、一度政府の方針で離れたものの、最近はまた戻って来てる人もいるのだとか。

くり抜いた中に入ってみると、上下左右に意外と奥まで部屋が繋がっていて、

窓から絶景が望めたり。

ウチヒサール城はカッパドキアの大地を展望できるナイススポットでした。

日本ではあまり見ない鳩。彼らが昔々の隠れキリシタンと共生していた鳩の子孫ですかね。集合時間になり戻ってみると、アザドがブラジル人観光客3人組から質問責めに遭っていました。彼らもこのまま我々のツアーに参加するそうで、

客の現地調達とはやるなアザド。

流石の有能ガイドなのでした。

ツアー❷ギョレメ野外博物館/Goreme Open Air Museum

続いての場所は、昨日通ったギョレメ野外博物館。ここでもフリータイムの前にアザドの解説が入ります。

古代ローマ帝国から時は降り、9〜11世紀頃を中心に数百の教会がこの地に作られたそう。周りをイスラム教徒に囲まれた環境で、キリスト教徒の信仰を高め生活を共にする共同体がこの地に作られていたのですね。教会は隠れるように小さく目立たない形で作られており、

このように入口が鍵穴の形をしているのが教会の目印だそう。教会内部にはフレスコ画が多く残っているのですが、基本的に撮影禁止。なので解説板の写真を貼っておきます。

キリスト教徒の方から見ると色々と感じることがあるのかもですが、バリバリ多神教徒のわたしが興味深かったのは、

マッチョなキリスト様の絵です。

ギリシャ神話に見られるような神様=強いイメージが混ざっているようで、大胸筋と三角筋が一つのサッカーボールになったような、漫画チックなゴリマッチョ。しかもなんと、

赤ちゃんのキリスト様もゴリマッチョなのです。

我々が知っているキリスト像とはかけ離れたイメージに知的好奇心がくすぐられます。彼らはローマカトリックではなく東方正教会の流れを汲むらしいのですが、そもそも日本に居ると正教会の知識に触れる機会が少ないですからね。

ちょうど今、ユダヤ教からキリスト教のカトリック、正教会ときてイスラム教までの、一神教に関する本を読んでいたので想像が捗ります。

ギョレメ野外博物館の目玉はこの暗闇教会。ツアー料金とは別に50TL(365円)払うのですが、中には状態の良いフレスコ画が残されていて迫力があります。因みにこの協会群はまだまだ調査発掘が続けられており、日本人の学者さんも加わっているのだとか。アザドは「オレの知識は全部その日本人の先生に教わったんだよ」とのことでした。

ツアー❸アヴァノス/Avanosの陶磁器工場見学

野外博物館の次はギョレメの町から北へ約8km、4000年の歴史を誇るという職人の町アヴァノスへ。陶磁器と絨毯が有名らしいのですが、このツアーでは陶磁器工房を見学します。

移動中にアザドから「イスタンブールのグランドバザールとかと比べてここで買うと如何にお得か」説明が入ります。何でも伝統工芸を保護する為に政府の補助が出ていて、海外発送費と破損時の保険まで負担してくれるのだとか。

それでも「もちろん気に入ったものがなければなにも買わなくて大丈夫」と繰り返し気を使うあたり、どこかの国の

買うまで表に出さんぜ、ウィ〜!!

みたいなツアーとは違います。

どちらのボスが作り方やアヴァノス磁器の特徴を詳しく説明してくれます。高級品には水晶が使われているとか、

「ほら、こうやって火をつけても燃えないんですよ」とか、この辺りのくだりはややTVショッピングじみてますが、

実際の絵付け作業や

蹴ろくろで器を作る所を見せてもらえてとても興味深い。

お茶かコーヒーか、この辺の伝統的なワインもあるけど如何ですか?と言うので勿論ワインをいただきます。さっき出てきた鳩のフンで育ててたのがワイン用葡萄だったりするのです。

ふむふむ、中々おいしいですよ

ワイン組の数人で乾杯し、楽しくなってきた所でお買い物タイム。ショップには磁器を中心に並ぶ大きな部屋が2つ。一つは水晶を使った高級品エリア。1品数十万円とか余裕の品揃えです。

もう一つのカジュアルエリアでも数千円からが中心。日本の作家ものの陶器より、だいぶ高い印象です。器には目がないわたしですが、和食を盛るにはやはり相性が悪そうで、

ひと通り見て一足先に外に出たのでした。

ツアー❹ランチをいただきます

ツアーにはランチ代か含まれており、連れてこられたこちらのお店。アザドが「ツアーで団体客を押し込むような店じゃないから安心して」と言っていた通り、町にある普通のお店ですね。

ブラジル人組と一緒よ先に座り、メニューを選びます。

スープや副菜は決められており、メイン料理を選べるとのこと。クレイポットのチキンを選び暫しの歓談。

ブラジル人3人のうち、1人は以前日本に来たことがあるらしく「伊勢の真珠島に行ったんだ、知ってるだろ?」と。

知りません結構マイナーですよね。

別の1人は5月に日本に行って、東京から長野の山々をまわり、金沢に抜ける旅を計画しているそう。

こちらも来年ブラジルに行くと伝えて幾許かの情報をもらい、旅好き同士の会話は和やかに進むのでした。

クレイポット・チキンは壺ケバブではなくキャセロール型でした、熱々でパンによく合います。食事を終えてバンに戻る所でブラジル人の1人が「スイーツが無いなんて。ベジタリアンに甘いものは大事なんだぞ」とワガママを言い出すと、

ささっと甘いものを買ってきてくれるアザド。さすがの有能ガイドです。

ツアー❺ラクダ岩のあるImagination Valley(Devrent Valley)

昼食の後、残す行程はあと2つ。一つ目は岩が色々なものに見えるというイマジネーション・ヴァレーで、ここはサクッと寄る感じ。

有名(らしい)ラクダ岩ですがアザド曰く

俺にはナメクジにしか見えないよ。

ハイもうナメクジにしか見えません。

こちらはブルサで見たメヴラーナの旋回の舞。スカートを履いた人が2並んでる感じですね。なるほど確かに言われてみればです。

ツアー❻まるで異世界!妖精の煙突ことFairy Chimneys (Paşabağları Müze ve Örenyeri)

さて最後は妖精の煙突。これぞカッパドキアという不思議風景を楽しめる場所だそう。

車を降りて土産物屋の通路を進み、入場ゲートを超えたら

そこは異世界。

魔女が箒で飛んできても違和感がない雰囲気ですし、

そろそろ猫が喋り出しそうですよ。

まるでキノコの国に紛れ込んだようですが、この岩の形は大昔の噴火と水の影響で出来たのだそう。

上に乗ってる帽子が火山噴火で飛んできた硬い岩で、下の比較的柔らかい岩が長い年月をかけ水流に削られてこうなったのだそう。わたしの英語理解力で聞いた話なので、

ほほう、そうなのかもしれないね。

くらいに聞いておいてください。

もうここの風景とか、まんまおとぎ話です。ほらほら、そこ妖精飛んでますよ。

ここでもまた、よじ登ったり穴に入ったりのプチ探検気分を楽しめるのですが、

岩の窓から外を見るとこう。

そして外から見るとこう。だからなんだとお思いでしょうが、行ったらきっとテンション上がりますから。

奥の方はますます不思議風景が広がって、

高い所まで登って見るとこう。

更に一番奥のここ(↓)も少し頑張れば登ることができ、

高いとこから敷地を見渡せるのです。

いやーここは楽しかった。ウチヒサール城も野外博物館も良かったですが、ここが観れただけでも地下都市遺跡に釣られてレッドツアーを選ばなくて良かった。そう思ってホクホクしていたら翌朝、

昨日行かれたとこ全部に地下都市も入ったツアーに行ってきましたよ。

と同宿になった日本人親子さんの手遅れ情報。つまり今日の記事は「ツアーはいくつかの会社を比べてよく選びましょう」という話でした。

マジすか⁉︎

ギョレメの外れにある名店Köşebaşı Kapadokya の悶絶スイーツ。

ツアーから宿に戻り、ひと息ついたら夕食です。連日の観光客慣れしたレストランに痺れを切らし

ならいっそ最高に素敵な観光レストランへ行ってやる!

とやって来たのがこちらのお店。素敵な雰囲気に素敵なサービス。洒落た料理を前に客の殆どはビールやワインを嗜んでおられます。

トルコに来て殆ど飲んでないけど、雰囲気に流されビールをば。ここは充分徒歩圏内ではあるけれど、中心部からは外れた寂しいエリア。なのに広い店内は8割以上埋まっていて、人気の高さが窺えますね。

メニューを詳細にチェックしてベストな注文をと考えるのですが、駄目だ昨日のアダナケバブの後遺症で、どうしても肉々しいものに食指が動きません。

まず頼んだのはSöğürmeという野菜料理。茄子やトマト、グリーンチリを細かく切って耐熱皿に盛り、オーブンで焼いたものだそう。

うーん軽い。

旨味文化の日本人からすると心許ないくらいシンプルな料理です。これをパンに合わせて食べていると、Kuşbaşılı Pideという牛挽肉とチーズのピデが来ました。

イスタンブールでピデを食べた時「両端が尖った船形のもある」と書きましたが、ここにあったので頼んでみたのです。なるほどなるほど、

形が多少違うだけで同じ料理ですね。

挽肉たっぷりで、ふっくら香ばしい生地もとても美味しい。食べ終えてひと息ついたベストのタイミングで「デザートはどうしましょう」とお誘いがありました。メニューをくださいと言うと、

お客様メニューは必要ないですよ。当店が絶対の自信を持つKatmerをぜひ!

なるほど、そこまで言われちゃ乗るしかありません。

早速運ばれてきたのはパイのようなものと、トルコの伸びるアイス “ドンドルマ”。

それを目の前で乗せて挟んで仕上げてくれます。最後はピスタチオパウダーを振りかけて、ひと口切って、

はいアーン。

のサービスまで。若い男のウエイターにおっさん観光客がアーンというのは、いったい誰得なのでしょう。そういうのは妙齢のお姉様にやりなさいよと思いながらも、

これは確かにおいしい!

トルコ必殺の蜜ぶっかけとは違う複層的な甘さです。生地とアイスで食感と温度のギャップがあるのも楽しい。ただやはりトルコ、ちょっとこの量、

1人で食べるには多すぎない?

日本人なら4人で分けてもいい量を、なんとか食べ切ったと思ったら、

はいサービスですよ〜と果物が。そうですか、ここが噂に聞く、

スイーツと果物は別でしょ。

の世界線でしたか。やはりあの妖精の煙突以来、これまでと少し違う世界線に紛れてしまったようです。お会計はサービス料10%が既に乗っていて660TL(4818円)。はいアーンいらないから、もう少しまかりませんか?

次回はギョレメからコンヤへ移動。アダナケバブの後遺症を引きずりながらも、コンヤ名物の羊料理フルン・ケバブを食べに行きます。


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