新年のおめでたい気分も一瞬で、能登地震や航空機炎上事故。年明けから不運な事象が続いていますが、皆さまや周りの方々は大丈夫でしょうか。皆さまの一年が大過なく、美味しいものや良い旅に彩られたものになりますように。
さて、ブログはまだ昨年の9月(冷汗)
テネシー州南西の端っこメンフィスです。9月5日に着いて4泊、ブルースとソウルフードを満喫した4日間を3回に分けて書きたいと思います。とりあえず今回はメンフィスの目抜通りビールストリートと、ブルース生演奏を楽しんだ話です。
※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)
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エルヴィス・プレスリーも収録したサンスタジオ/Sun Studio。
メンフィス4泊の宿は、メンフィス繁華街から2kmちょっと東に離れたMotel6Memphis Downtown。ダウンタウンとは言うけれど立地的には完全ロードサイドで、繁華街が小さくまとまっているメンフィス的に町中感はゼロなのですね。せっかくのメンフィスなら酒でと飲みながらブルース生演奏聴いて気分よく過ごしたい所ですが、
如何せん町中のホテルが高すぎる!
という訳で、不便は承知で4泊40,621円のこちらの宿を予約した次第です。
到着した翌日の午後、「たった2km位だし明るいうちは大丈夫でしょ」と繁華街目指して歩き始めたのですが、行けども行けども歩行者は皆無。大通りを車がビュンビュン飛ばしていきます。極端な車社会のアメリカ(NYとかサンフランシスコは稀な例外なのです)では昼間でも歩いて移動してる人なんか変人かヤバイ人ばっかなので(偏見)、
独り歩き自体がもう不安。
さすがにこんな大通りなら大丈夫だと思うのですが、メンフィスって確か治安も良くないはずですもんね•••。念の為300$とクレカ一枚残して貴重品は宿に隠してきました。
1kmほど東へ歩くと、ギターのオブジェが目立つサンスタジオの建物が見えてきました。ここはロックンロール創生期を支えた有名なスタジオ&レコードレーベルで、かのエルヴィス・プレスリーも在籍した所。メンフィスといえばプレスリーの邸宅グレイスランドも有名な観光地ですが、調べたら安くて50$(7154円)位からとチケット激高なので諦めました。
そこまでプレスリーに思い入れないですし。
たまたま前を通ったサンスタジオは15$(2144円)だというので覗いてみることに。
詳しくないから分からないけど、中に入るとどことなくロカビリーな雰囲気のバー&ギフトショップ。ロカビリーというのはブルースとカントリー音楽を取り入れた初期のロックンロールの一形態。つまりプレスリーがブルースの町メンフィスから出てきたのは、偶然ではないのですね。
カウンターでチケットを買うと「ツアーは5分後には始まるからね」と。なるほど勝手に見るんじゃなくてツアー形式なのですね。時間になると2階に上がるように言われ、ショーケースに展示が並んだ部屋で解説が始まります。
おー何言ってるかぜんぜん分からん(悲)
とりあえずプレスリー推しなのは伝わってきます。
こちらは若き日のプレスリー。卒業証書とかも飾ってありました。
プレスリーが活動を始めた1950年代といえば、公民権運動初期の頃。人種差別が当たり前にあった時代で、「黒人の音楽を白人が演るなんて」「白人を黒人に貶める気か」「ロックを聴くと不良になるぞ」など、深刻な人種差別を背景に、風当たりは相当強かったそう。
そんな中でもプレスリーは、ブルースをはじめとした黒人ミュージシャンへのリスペクトをはっきり名言していたのですね。彼が活躍した時期は人種差別に対抗する公民権運動とも重なっていて、
当時の社会変化の渦中にいたことは間違いありません。
当時の音楽が起こした力強いうねりが、ここメンフィスにいると感じられるようです。
ここにプレスリーが座っていたんだよとか、セッションの立ち位置はここだったとか、階下のスタジオでは生感のある話もちらほら。
ツアーは45分ほどで終了し、さて再び繁華街に向けて歩きましょうか。
メンフィスの目抜通りビールストリートと、ブルース生演奏レストラン。
メンフィス繁華街の目抜通りはビールストリート/Beale St. というのですが、繁華街を抜けて東へと、サンスタジオのすぐ近くまで延びているのですね。
サンスタジオを出て目の前の路地を南に1本入ると、もうビールストリート。ここから西へ1kmちょい歩けば中心街なのですが、その通りは歩行者どころか車すら滅多に通らりません。
まだ営業していない寂れたバーの前にはガラス瓶の破片が散乱し、千切れた黒髪が落ちていたりして、なにやら不穏な空気を醸し出しています。まだ直接危険を感じる程ではないけれど、何があってもおかしくはない環境。不安が募り「メンフィス 治安」とググってみると、いきなりトップに表示された記事には、
デトロイトに続く治安の悪さで有名な地域。
なんて書いてあってビビり具合に拍車がかかります、どうやらギャングの活動がお盛んな土地柄なんだそうですよ。神経を尖らせて周囲を警戒しながら歩くこと暫し、結局誰にも会わずに町中に辿り着きました。
こちらがメンフィスの中心繁華街であるビールストリート。約400mほどの通りは雰囲気のある建物が並んでいます。
あっ、コヨーテ・アグリー・サルーンがありますよ。映画『コヨーテ・アグリー』のモデルになったニューヨークのバーで、激しい格好をしたバーテンダーのお姉様が、カウンターに乗って楽しいひと時を演出してくれるんですって。今はチェーン展開していて、メンフィスにもあるんですね。
通りはレストランやライブバー、土産物屋が多く観光客向けの雰囲気です。エルヴィス・プレスリー関連のグッズはもちろん、
ブルース関係もいろいろ。土産物屋の一角に、
レコード売り場があるのも音楽の町メンフィスらしい。
さて、今回訪れたのはこちらのB.B. King’s Bluse Club。毎日ブルース中心の生演奏をやっている、音楽も料理の質も高評価のライブレストランです。
16時にオンライン予約していたけれど、平日の早い時間だから中はガラガラ。席に案内されてメニューを受け取ります。
ビールは地元産のクラフトビールがお勧めだそうで、4タイプの中からアンバーラガーを選択。
料理はまずはGumbo Yayaのカップ7.99$(1142円)。本場ニューオーリンズで食べたガンボとどう違うか気になって頼んでみたのですが、
うむむ•••ちょっと塩っぱずぎる。
粘度が高くてドロドロで、印象がかなり違います。やっぱニューオーリンズで食べたものの方が美味しいですね。
メインに頼んだのはBORN ON THE BAYOU SHRIMP AND GRITS 21.99$(3142円)。バイユー/Bayou はニューオーリンズに近いルイジアナ州の湿地帯のことなので、これもニューオーリンズに関連する料理。なのでガンボ同様がっかり系かと覚悟したのですが、
なんとこれ、めっちゃ美味しいです!!
海老とタッソハム(これもニューオーリンズ料理でよく使います)、オクラやミニトマト等の野菜類がケイジャンブロスというピリ辛スープ(ソースに近い)に浸っています。
その下に隠れているのはたっぷりのグリッツ。アメリカ南部定番のトウモロコシ粉のお粥のようなもので、イタリアのポレンタにもよく似ています。
この料理のグリッツは、白いチェダーチーズと合わせているそう。このトロリと優しいトウモロコシの風味にチーズのコクが加わったグリッツと、
ケイジャンブロスが絶妙っ!!
食感も味わいも、過去味わったことのない新鮮な体験でした。
料理を楽しんでいたら16時半頃からライブが始まりました。すいてる割にはステージが遠めですが、響いてくる音楽はとてもグルーヴィー。
うねるベースに哀感の滲むギターリフ。
これまで抱いていたブルースのイメージよりずっと耳馴染みの良い音楽で、ビールもおかわりして心地よい時間を楽しんだのでした。お会計は全部で50.46$(7211円)。チップ入れると60$ですからね。アメリカ的にもそこそこ高額ですが、料理の量は日本人的には2人前はあったと、ここに記しておきましょう。
ビールストリートの屋外ブルース生演奏。
ライブが終わって店を出て、時刻はだいたい17時半。まだ明るいしビール2杯分の軽めの酔いに、質の良い音楽でせっかく楽しくなってきた所。このまま宿に帰るのも寂しいとビールストリートを彷徨っていると、
この奥から音楽が聴こえてくるじゃないですか。
中を覗くとステージでバンドがライブを演っていて、どうやらドリンク1杯頼めば入れる様子。入口のバーカウンターでカクテルを買って、空いてるベンチに腰かけます。
さっきの店内ライブは整った熟練の演奏という感じだったけど、こちらのはもっとラフでノリが良くて自由な感じ。ブルースにジャズにカントリーウエスタン、近縁の色々なジャンルの音楽が、表情として現れては消え移ろっていきます。徐々に深まる酔いに心地よく音楽が混ざり合っていき、
あ〜とても良いなあ、メンフィス。
おっとこれは危ない、完全に酔っ払う前に帰りの手段を探さねばなりません。
Googleマップの経路検索では路線バスが出ているはずだけど、示された場所にバス停らしきものは見つかりません。違う路線番号のバスが目の前を素通りしていくのみです。治安を考えればUberを呼ぶべきだったのですが、
既にこちとら半酔っ払い。
再びひと気の無い道を、ぶらぶら歩いて宿に戻ったのでした。
次回はいよいよソウルフード!ローカル感溢れるメンフィスの人気店2軒をご紹介します。
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