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ボルチモア名物蟹団子、 クラブケーキの名店2軒食べ比べ!

投稿日:2024-07-08 更新日:

2023年9月24日の日曜日。2日連続の暴風雨ドライブを乗り超えて、ボルチモアで迎えた朝は天気もだいぶ落ち着いていました。悪天候でろくなものを食べていなかったのですから、

よーし、今日は美味いもん喰っちゃうぞ!

と気合いも充分です。ボルチモアはワシントンD.C.から60kmほど北東に位置するメリーランド州の町で、パタプスコ川からチェサピーク湾を通じて大西洋に繋がる重要な港湾都市。もちろんシーフードもたっぷり楽しめるのですが、中でもボルチモアといえば有名なのが蟹!とにかく蟹の一点突破で、

ボルチモアに来たら蟹を食え、食わなきゃ帰さん!

とまなじりを決して町全体が圧をかけている雰囲気。こちらとしても応戦意欲は満々で、町一番と言われる店を何軒か(なぜか何軒も出てくるんですよね)下調べしておいたのです。

※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)


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Nick’s Fish House の悶絶絶品クラブケーキ!

前回書き忘れていたので、蟹の前にボルチモアでの宿まわりを少々。今回泊まったのはですね、町の中心部から少し北に外れたこちらのモーテル。

モーテル6ボルチモア・ダウンタウンです。モーテル6は全米で見かけるチェーンのモーテルなのですが、その仕様やグレードには全く統一感がありません。ここはアメリカのモーテル基準でいっても少し汚めで少し臭い。でもまあ1泊80$(11432円)とそこそこ値頃なので許容範囲です。

少し前の情報ですが、ボルチモアは治安の悪さで全米3位だったとかで、実際歩いた感じもあまり気が抜けない雰囲気。宿のすぐそばにはGraffiti Warehouse というグラフィティの有名(?)スポットなんかがあったりします。

この細い路地に入ると、

お〜すごい迫力!

長居して出口塞がれると逃げられませんからね、早々に退散しましょう。

さてさて本題に戻りまして、蟹を食べにまず訪れたのがこちらのNick’s Fish House。ネット上の口コミ数や評価の高さもボルチモア有数で、町一番とも評されるお店です。11:30前に着いたのに、既にお客はそこそこ入っている模様。

建物自体が複数あって、その手前のテントのような受付に「予約してないけど1人いいかな?」と声をかけると「左側の建物のハイトップテーブルに座って」と、建物と席タイプを指定されました。

左側の建物は、こちらの少し暗めのフロア。中にいたスタッフさんに「ハイトップテーブルって言われたんだけど」というと、案内してくれました。ここからは担当のサービスパーソンが付く、所謂アメリカ流フルサービス形式ですね。

メニューはこの通り、海老烏賊鮪に蟹カニかに。牡蠣に帆立にムール貝とクラム、貝類も豊富でテンションが上がります。蟹が目当てで来たけれど、ここは奮発してシーフード三昧といきましょうか。

ビールかワインが欲しいけど、車なのでコーヒーで我慢。

まずはMaryland Crab Soup 10$(1429円)。トマトベースのスープに6種ほどの野菜と蟹のほぐし身が入ってるようです。蟹肉の旨味がしっかりのったミネストローネという感じで、初っ端からとても美味しい。これは期待できそうですね。

続いてはClams on the Half Shell 1/2dozen 12$(1715円)。クラム/Clam を辞書でひくと、ハマグリかアサリ、もしくはそれに類する2枚貝とあります。実際に出てきたのは上の写真ので、標準的なハマグリより少し大きめ。確証はないのですが、たぶんこれホンビノス貝だろうなぁ。

本場のボストンクラムチャウダーで使われるというアレですね!

同じアメリカの東海岸だし、貝殻の形も似てるような気がします。そのまま食べてみると少し味がボケて感じるけれど、レモンを絞るととてと美味しい。臭みなく爽やかな海の風味がすうっと抜けていきます。ホースラディッシュとカクテルソースがまたよく合うんです。「魚介を食うなら日本が最強!」も一面の真実ではあるけれど、やはり地の物には地の調味料と薬味が合うのだと、改めて思う次第です。

スープ・前菜を楽しんで、いよいよ主役のご登壇。Nick’s Signature Crab Cake 25$(3573円)です。蟹の町ボルチモアで食べられる蟹料理のなかでも、一番人気なのがこのクラブケーキ。要は蟹肉をボール状にして焼いたり揚げたりする蟹団子です。皿が大きくて写真だと小さく見えますが、

握り拳くらいあってけっこう大きい!

バンズの上に乗っていて、奥のピクルスと野菜の下にもう半分のバンズが隠れています。つまりハンバーガーのような形にして食えということなのかな?そういえばメニューでもサンドイッチのカテゴリに載ってましたもんね。

外見は色気もそっけもない茶色メシ。あまり旨そうに見えないというのが正直な感想ですが、ナイフを入れて割ってみると•••

うほっ!蟹ぎっしりじゃないですか!!!

これたぶん、蟹肉とソース以外なにも入っていないですよ。純然たる蟹のかたまり。口に入れるとソースに負けない蟹肉の甘さが濃厚で、これはめちゃくちゃ美味い!日本のズワイガニなどとは全く違う方向性で、でも「蟹喰ってるぞ!」という、とてつもない満足感です。

半分くらい食べ進めてから「そうだ、バーガーにするんだった」と思い出しました。半分でもまだ充分ボリュームありますからね。バンズと野菜に挟んでガブリといってみるとですね、

成程これはただ豪勢なだけじゃなかった!

ひと口食べるごとに、口中が蟹味で溢れて悶えるほどの贅沢さ。なのにそれだけじゃなく、でっかい胡瓜のピクルスがとても良い仕事をして、料理としてのバランスがとても良いのです。付け合わせのポテチもたぶん店で揚げているようで、この店なら何を食べても美味いだろうという安心感を覚えるほど。円安(と言ってもこの頃はまだ1ドル142.9円でした)とインフレで恐ろしいアメリカ物価ですが、これが3500円なら日本でも全然アリ。チップ20%入れてぜんぶで63.6$(9088円)と久々の贅沢メシになったけど、とても満足して店を出たのでした。

町中の超有名店FAIDLEY’S の濃厚クラブケーキ。

初日のクラブケーキが想像以上に美味しかったので、翌日もう一軒行ってみることに。こちらのFAIDLEY’S のクラブケーキも、ボルチモアNo.1 と評判のようなのです。

昨日のNick’s は町外れの海沿いで、車じゃないと行きづらい場所でしたが、こちらは町の中心部の便利な立地。レキシントン・マーケットという食テーマの商業施設の並びにあります。レキシントン・マーケットについては次回触れるとして、今回はFAIDLEY’S です。

10時の開店に合わせて入ったので、店内はまだ空いていました。スタンディングの客席を、各種シーフード料理のカウンターが取り囲んでいます。

蒸し蟹とかは準備中の様子。

一方目当てのクラブケーキは準備万端、ほかのお客もみんなクラブケーキ目当てのようですね。ボードにでっかく “BOLTIMORES BEST / CRAB CAKE” と書いてありますが、これはええと、

どっちの意味なんだ?

「うちのがボルチモアで一番のクラブケーキですよ」なのか、はたまた「ボルチモアで一番の料理、クラブケーキをどうぞ」なのか。英語に詳しいかたがいたら、是非コメントかSNSで教えてくださいませ。

さて客席に置いてあるメニューを見ると、この店のクラブケーキには2種類あって、LUMP とBackfin から選べるようです。調べてみるとLUMPは甲羅部分の大粒な身肉で、Backfin は脚や爪の細かい身肉。LUMP の方が高級品です。因みに蟹の種類はというと、ボルチモアを含むメリーランドではブルークラブというガザミに似た蟹が名産でして、たぶんこの店もそれを使っているはず。

値段は時価で、壁際にぶら下がってるボードに今日の値段が書かれています。なるほど、2種類でだいぶ値段が違うのですね。クラブケーキは2回目だし少し節約しようかと思った矢先、

ボルチモアなんてもう二度と来ることはないんだぞ。

悪魔の囁きが脳内をかすめ、LUMPのプラッター31.95$(4566円)を注文することに。

クラブケーキのカウンターに並んでプラッターとコーラゼロを頼み、お会計は税も入ってトータル36.52$(5219円)。プラッターにつくサイドメニューは選ぶことができて、フレンチフライとキューカンバーサラダをお願いしました。料理を受け取って、あとは好きな席で食べるセルフービス方式です。

クラブケーキは昨日のより一回り小さくて、でも割ると中は蟹肉がぎっちり。昨日のが蟹の甘味をストーレトに味わえるものだったのに対し、こちらはたぶん蟹味噌を和えてコク増ししている感じ。

うーんこれもとても美味しい!

甲乙付けがたくあとは好みの問題かもですが、個人的には昨日のNick’s Fish House に軍配を上げます。Nick’s の方が大きいのに値段は安く、何より蟹肉自体の質がNick’s の方が上でしたから。

ただ、蟹の質は「たまたまその日は」というやつだったかもしれません。いずれにせよクラブケーキは想像以上に美味しくて、

アメリカの蟹料理?どうせ雑なやつだろ。

と実は少しだけ軽くみていたことを、ここで謹んでお詫びさせていただきます。ごめんよアメリカ。でも君のせいでもあるんだぞ。

次回はボルチモアでついに見つけたモツを使ったソウルフード “チタリングス” と、アトランティックシティの絶品サンドイッチです!


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