イスタンブールで10泊し、そこそこ満足したので次の町ブルサ/Bursa へ移動します。折りしも3月23日のこの日はイスラム教の断食月ラマザンが始まる日。因みに断食月=ラマダンですがトルコではラマザンと呼ぶようです。キッパリ政教分離していてラマザンするかも個々人で判断する(今年はやめとく〜とかアリらしい)というトルコですから、
勿論わたしは参加しません。
迷惑かけないよう周りを見ながら、食べる時はバンバン食べる所存です。とはいえ初ラマザンで分からないことだらけ。不安を抱えながらの出発となりました。
※文中のレート換算は実際にアコムカードで調達したレート7.29を四捨五入して、1TL(トルコリラ)=7.3円で記載します。尚トルコはいま月単位で値段が変わるレベルのインフレ中。あくまでご参考まで。
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イスタンブールからブルサまで、船とバスで行く方法
ブルサはトルコ第4の都市。シルクロードの西の果ての町であり、オスマン帝国の首都だったこともある古都なのです。歴史ロマンたっぷりの町ですが、わたしの目的は飽くまで食べ物。ブルサは数あるケバブ料理の中でもヘビー級の、
イスケンデル・ケバブ発祥の地なのですから。
そんな重要な町なのにイスタンブールから行く方法が意外とネットに情報が無くて、危うく遠回りなバスルートで行きそうになりました。ホテルの兄さんに教わったフェリーとバスで行く方法を、せっかくなので詳しめに残しておきたいと思います。
まずはイスタンブールのヨーロッパ側旧市街、エミニョニュ/Eminönü の船着場からスタートです。人が多いガラタ橋袂の西側ではなく東側。
ここ(↑)にあるBUDOのフェリーに乗って、まずはムダンヤ/Mudanya まで行きます。前日にネットで予約しようとしたのですが、
何度やってもクレカ決済で弾かれる。
3枚試してダメでした。繁忙期じゃないとはいえチケット買えるかちょっと不安です。
※出港時刻チェック、購入はこのサイトです。
ラマザン開始日だからかこの場所はいつもそうなのか、人が少なくて不安が増してきますね。因みにラマザンでは日中は食べるのも水飲むのも煙草もダメ。トルコは喫煙率が高くて、老若男女問わず路上喫煙・歩き煙草上等なのですが、今日は1人も見かけません。聞いてたよりトルコのラマザンは本気モードなのかと思った所で、
吸ってる人みっけ。
ふつうに堂々と吸っておられます(笑)
念の為かなり早くきたけど、余裕でチケット買えました。これで第一関門突破。
あと不安なのはムダンヤからブルサへのバスですね。
因みにチケットにBursa (Mudanya)行きと書かれてますが、ブルサ迄連れてってくれる訳じゃありません。バス代込みかとちょっと期待しちゃいましたよ。
値段は110TL(803円)、チケット売り場のすぐ左脇から入り、待合室で乗船を待ちます。
出港15分くらい前に乗船開始。チケットに書かれた席番号に従って着席します。心配したのがアホらしくなるくらいガラガラですね。
10:30の定刻に出港し、本を読んでるうち12時過ぎにムダンヤへ到着しました。
お〜予定時刻より早く着きましたよ。
下船して心配なのはブルサ迄のバスが見つかるかどうかです。何せ情報源は宿の兄さんの、
すぐ見つかるよ大丈夫!
という言葉だけ。海外で大丈夫と言われて大丈夫じゃなかったことなど数限りないですからね。と思いきや、
探すまでもなく黄色いバスが並んでるじゃないですか!
さあ、ここかはスピード勝負です。グズグズして置いてからたら目もあてられません。バスに行き先表示は?
読めません。
英語喋れそうなバスの運転手さんは?
いません。
こうなったら単語とジェスチャーで会話して、スマホを活用するしかない。「ブルサ?」と書きながらGoogleマップで予約しているホテルを見せる作戦。すると「よし、乗れ!」と言う運転手さんがいたので乗るバスは確定です。次に「チケット?」と聞くと「ブフェ!ブフェ!」と言いながら指を差します。「オーケー買ってくる」と言って示された方に向かうと、キオスクみたいな売店がありますね。
おー!確かにBUFEって書いてある!
80TL(584円)だと言うので払うと、ブルサカート/BURSAKARTをくれました。イスタンブールカード同様、ブルサで使えるチャージ式の交通カードです。バスに戻り「買ってきたよー」と見せると運転手さんからグーサイン。接触端末にピピっとして席に着くと、間もなくバスは出発しました。
危ない危ない、ささっと動いて正解です。
ムダンヤからブルサの町中へは30分少々。町に入ると何ヶ所か止まっていくので、Googleマップを見ながらホテルが近づいた所で下車。
よかったよかった、無事ブルサに来れましたよ!降りたのはこの辺(↓)。町の中心部で、路線バスが集中して発着している場所です。
さて今回ブルサには3泊。予約したホテルはこちらです。
ドミトリーでも安宿の個室でもなく、ホテルですよホテル。受付の人が煙草吸ったりテレビ見てたりしないんですよ。
ホステルじゃなくホテルですから。
時刻は午後1時、チェックイン時間には間がありますが、
お部屋は準備できています。
流暢な英語に整ったスマイル。サッと別のおじさんが現れて「荷物お持ちします」と。これはアレですか?チップ払うやつですか!?
部屋は広くはないけれど、
ベッドは横の方が長いやつ!
当然部屋にトイレとシャワーも付いています。
オンライン決済で1泊3,336円(朝食つき)なので高級宿ではないし、細かいツッコミどころはあるものの、中々居心地よいホテルでした。
ブルサの町と巨匠シナンのお風呂
さてこれからどうするか。宿でひと休みしながら1人作戦会議を開きます。腹の具合は昼メシを抜いても大丈夫そう。断食する気はないけどラマザン初日だし、食事は日没後の町の様子を見てから考えましょうか。よし、それなら散歩がてら、
風呂でも入りに行きますか!
地下鉄の駅まで行くついでに、町の様子を観察します。なんかイスタンブールよりも人の歩みがゆっくりで、落ち着いた印象の町ですね。それでこれは、
ブルサの特徴ですか?もしくはラマザンだからなのですか?
軽率に「ブルサでは、時間がゆっくり進むのだ」とか書いちゃうと、ラマザン明けには皆んな走ってるかもしれませんからね。
シルクロード西端の町ブルサでは当時の隊商宿の跡が町なかに残っていて、詳しくは次回書きますが、中心部にもそれを感じさせる雰囲気があります。
ここはちょっと高級アーケードだなぁと思ったら、
金製品の店が並んでいました。トルコは過去何年もインフレで、リラが暴落したりしているので、金を買う人も多いのでしょうね。
80TLで買ったブルサカートはバスで使い切っていたので、チャージしてから地下鉄に。イスタンブールでは使えたGoogleマップの経路検索はブルサでは機能しません。maps.meの方は不完全ながら動きますね。
Kültürparkという駅で降りて歩きます。なんか殆ど人いないんですけど、大丈夫ですか。
オスマン建築の巨匠ミマール・シナンの建てたハマム(お風呂)に入れると聞いてノコノコやって来ましたけど、どう見ても人気スポットがある雰囲気ではありませんよ。
不安に駆られながらもmaps.meに従って歩いていくと、
ああこれだ。ネットに載ってた建物だ。
活気のカケラもない雰囲気を訝しみながら、それでももしかして、
今日は貸切り状態じゃない?
と期待しながら入ってみると…誰も居ませんね。というか、なんか服干してますね。
もう一つ奥の部屋を除きながら、誰にも聞こえないくらい小声で
誰か居ませんか〜?
まるでアリバイ作りのように声をかけたのは、どこかで自覚していたのでしょう。
これが不法侵入ギリギリだと。
この先は流石にやめておきましょうね。そうですね、改修工事中なら仕方ないですね(涙)シナンのお風呂の一部を見れただけ良しとしましょうね(涙々)
恐るべしラマザンの罠!
約1ヶ月続くラマザンに参加する人は、日の出から日没までの間飲食ができません。なので多くの人は夜明け前にご飯を食べて、日没後にはイフタールという断食明けの食事を摂るのを楽しみにしているそう。我慢してる分ついイフタールを食べ過ぎたり、中には寝る前にもう1食なんて人もいて、
ラマザンは逆に太るよね。
というのもよく聞く話。なので必ずしも断食月=ツライ、キツイだけでもなさそうです。
イフタールを出す飲食店はもちろん沢山あるのですが、こういう時は家族揃ってお母さんの手料理を食べるなんてのも多そうで、昼から町は買い出しの人たちで賑わいます。
そんな状況なので、その土地ならではの美味しいものを美味しい店で食べ渡りたいわたしとしては、予め3つのリスクを想定していました。
一つ. 店がやってないリスク
一つ. 混んでて入れないリスク
一つ. イフタールメニューしか無いリスク
移動中に見た感じだと、昼間にやってる飲食店もあるけれど客は明らかに少ないし、もちろん閉めている店も多いです。でも少ないながらも食べてる人は特に周りを憚っている様子もないので、昼間に食べること自体は大丈夫そう。
問題は昼間閉めてる多くの店が、日没後ちゃんと開くのかですね。だんだん心配になって来たのでブルサでもイスケンデル・ケバブが最も人気の内の1軒に偵察に行ってみます。
うん、やってない。人がいたので聞いてみると「フィニッシュ!フィニッシュ!」と。今日営業しててもう閉めたのか、ラマザン入ったから営業終えたという意味かよく分かりません。「あっちに支店あるから」と指差すので行ってみると、
確かにすぐの通りを渡ったショッピングモールに同名の店がありますね。
なるほど開いてる。でもこれだけ店の雰囲気が違うと、
ぜったい本店のが美味しいパターンじゃないですか。
段々と不安が募ってきますが、こうなったら日没を待ち状況を見て動くしかありません。一旦ホテルで休憩して再挑戦です。
19時をまわり日没時刻までもう間も無く。相変わらず閉めている店も多そうで、一方空いてる店はイフタール準備万端状態。
客のいないテーブルにもお通しが既にスタンバイ。
日没を今か今かと待っているお客も既にスタンバイ。楽しそうで何よりですが、こちらは今日がブルサ初日です。名物のイスケンデル・ケバブを美味しい店で食べたいじゃないですか。今にもイフタールが始まりそうな雰囲気に焦りながら、事前にチェックしていた店を回ります。
開いてませんね。貼り紙を翻訳したら「4月にまた会いましょう!」ですって。
ラマザン休暇ってのがあるんですね(恨)
ここも開いてませんね。中を覗いたら床が剥がれてました。シナンのお風呂と同じっていうか、考えてみたら
ラマザンて絶好の改装シーズンじゃないですか!
開いてませんね。でも貼り紙によると翌々日にはやりそうです。イスケンデル・ケバブが駄目ならもう1つのブルサ名物料理、ピデリ・キョフテでもいい!
そう思って来たこの店も開いてませんね。因みにピデリ・キョフテというのは、イスケンデル・ケバブと同じ味でケバブがキョフテに変わったもの。
でも開いてないなら関係ないですね(号泣)
この他にもチェックしていた店はあるのですが、歩いて行ける範囲の店はまさかの全滅。開いてる店はなぜか口コミ評価が激低の店ばかり。このままだと晩飯はファストフードになるぞと覚悟しかけた所で見つけたのがこちら。
お客もそこそこ入ってるし、口コミ評価も中々。イスケンデル・ケバブも食べられそうだし「助かった〜」と店に入ったのでした。
イスケンデル・ケバブ初体験
ここベイラー・ケバブ/Beylee Kebapでも今日はイフタールメニューをやっている様子。6品くらいのコースになったやつが240TL(1752円)と290TL(2117円)の2種類。「どっちにするんだ?」「普通のメニューはないのか?」ウェイターさんと噛み合わないやり取りをする内にマネージャーらしき人が登場しました。ついでに野次馬のオッチャンも寄ってきましたよ。
お前はイスケンデル・ケバブが食べたいんだな?
そう、イスケンデル・ケバブだけでいいんだよ。あとチョルバ(スープ)くれ。やれやれという顔をしたマネージャーさんは「おい、出してやれ」と指示を出します(誰も英語喋れないけどそんな雰囲気でした)。
まずは無料のパン。お、これはラマザンピデじゃないですか。胡麻が香ばしくて、パリッと焼けた所と少しモチッとした所があっておいしいのです。
スープは定番、レンズ豆のもの。色が濃いですが優しいお味で、昼を抜いた胃袋にじんわり沁みます。
そしてついに!ようやく!
イスケンデル・ケバブとご対面です。
何種類か部位の混ざった羊肉のドネルケバブ。その上にトマトソース、更に溶かしバターをダァっとかけてあります。この濃厚さを添えてあるヨーグルトでバランス取りながら食べるのがイスケンデル・ケバブ。
うーん重量級のおいしさ。
肉はとても柔らかく、肉自体の味もしっかりしています。そして肉汁とソースと溶かしバター、3つが混ざった、
超ハイカロリー旨味汁。
これをたっぷり吸ったのが下に敷いてあるピデ(パン)なのです。うん、こりゃあ旨い。とても分かり易く旨い。さすがブルサの看板料理、初日にありつく事ができて本当よかったです。お会計は205TL(1497円)。イフタールコース限定の所わがまま聞いてもらったので、多めにチップを置いてきました。
最後は回らず、最後まで空回る一日
無事晩ごはんを終えて、安心のコーヒー。まだホテルに帰らないのは、毎晩9時にやるセマー儀式というのを観に行きたいからです。
歩いて10分少々で着くようなので時間調整して出発します。中心部から南側に向け坂を登っていくのですが、
夜の人気のない道ここだいじょぶ⁉︎
若干不安になりますが、トルコは比較的治安が良いし危険な香りもしませんね。
おお、ありました!セマー儀式というのはイスラム教神秘主義のメヴレヴィー教団が行う宗教儀式。音楽に合わせ一心に身体を回転させる「旋回の舞」とも呼ばれるものです。神秘主義宗教の儀式なんて怪しい感じもするけれど、ここは観光客もOKで見学自由かつ無料という、
とってもウェルカムな場だそう。
とはいえ宗教儀式ですからね、邪魔しないようにそぉっと入りましょう。
21時の5分前に中へ入ると同時に、外からも聞こえていた音楽が鳴り止みました。踊り手と思われる皆さんが整列すると、祈りの文句(だと思います)が捧げられ、段々とボルテージが上がりコール&レスポンスに。
おお、盛り上がって参りましたよ!
とワクワクしたところで皆さん奥へ引っ込んでしまいました。あら、もう少し準備が必要なんですかね。
施設の人っぽいお兄さんが無料のチャイを振るまって回ります。「そこに座ってゆっくりしなさい」「ありがとうございます恐縮です」とお茶を飲み待っていると、
あ!さっきの踊り手の人が帰っていく!
チャイのお兄さんに聞いてみると英語を喋れる人を連れてきてくれてわかりました。
今日は20時半からで今終わったとこだよ。
明日は21時からやるけど、20時半には来てた方がいいかも、とのこと。旋回の舞セマー儀式は回らなかったけれど、わたしの方は最後までしっかりと空回って終わった一日でした(泣)
さて次回はブルサ2日目。やってる店が少ないのは相変わらずですが、興奮必至の青空市場街を発見!もう一つのブルサ名物ピデリ・キョフテとブルサ観光も。引き続きよろしくお願いします。
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