アジア 台湾 旅のブログ

台湾9日目:市場の奥に見つけたディープな世界 2019.5.2

投稿日:2019-05-07 更新日:

台湾に来ることを決めてから一番楽しみにしていたのが、実は台南の「花園夜市」でした。台南で最も人が集まる、地元民に人気の熱気あふれる夜市、なかには台湾ナンバーワンの夜市と言う人も。週に3回木・土・日曜しか開かないので、前回の旅でも行けなかったところです。

今回の日程で花園夜市の営業日は今日1日のみのワンチャンス。台南中心街からは2kmちょっと離れているので、今日は夜に備えてあまり遠出せずに過ごします。

生活密着感いっぱいの街中市場「鴨母寮市場」

宿からもすぐ近く、台南中心街にありながら、地元の人が買い物に行く賑やかな市場と聞いて、朝イチから行ってみました。美味しそうなのがあったら、朝ごはんもここで食べましょう。

新鮮なフルーツ。台南に近い玉井のマンゴーもぼちぼち出てきているようです。

場内は生鮮三品の店がたくさん。肉も魚もばんばん捌かれていきます。ごはん屋さんも何軒かあるけど、ピンとくる店がないので、場外市場を見てみます。

この煮卵と奥の滷肉飯にかけるやつ、うまそうですね。ここでもいいな。

このスープもうまそう。どうやら「湯気もうもう」に弱いみたいです。美味しそうではあるけど、

もっとビビビってくるやつ、ないかな。

と贅沢なこと考えながら、再び場内に戻ると、

ん?なんだこれ。

場内市場の隅、もう生鮮品が途切れたはじっこの、服屋と小物屋の間に何か見えます。

あやしい。あやしすぎる。

看板なんか一切なく、店なのかも分かりませんが、喰い物を出しているのは分かる。一瞬躊躇しましたが、もう大分ずうずうしくなってますからね。とりあえず見にいってみました。

台湾33食目:鴨母寮市場炭火面の「汚れた麺」

中に入るとこんな空間。実際はもっと薄暗く、奥は駐車場になっています。中に入っても、ますます怪しいですが、この市場のどこよりもお客さんで賑わっているのも事実。

どこにもメニューは見当たらないけど、入り口でおかあさんが麺を茹でているので、行ってみます。

もう、とにかく茹でた麺を椀に入れて、スープを注ぐ。その繰り返しですね。この麺単品勝負の店というのは見て分かるので、椀を指差し、

「一个(いっこください)」

こういうローカル感のある店では、なるべく中国語で伝えようとする姿勢だけは示したいところです。

もちろん、ジェスチャーとスマイルで、情報伝達と好感度は担保してあります。

我ながら、完璧ですね。

作戦通りスムーズにオーダーが通り(それしかメニューがないですからね)、空いている席を指さされたので、座って待ちます。

待っている間に従業員らしい女の子が、「これいる?」と飲み物をジェスチャーで示すので、こちらもジェスチャーで「いるいる」と。おすすめされたものは、全部受け入れる主義です。地元のおっちゃんは自分で取りに行ってたけど、わたしの所へは女の子がニコニコと持ってきてくれます。

「謝謝!」好感度作戦もうまくいっているようです。

程なく、例の麺料理も届けられました。

エビの載っていない担仔麺(台湾名物の麺料理)みたいな見た目ですが、あとでネットで調べたところ、この料理は「骯髒麵(←なんて読むんだ!)」というらしいです。台湾料理でそういうのがある訳じゃなくて、どうやらこの店オリジナル。

字面もすごいですが、意味は「汚れた麺」。マジすか。

店の環境はカオスですが、不衛生な感じはなく、スープも澄んでいて汚い感はありませんよ。滷肉飯にのっているような脂メインの肉そぼろとニラ、もうひとつ何か青菜が散らされています。ひと口スープを啜ると、

意外と上品。でもコクのある醤油ベースのうまいスープです。

麺は小麦の細麺。コシはさほどないけど、六本木「香妃園」の鶏煮込みそば(←絶品です)みたいな、小麦がとろっと表面を覆うやさしい味。これ系、大好きです。

なかなか美味い。いや、かなり美味いよこれ。

ところが、ここまでは第一ステージ。まだ次がありました。

何の気なしにテーブルに置いてある唐辛子オイル(ラー油?)をちょっとかけてみたところ、

ん?これ凄く合う。かなり辛いけど、もっと入れてみよう。

よく見れば、普通の店と比べると3倍以上のでっかい容器に入っている。つまり、どんどん入れようよ!ということだと理解しました。

おおー!辛いけどメチャクチャ美味い。辛くして初めて完成じゃないの、これ?

パンチが効いて、汗がぶわーっと出てきます。夢中で麺を手繰り、スープを啜り、ふと気が付きました。

これ、味仙の台湾ラーメンじゃん。

名古屋人じゃないので過去3回しか食べてませんし、そっくりではないかもしれません。でも、味の構成とか、方向性がすごく似ていると思います。もしかして何か繋がりがあるのでは?と想像してしまうくらいです。

ツイッターで味仙と似てる!とツイートしたら、「唐辛子入れすぎじゃないですか(笑)」と突っ込まれてしまいました。おかしいな「そうそう!」ってリアクションを期待していたんですが。

名古屋人の皆さま、台南で試して感想教えてくださいm(_ _)m

幻の弁当は、幻のままに・・・

台南の美味しいものをネットで調べていたら、ちょっと離れた場所に、わざわざ行く価値のある絶品弁当がある!という情報をキャッチ。「西品便當」というお店です。お昼前後の2~3時間しか営業せず、値段も強気なのにお客さんが絶えない。

これは美味そうなにおいがプンプンしますね。

googlemapで調べて行ってみました。

宿から歩いて20分少々、この辺りにあるはずです。

小さなお店が軒を連ねる、ローカル感たっぷりの商業施設。この中でしょうか。

蛇とかも食べられますね。この施設に何十軒も入っているけど、半分は閉まっています。1軒1軒確かめていきますが、うーん見つからない。2周ほど回って、更に周辺まで広げて探したけど、やっぱり見つかりません。もう一度googlemapで再検索してみると・・・

あ!別の所に「西品蝦仁爌肉飯」って店がある。

この蝦仁爌肉飯こそが、食べたかった弁当の名前です。情報源のサイトを見たら、確かにそこ住所が書かれてました。痛恨の確認不足!本当の西品便當はここからはるかに北で、とても営業時間には間に合わない。あきらめるしかないですね。しかし、googlemapに出ている、こっちの西品便當は何だったのでしょう。

台湾34食目:郭牛肉湯の「牛肉湯」

さあ、切り替えますよ。時間は13:30、腹は減り今から別の場所に移動する余裕はありません。このシブいシブい小北商場で食べましょう。こういう時に、美味しいものに執着してはいけません。

まずは、事前の期待値を引き下げるところから始めましょう。

こういう機会を利用して、普通の店の普通の台湾料理がどんなものかを経験し、その料理のモノサシを自分の中に作る。そうすることで、名店と言われるところに行ったときに、

ああ、この店はなんて美味しいんでしょう!

と感動することができる訳です。さぁ、これでどんな不味いものを食べても受け入れられる、自己防衛態勢が整いましたよ。そして、せっかくモノサシを作るなら牛肉湯を、と選んだのがこちらのお店。

大変失礼なスタンスで店に入りましたが、感じのよいお兄さんと、まじめそうなおかあさん。良い雰囲気です。スタンダードな牛肉湯と白飯、計80NT$(290円)をお願いしました。

いやいや、予想に反してなかなか美味いですよ(←とても失礼)

牛肉はスープをかけて熱を通した、牛肉湯ならではの絶妙な火の通り具体。スープも美味しい。唯一残念だったのは、タレが甘しょっぱくトロみのある、ちょっとみたらし団子っぽいものしかなかったこと。これ、あまり白飯がすすみませんね。

そしてやっぱり、牛肉の質、スープの深み、タレの完成度、全てにおいて昨日の文章牛肉湯のすごさを再認識することにもなりました。この店も充分美味しいんですけどね。

その一方で、いわゆる有名店に限らず、牛肉湯という料理が牛肉をシンプルに美味しく食べる料理だということも改めて実感できて、牛肉湯がますます好きになりました。

それは、もはや無名じゃないですよ。

遅めの昼ごはんの後、宿に戻る途中に有名な豆花屋さんがあったので、ちょっとオヤツに寄ってみます。豆花は台湾に限らず中華圏では広く食べられているものですが、今まで試す機会がなかったので。豆腐をスイーツにするって、どういうことなんでしょう。

オヤツ:無名豆花の「土豆豆花」

「無名豆花」って、でっかく書いてありますね。店に入ったら、無名豆花と書かれたスタッフTシャツまで着ていて、更には2店舗目も出店している有名店。

有名な無名って、どっちなんですか。

そろそろ店名をつけて欲しいと思いながら、オーダーを選びます。昨日のかき氷でピーナツトッピングに目覚めたので、土豆豆花35NT$(127円)に。

ちゅるっと、とろっとして、すごく滑らか。

甘さ控えめなシロップも爽やかで、後からふわっと豆腐の風味が戻ってきます。なるほど、豆腐をスイーツにするってこういうことなんですね。これはいい!ピーナツの食感も良いアクセントで、すごく美味しかったです。

台湾35食目:無名米糕の「米糕と滷味、綜合湯」

昼が軽かったので、花園夜市の前に夜ごはん。豆花に引き続き「無名」系ですが、こっちは正真正銘名前が無いかんじが好感もてます。米糕(ミーガオ)というのは台南名物の料理で、蒸したモチ米の上に、滷味の豚や魚のデンブなんかがのっているもの。これも初挑戦です。

無名米糕のメニュー

入り口で「ひとり、中で食べたい」と伝えたところ、店のおばちゃんが席に座っているお客のひとりに声をかけ何やら言っています。と、声をかけられた彼が英語で話かけてきました。

「何を食べたいですか?食べたいものを、この紙に書いてください」

おお!英語が話せる人に、手伝ってあげてと言ってくれてたんですね。普段なら勘でオーダーするところですが、オススメや量の多さなど、いろいろ教えてくれるから助かります。

メニューを見ながら、こうやって紙に頼みたいものを書いて渡すのですが、滷味
は米糕ができてから頼んだ方がいいよとか、それとそれだと頼み過ぎだとか、精算は食べ終わってからとか、何でも教えてくれる。ナイスです!

滷味が美味そうだったので、米糕は小にして、綜合湯と滷味に決定。全部で85NT$(308円)、安い!!

米糕は豚が上手に煮てあり、もち米にタレが染みて美味しい。デンブで少し優しい味になります。小は「very small!」と言っていたけど、もち米なので結構ズッシリきます。

綜合湯。2種類の魚丸がプリプリ!

滷味は玉子と魚丸、豆干(押し豆腐みたいなの)と豚の顔(頭皮)。

この豚の顔が、くにくに、ぷるぷるで、味が染みてすごい旨い。

他のもハズレ無し。滷味のクオリティ高いです、ここ。

教えてくれた彼と、いろいろ話をしました。多分20代前半のI君、かなりの爽やか食いしん坊です。台中から来ているというので、

「台中行ってきたよ!この店が美味かった。」

と、2日連続で通った第二市場の林記古早味の写真を見せたところ、

「お、いい店行ったね。ここは緑色のスープがうまいんだよ!」

(スープの写真見せて)「これでしょ。ほんと美味かったよ!」

なんて話で盛り上がりました。さっき、豚の顔を嬉しそうに食べていたのを見ていたからか、台南で豚足飯の美味い店も教えてくれました。

目配り、気配りのできる素晴らしい青年です。モテるだろう、I君。

旅も好きで来月はヨーロッパ、8月には日本に行くそう。旅の話も盛り上がり、一緒に写真を撮って別れました。

しまった、逃がさないで明日も店に連れてってもらえばよかった!

雨でも夜市はやっているのか。

旅に出て1か月、ここまで天気には概ね恵まれてきましたが、今日しかないという花園夜市開催日の今日に限って、午後から雨が降ってきました。天候によっては中止もあるということなので、すごく心配。夕方に向けて雨脚が強まってきています。

やってるか分からないけど、行ってみましょう!今日しかないですから。歩いていく間、雨は強まったり弱まったり。30分かけてようやく到着。

やってました!やってたけど・・・

着いた頃には土砂降り。行いが悪いのは誰ですか?

あちこち水たまりができて、傘をさしても下半身はびしゃびしゃ。靴下もたっぷり濡れて、これでは賑わいも盛り上がりもありません。屋根がある狭いスペースに人が群がって、難民のようです。

これはいかんと、ちょこっと買い食いして早々に退散。震えながらまた30分歩いて帰りました。

もう1回言います。行いが悪いのは誰ですか?

戦利品。パパイヤでいいんですよね?これ。50NT$(181円)

うまくいかないこともあれば、想像を超えるおもしろい店に出会ったり。やっぱり旅は楽しいですね。

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