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シシグ発祥の店で、オリジナルシシグと噂のアレに挑戦!

投稿日:2019-08-06 更新日:

さて、話は前回の続き。パンパンガ地方の中心都市アンヘレス(Angels)に到着し、ホテルへチェックインした所からです。アンヘレス第一食目は、フィリピンでもTOP5に入る人気メニュー「シシグ(sisig)」発祥の店のレポートです!


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へとへとでも、最初に目指すはシシグ発祥の店!

アンヘレス行きのバスを探すのに右往左往したり、DAUのバスターミナルから荷物を引きずりながら2キロ歩いたり。精神的にも肉体的にも疲れ気味だけど、最初の晩にとりあえずクリアしておくべき店が1軒。それが、

Aling Lucing Sisigというお店です。

正確な読み方は解らないけど「アーリン・ルーシン・シシグ」で通じました。先に地図を貼っておきます。

アンヘレス中心部に近い、今回泊まっているホテルからだと3キロ強離れています。できれば高いトライシクルには乗らずに行きたい!ということでホテルのフロントで「ジプニーでこの店行くには、どこ行きのに乗ればいいの?」と聞いてみると、

「トライシクルに乗れば連れてってくれるよ。」

なるほど、やはりそう来ますか。多分外国人だと気を使ってくれているのでしょう。確かにジプニーは楽だし確実だけど、値段の差を知ってしまうともう、

トライシクルに乗ったら敗けの気分。

節約したいという理由もあるけど、どちらかというと気持ち的な勝ち負けに近い。多分バックパッカーを経験した人には理解してもらえると思いますが、

ちょっと面倒くさいでしょ?この感覚・・・自分でもそう思います。

という訳で、改めてジプニーを使いたいという意思を改めて表明し、

「グレイのジプニーに乗ったらいいよ。ドライバーに言えば店も知っているはず」

との情報をゲットしました。

こういう風に、ジプニーの正面と横に行き先が書いてあるけど、土地勘がないとどこを通るのかよく分からない。

結局1台1台聞くのが確実です。

DAUから来るときに通った南北を走る幹線MacArthur Highwayまで出て走りゆくジプニーを観察します。写真のジプニーはグレイにも見えますが、他にもっとグレイっぽいのもあって、いまいちどれが正解かよく分からない。ちょうど降りる人がいて停まったジプニーに聞いてみると、

「あっちだ。その、前に停まっているやつに乗れ」

と教えてくれました。いつ発車してしまうか分からないので、行き先も確認せずに飛び乗り、運転手近くの席に行って事後確認すると、

「Aling Lucingな。オケーオケー」

おお!このジプニーで合ってたらしい。

グレイじゃなくてパープルだけど・・・あれ?

まあ結果オーライです。ちゃんとドライバーは店の最寄で降ろしてくれて、「あれがAling Lucingだぞ」と教えてくれました。あとでわかった結論は、

MacArthur Highway沿いで乗れるジプニーは、殆どAling Lucin近くを通る。ということ。

逆に、最初に聞いたジプニーがどこ行きだったのかを知るべきでした。

Aling Lucin Sisigのシシグは3人前から。

2店舗を繋げたような、かなり広い店構え。多分儲かって隣を買い上げたとかでしょう。路上で何か焼いているので先に覗いてみます。

串に刺した肉や豚の塊、それと魚を炭焼きしています。

奥で焼いている脂が多そうなのが、豚の顔肉。これを細かく刻んだものが、シシグのメイン具材になります。

炭火焼というところに、期待が高まりますね。

向かって右側のカウンターらしき所で声をかけ、1人だけどメニュー見せてくれる?とオーダーの相談をします。

一番上のSizzling Sisigというのが、この店の看板メニュー。大きさを聞くと3人前くらいあって、サイズはこれ一択とのこと。

うーむ、仕方がない。ここにきて引き下がる訳にはいきません。

ビールにするかライスにするか迷ったけど、今回はライスを選択。考えてみると昼を食べてなくて、腹が減っていたのです。シシグだけ食べて帰るのも寂しいので、更にメニューを物色すると、どことなく見覚えのあるメニューが。

「このBurong Hiponってなんでしたっけ?」

聞くと、目の前の野菜と、その隣で蓋をしてあった容器を見せてくれて、

「これは発酵させた米だよ。この野菜にディップして食べるの」

そうだ、これだ。フィリピン住みます芸人「ハポンスリー」の堀越さんが英語学校に数日来られた時、教えてくれたやつです。パンパンガに来たらトライしてみようと思っていたけど、

buroという名前で認識していたので危うくニアミスするところでした。

微妙に違う呼び方があったりするけど、buroと同じものでしょう。魚か海老と一緒に発酵させて作りますが、これはhiponとあるので、海老ですね。

盛るだけのBurong Hiponが先に出てきました。焼きナスと茹でたオクラはBuroを食べる時の定番のひとつです。

臭いを確認すると、酸っぱさを連想する発酵臭が香ってきます。でも、そんなに強くない。恐る恐る口に入れてみると、

あーこれ、旨い!

チーズを連想するような乳酸発酵のまろ味と酸味。日本の飯鮓(いずし)と言われても信じてしまいそう。見た目やにおいでダメな人はダメかもですが、発酵食品好きには堪らない味じゃないでしょうか。

少なくとも、鮒ずしよりは、はるかに食べやすい。

食欲を刺激するのでアペタイザーにももってこい。腹がこなれた所で、シシグの登場です。

熱々の鉄板に乗って、もうもうと湯気をたてています。

まさにSizzling!

肉は顔肉(ほほ肉とか、たぶん耳近辺も入っています)で、オイリー&ジューシー。レバーがコクを加え、脂を吸った玉ねぎも美味しい。カリカリに仕上げるクリスピーシシグとは対極の、

柔らかくて、脂がしっかり乗ったシシグです。

でもマヨネーズとかで余計な味をつけていないので、意外とするっと食べられます。これはビールにも、ご飯にも合う!ドテルテ大統領が食べにきたというだけのことはあります。

3人前でも、全然いけちゃいました。

ぶっちゃけると、シシグが美味しい店は沢山あるので、ここでしか食べられない驚きの味、というほどではありません。でも、せっかく近くに来たのなら、食べて損のない、ちゃんと美味しいシシグでした。


因みにこの店のシシグ発祥ストーリーはこんな感じ。

ある日豚を焼いていたAling Lucingさんが間違って焼きすぎて焦がしちゃった。捨てるのがもったいないので、ふと思いついてそれを細かく刻んで玉ねぎなんかと合わせたら、これが大好評!それが米軍兵のビールのお供に受けて、ご飯にも合うしで、フィリピン全土に広がっていったというもの。まあ、近い料理は前からあったようですし「諸説あり」的な可能性はありますが、ざっと拾った情報だとそういうことのようです。

今更だけど、店内はこんな感じ。


帰りのジプニー探しは楽勝です。出発地点で見かけた色のジプニーを止めて「フィールズ行く?」と聞けば、ほぼ100%行くと答えるはず。ジプニーの代金は行きも帰りも10ペソ(21円)。安いですよねぇ。


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