さて、話は前回の続き。パンパンガ地方の中心都市アンヘレス(Angels)に到着し、ホテルへチェックインした所からです。アンヘレス第一食目は、フィリピンでもTOP5に入る人気メニュー「シシグ(sisig)」発祥の店のレポートです!
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へとへとでも、最初に目指すはシシグ発祥の店!
アンヘレス行きのバスを探すのに右往左往したり、DAUのバスターミナルから荷物を引きずりながら2キロ歩いたり。精神的にも肉体的にも疲れ気味だけど、最初の晩にとりあえずクリアしておくべき店が1軒。それが、
Aling Lucing Sisigというお店です。
正確な読み方は解らないけど「アーリン・ルーシン・シシグ」で通じました。先に地図を貼っておきます。
アンヘレス中心部に近い、今回泊まっているホテルからだと3キロ強離れています。できれば高いトライシクルには乗らずに行きたい!ということでホテルのフロントで「ジプニーでこの店行くには、どこ行きのに乗ればいいの?」と聞いてみると、
「トライシクルに乗れば連れてってくれるよ。」
なるほど、やはりそう来ますか。多分外国人だと気を使ってくれているのでしょう。確かにジプニーは楽だし確実だけど、値段の差を知ってしまうともう、
トライシクルに乗ったら敗けの気分。
節約したいという理由もあるけど、どちらかというと気持ち的な勝ち負けに近い。多分バックパッカーを経験した人には理解してもらえると思いますが、
ちょっと面倒くさいでしょ?この感覚・・・自分でもそう思います。
という訳で、改めてジプニーを使いたいという意思を改めて表明し、
「グレイのジプニーに乗ったらいいよ。ドライバーに言えば店も知っているはず」
との情報をゲットしました。
こういう風に、ジプニーの正面と横に行き先が書いてあるけど、土地勘がないとどこを通るのかよく分からない。
結局1台1台聞くのが確実です。
DAUから来るときに通った南北を走る幹線MacArthur Highwayまで出て走りゆくジプニーを観察します。写真のジプニーはグレイにも見えますが、他にもっとグレイっぽいのもあって、いまいちどれが正解かよく分からない。ちょうど降りる人がいて停まったジプニーに聞いてみると、
「あっちだ。その、前に停まっているやつに乗れ」
と教えてくれました。いつ発車してしまうか分からないので、行き先も確認せずに飛び乗り、運転手近くの席に行って事後確認すると、
「Aling Lucingな。オケーオケー」
おお!このジプニーで合ってたらしい。
グレイじゃなくてパープルだけど・・・あれ?
まあ結果オーライです。ちゃんとドライバーは店の最寄で降ろしてくれて、「あれがAling Lucingだぞ」と教えてくれました。あとでわかった結論は、
MacArthur Highway沿いで乗れるジプニーは、殆どAling Lucin近くを通る。ということ。
逆に、最初に聞いたジプニーがどこ行きだったのかを知るべきでした。
Aling Lucin Sisigのシシグは3人前から。
2店舗を繋げたような、かなり広い店構え。多分儲かって隣を買い上げたとかでしょう。路上で何か焼いているので先に覗いてみます。
串に刺した肉や豚の塊、それと魚を炭焼きしています。
奥で焼いている脂が多そうなのが、豚の顔肉。これを細かく刻んだものが、シシグのメイン具材になります。
炭火焼というところに、期待が高まりますね。
向かって右側のカウンターらしき所で声をかけ、1人だけどメニュー見せてくれる?とオーダーの相談をします。
一番上のSizzling Sisigというのが、この店の看板メニュー。大きさを聞くと3人前くらいあって、サイズはこれ一択とのこと。
うーむ、仕方がない。ここにきて引き下がる訳にはいきません。
ビールにするかライスにするか迷ったけど、今回はライスを選択。考えてみると昼を食べてなくて、腹が減っていたのです。シシグだけ食べて帰るのも寂しいので、更にメニューを物色すると、どことなく見覚えのあるメニューが。
「このBurong Hiponってなんでしたっけ?」
聞くと、目の前の野菜と、その隣で蓋をしてあった容器を見せてくれて、
「これは発酵させた米だよ。この野菜にディップして食べるの」
そうだ、これだ。フィリピン住みます芸人「ハポンスリー」の堀越さんが英語学校に数日来られた時、教えてくれたやつです。パンパンガに来たらトライしてみようと思っていたけど、
buroという名前で認識していたので危うくニアミスするところでした。
微妙に違う呼び方があったりするけど、buroと同じものでしょう。魚か海老と一緒に発酵させて作りますが、これはhiponとあるので、海老ですね。
盛るだけのBurong Hiponが先に出てきました。焼きナスと茹でたオクラはBuroを食べる時の定番のひとつです。
臭いを確認すると、酸っぱさを連想する発酵臭が香ってきます。でも、そんなに強くない。恐る恐る口に入れてみると、
あーこれ、旨い!
チーズを連想するような乳酸発酵のまろ味と酸味。日本の飯鮓(いずし)と言われても信じてしまいそう。見た目やにおいでダメな人はダメかもですが、発酵食品好きには堪らない味じゃないでしょうか。
少なくとも、鮒ずしよりは、はるかに食べやすい。
食欲を刺激するのでアペタイザーにももってこい。腹がこなれた所で、シシグの登場です。
熱々の鉄板に乗って、もうもうと湯気をたてています。
まさにSizzling!
肉は顔肉(ほほ肉とか、たぶん耳近辺も入っています)で、オイリー&ジューシー。レバーがコクを加え、脂を吸った玉ねぎも美味しい。カリカリに仕上げるクリスピーシシグとは対極の、
柔らかくて、脂がしっかり乗ったシシグです。
でもマヨネーズとかで余計な味をつけていないので、意外とするっと食べられます。これはビールにも、ご飯にも合う!ドテルテ大統領が食べにきたというだけのことはあります。
3人前でも、全然いけちゃいました。
ぶっちゃけると、シシグが美味しい店は沢山あるので、ここでしか食べられない驚きの味、というほどではありません。でも、せっかく近くに来たのなら、食べて損のない、ちゃんと美味しいシシグでした。
因みにこの店のシシグ発祥ストーリーはこんな感じ。
ある日豚を焼いていたAling Lucingさんが間違って焼きすぎて焦がしちゃった。捨てるのがもったいないので、ふと思いついてそれを細かく刻んで玉ねぎなんかと合わせたら、これが大好評!それが米軍兵のビールのお供に受けて、ご飯にも合うしで、フィリピン全土に広がっていったというもの。まあ、近い料理は前からあったようですし「諸説あり」的な可能性はありますが、ざっと拾った情報だとそういうことのようです。
帰りのジプニー探しは楽勝です。出発地点で見かけた色のジプニーを止めて「フィールズ行く?」と聞けば、ほぼ100%行くと答えるはず。ジプニーの代金は行きも帰りも10ペソ(21円)。安いですよねぇ。
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