前回はバングラディシュのダッカから飛行機でネパールはカトマンズの空港に飛び、現地SIMを調達したところまで。街への移動から再開です。
ネパールに来たらまず食べたかった、ダルバート!
ネパールにおいては国民食というレベルを遥かに超越して重要なダルバートを、早速食べてきました。
※1ネパールルピー=0.97円。ほぼ日本円と同額なので、ネパール篇では個別の日本円換算は記載しないこととします。またネパール篇で単にルピーと記載したものは、ネパールルピーのことだとご理解ください。
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カトマンズのトリブバン空港から、タメル地区へのタクシー移動。
空港の到着ロビーでは、次々と客引きに声をかけられるのですが、その客引きに早くもこれまでの国々との違いを感じました。身もふたもない言い方をしてしまうと、
ウザくないのです。
まず複数で取り囲むようなことはなく、声をかけてくる時もパーソナルスペースを侵さず、どことなくジェントル。殆どの人は英語が流暢なのと、人との距離感が日本人に近いのかもしれません。人との距離感はその社会の基準があるので、だから良い悪いではもちろんないのですが、インド、バングラディシュと旅してくると、
この距離感、とっても落ち着く。
そしてタクシーに乗るかどうかだけじゃなく、すかさず今後の予定を聞いて「もしよかったら、予約や手配なんでも力になれるよ」なんて言ってくるのです。
もしよかったら!!!
この一言で印象がだいぶ変わりますよね。そう、つまりネパールは、観光業やそれに関連するサービスが、かなり洗練されているのです。当然それは観光客が行動する範囲の話だと思うのですが、今回のネパール3週間を通してそれが徹底しているなあと感じたのでした。さらに先に書いておくと、ネパールの人は話し好きでフレンドリー、とても親切な人が多いのです。これから何度も助けられるのですが、
商売だけじゃない人柄の良さもあって、素晴らしく旅をしやすい国だと感じました。
空港から市街地への移動は、タクシーと路線バスがありますが、路線バスは本数が少なく大荷物を運ぶ仕様になっていないとの情報もあってパス。タクシーにも2種類あり、
- プリペイドタクシー: 700〜800ルピーで料金一律
- 通常のタクシー: 500〜800ルピーで交渉次第
とのこと。相場を頭に入れて声をかけてくる客引きと交渉してみると、
ちょっと粘ったら600ルピーになりました。
客引きに連れられて車に乗ると、運転手は別の人。600ルピーで間違いないことを確認して、乗り込みます。タメル地区のホテルまで7km、渋滞があって40分ちょっとかかりました。
手頃で落ち着くバジェットホテル、エキゾチック・ハウス/Exotic House。
入口が裏路地側にあり、少し見つけづらいホテルですが、タクシードライバーが近所の人に聞いてくれて無事到着。外観で、
このホテル大丈夫なの?
と不安になりましたが、中は清潔で整っています。
部屋もベッドも広々でお湯シャワーも問題なし。2泊朝食付きで34.24USDで予約していて、ネパールルピーで支払うとレートがイマイチで3911ルピー。でも1泊2000円以外でこの部屋なら、上等です。
※ネパールでは基本現地通貨での支払いですが、ホテルやトレッキングなどの観光客向けサービスでは米ドル料金を設定している所もあります。
朝食はこれに卵料理と、なぜか沢山のクッキーがつきます。Booking.comで予約をしたらすぐメッセージで、
バスやトレッキングの予約や手配、お役に立てることは何でも言ってね。
と連絡をくれました。カトマンズに着いたらまずはエベレストを見ることができるマウンテン・フライトに参加したいと思っていたのですが、それも相談したら、
ちゃんと予約しておいてくれました。194USDと書いてありますが、事前にやり取りした通り170USDでいいよとのこと。予約手数料も要らないというので、ネットで旅行会社から手配するより割安に確保できました。
なんてスムーズでストレスフリーなんでしょう!
唯一困ったのが、たまたま着いたその日にエアコンが壊れていて、翌日午後まで直らないこと。昼間だというのに既に寒いカトマンズ。早速暖かい衣類を買いに、街へと出かけました。
カトマンズのタメル地区で現金確保に四苦八苦。
タメル地区は細い路地が入り組んだ旅行者向けの街。歩いて回れる範囲に、旅行会社やお土産物屋、両替店とATMにクリーニング、そしてもちろんご飯屋さんが山ほどあります。カトマンズはゴミゴミして苦手という声もよく聞きますが、
ダッカから来ると、天国のように歩きやすい!
緊張感が一気にほぐれていくようです。インド、バングラディシュであれほどうるさかったクラクションも、ネパールのサイクルリクシャーは、こんな感じ。
ペット容器をニギニギして、
ペフペフと鳴る、癒し系です。
そりゃあ気も緩むというものですよ。さて、空港では2万ルピーだけ引き出していたのですが、ここネパールでは結構お金を用意する必要があって全然足りない。メールで予約したアンナプルナ・トレッキングも現金払いだし、雪が降る山に登るというので、装備も買い揃えないとなりません。靴下なんてくるぶし丈のを2足しか持ってないですからね。という訳で、
まずは現金確保大作戦。
まずは両替店に行って、使い残したバングラディシュ・タカを替えようとしたのですが、
想像以上にタカの扱いが酷すぎる。
店に入って「タカを両替したい」という度に、フンと鼻で笑われてしまうのです。5軒目も断られたのですが、困り顔で粘ってみたら「仕方ないな、いくら分だ?」と対応してくれました。4945タカ(6429円)が3000ルピーって...半値以下じゃないですか。でもタカなんて持っていても既に紙屑状態なので、泣く泣くお願いしました。別にバングラディシュの立場に立つ義理は無いのですが、
君たちはもう少し隣国を大事にした方がいいよ。
と日本語で言ってみたのでした。ATMも相変わらずの取引拒否を連発。アコムカードは黒いシーラス/cirrusマークのATMで使えることになっているのですが、どれも全滅。カードを入れてもピクリとも動かないものや、最後の最後でストップがかかるもの、ありとあらゆるパターンで拒否されて、ペフペフ・クラクションに癒された心も徐々に荒んできました。
20台以上フラれて、救いの神は写真まん中のSanima bank のATM。シーラスマークなんてどこにも無いけど、この機械だけ使えました。ようやく現金も確保して、次は暖かい服の確保です。
↓このATMがある場所です。
カトマンズのアウトドアショップは、値引き交渉必須です。
タメル地区には至る所にアウトドアショップがあって、山に必要なものはひと通り割安に揃えることができる、
アウトドア・ブランドの偽物天国として有名です。
相場がまだよく分からない中で、何はともあれ買ったのが、あったかい下着“サーマル・アンダーウェア”です。ユニクロのヒートテックみたいなものですね。化学素材の最新のものと、昔ながらの股引スタイル、それぞれ上下セットで計5500ルピーの言い値を4500ルピーに値切って購入。今思うと、まだかなり高い気がします。
結局その夜に寒さでガチガチ歯を鳴らし、翌日に厚手のフリースジャケット、フリースのネックウォーマー、裏地フリースのニットキャップ、暖かい靴下2足を購入。何軒も回って安い店を探し、まずはフリースジャケットの値引き交渉。さらに買うものを増やして値引き交渉。今回はこれだけ買って2600ルピーで済みました。どうせブランドは偽物なので当てにならない。
何が必要か考えて、現物を手に取って品質を吟味し、店主と話しながら値段を決める。
手間ではありますが、なんだかキチンと買い物をしているようで、なかなか楽しい経験でした。
アウトドアショップのお父さん推奨、ローカル店で初ダルバート!@Om Restaurant
初日の買い物を済ませた後に、店主のお父さんに「ダルバート食べたいんだけど、良い店知ってる?」と聞くと、説明するのが難しいからか、
ついてきて!
300mは離れている食堂へ案内してくれたのです。アンダーウェアは高かったけど、いい人です。
Om Restaurant は自力じゃ決して入らないだろう裏路地にあって、Google maps でも口コミ4件と、観光客が押しかける店ではありません。
でも店のおばあちゃんはニコニコと暖かい人柄で、初めてでも懐かしい雰囲気。アウトドアショップのお父さんが「この人ダルバート食べたいんだ」と言ってくれていたので、注文要らずで料理を待ちます。
程なく提供されたダルバート。
おお、これだこれだ!
余計なものが一切ない、ザ・ダルバートといった佇まいに、思わず顔が綻びます。奥正面のクリーム色のがダル、つまり豆を煮たスープで、インドのダルカレーなどより更にマイルドでほっこり味。ダルは豆、バートは米飯を意味する言葉で、
ダルバートはそのままお米とご飯。
それにタルカリ、サーグ、アツァール(アチャール)を足すと、基本のダルバートになります。上の写真でダルの左にあるのが、タルカリと呼ばれるおかずポジション。今回はジャガイモのカレーですね。
手食が基本のネパール。熱々ご飯を崩して、まずは単独でそれぞれの味を確かめます。
うん、ウマイ!
舌がというより、カラダが喜ぶような優しい味わい。ジャガイモのタルカリも、確かにスパイスを使ったカレー味だけど、尖ったところがまるでありません。
青菜はネパールでは通常、芥子菜(からしな)を使います。日本の常食野菜でいうなら、小松菜に近い。ホロリと苦く、炒めてあるけど使っている油が少なめなので、さっぱり。
白飯とかっ込むと堪りません。
バングラディシュで野菜に飢えていたので一層です。全体にマイルドだけと、アツァールという漬物系2種が酸味と発酵の複雑さを加えて、ますますご飯が進みます。大根のアツァールは、沢庵のようにポリポリ。ソース状のものは恐らくトマトです。そして南インドのミールス同様、
ダルバートは食べ放題!
この店はベジのダルバートなので、皿の中のもの全てがおかわりし放題です。チキンなど肉入りのダルバートを頼んだ場合は、肉料理以外が食べ放題になるようです。熱々のご飯はサラサラした軽めの食べ味だけど、南インドよりは日本米に近く、
それを丼2杯分平らげて、胃がはち切れそうです。
ネパールにおいてダルバートは、国民食という言葉を超越した存在。伝統的には朝晩2回毎日食べて、お昼に食べるものは軽食のような位置づけのカジャという言葉で呼ばれます。
つまり、ネパールではダルバートこそが「メシ」であり、メシを喰うとはダルバートを喰うこと。
これほど強い日常食は、世界中探しても珍しいかもしれません。おばあちゃんの優しい味に幸せを感じ、お会計は160ルピー。1食目から充実を予感させる、ネパール飯でした。
次回予告
ネパールといえばヒマラヤ山脈。ヒマラヤ山脈といえばエベレスト!漠然と憧れる程度で山男でもなんでもない私は、ネパールに来る前に調べて驚きました。
ネパールでもエベレストは、そう簡単には見られないらしい。
素人がチョチョイと見に行けるものじゃあないのです。でも、素人に残された確実でチョチョイの道がひとつあって、
それがマウンテン・フライトです。
次回、カトマンズ到着翌日にいきなり参加してきた、イエティ航空のマウンテン・フライトをレポートします。
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