アメリカ合衆国 南北アメリカ 旅のブログ

ルイビル発バーボン蔵巡りツアーとミートボール・スパゲッティ。

投稿日:

2023年9月15日の金曜日。ケンタッキー州最終日のこの日は、ルイビルの町から出ているバーボン蔵巡りツアーに参加しました。車はモーテルに置きっ放しにしてきたので、

ついに蒸留所で酒が飲めるぞ!

もうこの時点で素晴らしい1日は確定したようなものです。ソロ参加の寂しさもなんのその、勇んで宿を出発したのでした。

※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)


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Mint Julep Experience のバーボンツアーに参加してみました。

今回予約したのはバーボン蔵ツアーを催行しているミントジュレップ・エクスペリエンス/Mint Julep Experiences(公式HPはこちら)のもので、オンラインで予約可能。希望のプランを組んでくれるプライベートツアーもありますが、ルートが予め決まっている定期ツアー(同社HPではPublic Toursと記載)は木〜日曜のみ。催行日によって行き先が違うので、希望の蒸留所を回るには週1回のその曜日に合わせる必要があります。

わたしが予約したのは金曜ツアーの中から、LUX ROW・ヘブンヒル・ジムビームの3箇所を回るツアーで、8時出発の17時帰着。料金は222.88$(31,850円)となかなかの値段です。

宿から歩いてすぐの市街中心部にツアーデスクがあり(上の地図の場所)、出発15分前の7:45までにチェックインするようメールがきていました。

受付を済ませると「時間になったらここに集合してね」と言われ、同じ建物に入ってるフードホールでコーヒーと朝ごはんを済ませておきます。

コーヒーが3.1$(443円)。スタバより高いじゃんかと泣きが入りますが、背に腹は変えられません。食べ物も良い値段なので、安めのパンをモソモソ食べてしのぎます。

上のは後で撮った写真ですが、こちらの格好いいバスに乗ってツアー出発!バスはほぼ満席ですが、ソロでの参加はわたし1人のようですね。

他はわたし以外ほぼ白人男女で、みんなアメリカ人っぽい雰囲気。おお、なんか久々のアウェイ感が濃いめですよ。というかバーボン・ツアーだからかなのか、

ゴツイ兄さん多めです(汗)

よし、喧嘩しないように気をつけよう。

最初の蒸留所であるLUX ROW へ行く途中、前回見れなかったフォアローゼズの貯蔵・瓶詰め施設へ寄り道。「ラッキー!ここも見れるんだ」と思ったら、バスを降りることなく再発車。

トイレ休憩くらいしていこうよ。

頑張って自力で来ておけば良かったと、少し後悔したのでした。

まずはLUX ROW!

ルイビル市街から車で約1時間。最初に目指すのはラックスロウ/LUX ROW という蒸留所です。

ザワザワと楽しそうな周囲の会話をBGMに、

目には青々としたケンタッキーの風景。

我々のツアーにはガイドと運転手がついていて、現地に着くと蒸留所のツアーガイドに受け渡される流れです。

LUX ROW の見学チケットを渡されて、スタート時間までは自由時間。

バーで飲むも良し。

ギフトショップでお買い物をするも良しです。LUX ROW のバーボン銘柄といえばもちろんラックスロウにデイビスカウンティ。

でもわたし的により馴染みがあるのは、こちらのエズラブルックスやオールドエズラですね。

エズラブルックスは一時期飲んでたなぁ。

イエローストーンも懐かしい。

とこんな風に、バーボンの銘酒ブランドをたくさん抱えているのがLUX ROW 蒸留所なのです。さて、見学ツアーの内容ですが、今回はさくさくっと軽く流していきましょう。流石にもう皆さん、バーボン蘊蓄には飽きてますもんね。(察し)

最初の小部屋で映像付きの解説を聞いて、

釜を見たり、

でか∑(゚Д゚)

蒸留器を見たり。

ボコボコ溢れる蒸留したての原液(ホワイトドッグ)は、

その場で舐めさせてくれました。

トウモロコシらしい甘い風味だけど、メイカーズマークのよりは軽い印象。

広大な敷地には熟成用のストアハウスが何棟も連なり、

おお〜すげえ。

この場所で樽から直汲みのバーボンを試飲させてくれました。2018年に詰めた5年ものですね。

我々を代表して汲み上げ体験をするおじさん。羨ましいけどスコットランドで何度もやりましたからね。さほど嫉妬しないで見ていられます。

128.6PROOF と書いてるからアルコール度数は64.3%、わたしの好きなカスクストレングス(アメリカだとバレルストレングスかな)です。

強いアルコールが食道から胃に落ちて、ぶわっと気化して燃えるような独特の感覚。これが堪らないのですね。甘味があってコクは軽め、とてもスパイシーでパワフルな一杯でした。

あ〜心置きなく試飲できて幸せ ♡

またまた移動して、お次は本格的な試飲タイム。

用意された席には4種類のバーボンが並び、

内容はこちらの銘柄です。デイビスカウンティとレベル。エズラブルックスにオールドエズラですね。

解説を聞きながら蒸留所でバーボンを味わう。。これまで運転で我慢していただけに、

まさに至福のひと時です。

高い料金で送迎付きツアーに参加してよかった。因みに4つの中では、素晴らしくスムースな飲み口のオールドエズラが一番お気に入りでした。

お馴染みバーボンが目白押しの、ヘブンヒル蒸留所。

LUX ROW を後にして、次に訪れたのはヘブンヒル/Heaven Hill Distillery。

こちらもバーボンを代表するような銘柄が目白押しの蒸留所でして、

前回の記事でも触れた、バーボンの製法を初めて確立したとされるエライジャクレイグ。まさに「はじまりのバーボン」とも言える銘柄です。

他にもエヴァンウィリアムズにヘブンヒル、

ファイティングコックとかもここなんですね。

この蔵で個人的に思い入れが強い銘柄といえば、こちらのJTSブラウン。ビリヤード映画の名作『ハスラー』で、主人公のポール・ニューマンが飲んでいたお酒。映画の中でも重要な意味を持ち、

No ice, no glass

と注文してぐいっとやる姿がべらぼうに格好良いんです。当時大学生だったわたしは(流石にリアルタイム世代じゃないですよ)酒屋を回ってJTSブラウンを探したものでした。

思えばそれが、自分で買った初めてのバーボンでしたね。

このツアーでのヘブンヒル見学は簡略版で、まずはビデオ鑑賞。

そして蒸留所のガイドさんから解説があります。次は場内見学かと思ったら、

そのまま試飲会場へ。なるほど、ここでは試飲だけなんですね。

飲ませてくれたのはこちらの5種類。JTSブラウンは入っていないけど、これも大好きなヘンリーマッケンナがあるので気分は上々。

ヘンリーマッケンナはアルコール度数50°の10年もので、驚くほど滑らかでまろやか。

エライジャクレイグはトーステッドバレルとバレルプルーフの2種類が出ていて、それぞれの特徴はあるけどどちらも濃密で深みが素晴らしい。午前中で既に良い心地になってきましたが、「じゃあ次はお昼食べにいくよー」と声がかかり、ヘブンヒルを後にしました。

なに⁉︎ ターキーサンドが旨いだと∑(゚Д゚)

ツアー代金には昼食が含まれていて、連れてこられたのはTOOGIE’S TABLE というお店。

ひとり参加はわたしだけなので、皆さん席について空いてる1席にお邪魔します。「やあやあどうも」「どこから来たの」なんて軽い会話、気を使いますねー。

たぶんツアー向けのメニューなのでしょう。サラダとスイーツが固定で、メインは3種類の中から選べるようです。

おぉ、アメリカ伝統のハイカロリー飯を食べ繋いできた身には目に新しい、繊細な味付けのサラダですよ。

選んだメインはターキーサンド。過去のアメリカ旅での経験ではあまり良い思い出がなくて、

あのパッサパサなやつだよね。

という印象が根強いメニュー。何で見たか思い出せないけれど、ターキーサンドはアメリカ人にとっても「古き良き、あまり美味しくないアレ」という扱いなのだとか(情報が正しいかは不明です)。

ところがですよ、ここで食べたターキーサンド。七面鳥が超絶しっとりしていて、控えめな甘酸っぱさのソースも絶妙。パン自体も美味しくて、

何これめっちゃレベル高い!!

やはり美味しいとこのは美味しいのですね。

スイーツはクッキー1枚と、アメリカにしてはケチくさいなぁと思ったものの、

中とろっとろで美味しい!

ツアーに含まれるランチとしては、相当満足度の高い内容でした。

最後はバーボン売上No.1 のジムビーム。

ツアーの最後はジムビーム/Jim Beam の蒸留所。バーボン銘柄としては世界売上No.1のジムビームですが、現在経営しているのはビームサントリー、つまりサントリー系列なのですね。

先日訪問したフォアローゼズはキリングループですし、スコッチウイスキー同様に世界のウイスキーメイカーでは、日本資本の存在感が大きいですね。

バスを降りて建物に入り、まずは受付でチケットを受け取り。

見学の時間までは各々ギフトショップでお買い物です。最後だからか、皆さん猛然と買い込みを始めます。

ジムビームもLUX ROW やヘブンヒルと同じく多くのの銘柄を吸収し、豊富なラインナップを誇っているところ。

ギフトショップは各銘柄のバリエーション含め、かなりの品揃えです。

ブッカーズとか、高いけど美味しいんですよね。

ボトルで買っても旅の途中で飲み切れる気がしないし、直接買うから安いってわけでもなく。迷った末にやはり買わずにおきました。

そろそろ時間なので集合場所に向かい、

今回は場内バスで移動するようですね。囚人護送車っぽいけど格好良いバスに乗り込み、

なんか凄い車が置かれたホールに通されます。

髭の兄さんがジョブスみたいなプレゼンで、バーボ全体の話を語っていきます。

周りの壁には産地や原材料など、バーボンについて定められた基準が書かれてますね。

続いて製造工程の見学。外壁にはHardest Working Still in America、つまりさりげないNo.1アピールですね。彼らの誇りが感じ取れて•••くそ、やるな。

どでかいタンクがずらりと並び、

蒸留器からは出来立てほやほやの原液が勢いよく出てきています。左の方が少し茶色がかっているのですが、こちらがビアスチル(最初の蒸留器)から出てきたロウワイン。右のはその後ダブラー(2つ目の蒸留器)にかけたものでハイワインと呼ぶのだそう。

へ〜そうなんだ!

蒸溜が終わったものがロウワインだと勘違いしていました。

次の場所では無造作に開けっぱの樽が置いてあり、

「ちょっとグラス持っていて」と樽を無造作に傾けて、びしゃびしゃ溢しながら注いでみたり。

樽に原酒を充填するのをやってみたり。羨ましいけど代表者のみなので見てるだけ。ハイワインは少し味見させてくれました。甘くて思いの外爽やか。

ボトリング区画ではノブクリークという銘柄の充填体験ができて、

これはノブクリークをお買い上げの人限定サービス。

メイカーズマークでもあった蝋付け体験もできて、これは自分へのお土産としては最高ですね。

ひと通り工程見学が済んで、最後はテイスティング。

我々のツアーでは4種類用意されていました。

スタンダードなジムビームにシングルバレル。リージェントは山崎の樽で仕上げたもので、ブッカーズはチャーリーズバッチというスモールバッチ品ぽいですね。スモールバッチというのは少数の選ばれた樽から瓶詰めしたもの。コクがあるけど重たさは感じない、甘やかで濃密でとても美味しかったです。

アメリカン式イタリアンの定番、ミートボール・スパゲティを老舗店で。

17時前にルイビルの町へ戻りツアーは解散。3軒もまわり試飲もしっかりしたので、そこそこ疲れました。でもこれで、アメリカで訪れた蒸留所は計6箇所。まだまだ行ってない蔵はあるけれど、かなり満足できました。

宿で少し休憩をして、夕ご飯にやってきたのはthe old spaghetti factory。前夜に町を歩いた時に気になっていたお店です。

アメリカにはイタリア移民も多いですが、イタリア料理もアメリカナイズされて独特の変容がなされています。その代表格として有名なのがミートボール・スパゲティ。我々日本人にとっては、

ルパン三世カリオストロの城で有名なアレ!

カナダでは食べたけど、アメリカではまだなので機会を伺っていたのです。

文字だらけのメニューからミートボール・スパゲティを探します。ふむ、このSICILIAN MEATBALLS というのがそうですね。

ビールはサミュエル・アダムスのシーズナルというのを貰います。うん、軽やかで柔らかい飲み口。

「スープは何にする?」と言われて頼んだミネストローネ。スパゲティを頼むと付いてくるみたいですね。

ケチャップ全開ではなく、トマトの風味と野菜の旨味がバランス良くてなかなか。これはスパゲティも期待が持てるんじゃないですかね⁉︎

暫く待つと、ミートボール・スパゲティが到着しました。パスタに絡めることなく、素の麺の上からソースをかけている感じは、

往年の学校給食を思い出します。

いまでも給食ってこんな感じなんですかね?

サイドメニューからイタリアン・ソーセージをちょい足し。

メインのお皿に移してパワーアップです。さぁ頂きますよと早速スパゲティを巻き取ります。うむ、うむむむ•••

やっぱり麺がフニャフニャだ〜。

さすがアメリカ、さすアメです。マリナーラソースと書いてあるトマトソースも軽めの仕上がりで、どうにも頼りない味わい。

ミートボール自体は大きくてふわりと柔らかく、これはこれで美味しい。けどやはり、良くも悪くもアメリカのスパゲティのイメージそのままで、トキメクものがありません。日本のナポリタンにもピンキリがあるように、そしてまさに同じ日にターキーサンドで経験したようにいつか、

古き良き、でもめちゃくちゃ美味しいミートボール・スパゲティ

に出会ってみたいものです。トータルでお会計は29.42$(4204円)。チップ入れると5000円を超えますからね、なかなかに高くつくお勉強でした(泣)

次回はルイビルを離れてアトランタへ。移動中のお昼はドライブスルーならぬドライブイン形式のハンバーガーチェーンSONICへ。慣れない注文方法に戸惑いながら、爆食いを敢行しました。アトランタでは久々に自炊できる宿へチェックイン。スーパーで買い出しをして、欲望の赴くまま、束の間の自炊生活を楽しみました。


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