カンポット郊外には、ボーコー国立公園という、美しい自然と古い教会や遺跡があちこちに点在する、楽しそうな場所があるのですが、
一瞬迷ったけれど、今回のカンポットは全て胡椒に捧げることにしました。
といっても私がマニアックという訳ではなくて、胡椒農園の見学、とりわけ今回ご紹介するラ・プランテーション/La Plantation は、観光客全般でみてもトップクラスの観光スポット!
カンポットに来たなら是非訪れたい、充実の施設なのです。
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さて、山の中の農園へ、どうやって行くか。
カンポットとケップ(カンポットの東隣にある海沿いの町、蟹が有名!)の間に点在する胡椒農園のいくつかは、観光客の受け入れにも積極的。その中でも今回訪れたラ・プランテーションは、
予約なしでもいつでも行くことができます。
一定間隔で農園を案内してくれるツアーもあるし、フランス料理とクメール料理(カンボジア料理)の2軒のレストランにカフェまであって、もちろんたくさんの種類の胡椒も買うことができる。
そして全てがお洒落で、ホスピタリティに溢れた素敵スポットです。
当然農園なので町中にはなくて、カンポットの中心部からは20kmちょっとの場所にあります。ケップからもざっくり20km前後。行くにはタクシーやトゥクトゥクに乗るか、旅行代理店に頼むか、自力で行くか。そして、
自力で行く場合の最も現実的な方法が、レンタルバイクです。
今回私は、バイクを選びました。日本では乗ったことがなくて、今回の旅に出てから電動スクーターに2回乗っただけという状況で、
初めての原チャリ体験!
楽勝です。とは全くいかなかったのですが、その魅力も恥ずかしい話も、隠さず書きたいと思います。
ひと筋縄ではいかないカンボジアの道路事情。
カンポット2日目の朝、停電でバタバタしたので、朝ごはんを食べてクリーニングを出してとやっていたら、時刻はもう10時半。前日にホテルに頼んでいたレンタルバイクは既にスタンバっています。HONDAの恰好いいやつが届きました。
24時間で5USD(544円)とかなり安い!
ちなみにデポジット代わりにパスポートをホテルに預けますが、国際免許なんかはノーチェックです(笑)。初めてなもので、こうやってエンジンをかけて、ここがウインカーでと、ひと通り操作を確認したのですが、全部聞いても1分くらい。
簡単すぎて逆に心配です。
とはいえカンボジアの地方で交通量も少ないし、原チャリに慣れるには丁度良い環境だよねと前向きにとらえて、出発!
借りた段階では燃料はほぼカラなので、最初に見つけたガソリンスタンドに寄って給油。「満タンでいい?」と聞かれて、咄嗟にYesと答えてしまったけれど、
満タンは全然必要なかった・・・早速素人っぽいミスをしてしまいました。
2日間乗り回して半分も減らなかったのですが、満タンでも3.3USD(359円)ですからね。よしとしましょう。ガソリンも入れて、少しずつ運転にも慣れてきて、事故ったのはその後です。そう、事故っちゃいました(軽いやつです)。
突如現れた砂利地帯にタイヤをとられ、ズシャーーー!!!
転倒してしまいました。どうやら道路工事の一環で、道路を横切るように粗い砂利を撒いてあって、慣れているカンボジア人がさぁーっと乗り越えていたのを見て油断したのです。幸い誰も巻き込まず、車体の傷も大したことなくて、
でも左前腕だけまあまあ派手なすり傷。
自力でバイクを起こして路肩に寄せて、持っていた飲み水で傷口を流していると、前の家から出てきた母子が消毒してくれたり、バンドエードを張ってくれたり、
至れり尽くせりの親切です。
互いに言葉は通じないけれど、お互い何を言っているか、こういう時は通じるものですね。20分ほど居させてもらって傷の疼きが収まってきたので、何度も何度もお礼を言って、慎重に移動を再開しました。
しばらくは舗装された幹線沿いをひたすら真っすぐ。すっ転んだ後じゃなければ、気持ち良いツーリングロードです。
ラ・プランテーションと、bo tree(昨日胡椒の塩漬けを買ったところの農園)の看板がある脇道を曲がり、
この門をくぐると、いよいよオフロードの世界が始まります。
道はガタガタで、
所々にある凹みはもはや穴のレベル。
油断してスピードを落とさずに行くと、尻にドーンときて身体が浮き上がります。そしてトラックと行き合わせると、大量の砂埃を全身で浴びたり。それでも、途中から田園地帯の間を通る道に入ると、
カンボジアらしい風景にテンションが上がり、
踏切も柵もないむき出しの線路が延々と続く横では、
牛がのんびりしていたり。集落がある場所で突き当りを右折して更に行くと、
左側に見える湖に清涼感を覚え、
湿地帯の景色には思わずうっとりで、結構楽しい。スコールが降って水が溜まると砂利で埋めるようで、何か所か危ない場所がありますが、両足をついて慎重にいけば充分切り抜けられます。
この門のある所を左折するとようやくラ・プランテーションに到着です。
カフェで一服したら、まずは胡椒のテイスティング会に参加します。
駐車場には車やトゥクトゥク、バイクでやってきた観光客が大勢いて人気の高さがわかります。既にセンスの良さを感じさせる入り口ですが、
フランス人とベルギー人のオーナー夫妻が、全てデザインしたそうです。
そう言われるとそれっぽい。ともあれ、まずは案内図をチェックしましょう。
案内図上部中央のWELCOME SALA CHHANと書かれた場所にとりあえず行ってみたら良さそうです。WELCOMEって書いてありますからね。
僧院の大食堂を解体、移築したこの建物が先ほどのWELCOME~です。入り口にいたスタッフらしい女の子に声をかけると、
農園見学に参加されます?30分後くらいになるので、先にご飯食べます?あ、その傷だいじょうぶですか?
マニュアルじゃなくて、ちゃんと1人1人相手にしてくれている感じがして感じが良い。ご飯は後にして、まずは飲み物を貰うことに。
広々した屋内はカフェスペースと物販スペースに分かれていて、物販スペースは撮影禁止です。訳を聞くと、パッケージの衣装を真似されないようにだとか。色々あったっぽいですね。
農園ではフルーツも育てていて、主にここで取れたものを使ったSEASONAL FRESH JUICES がお奨めとのこと。季節で出せるものは変わるようで、ある中からバナナシェイク2USD(217円)をオーダー。
出てきたバナナシェイクは、濃度の高いバナナそのものという味で、
バナナ自体の質が良いのか、美味しすぎてビックリ!
おまけで付いてきたバナナチップスには、農園製の塩漬け黒胡椒が混ざっています。昨日買ったbo tree のものが収穫した未熟のグリーンペッパーをそのまま塩漬けしているのに対し、こちらのは一旦軽く茹でてから漬けるそう。1年以上漬け込むそうで、塩気が芯まで染みて美味しい。乾燥しているので、ふつうの黒胡椒に塩が染みたような味です。※それでも好みはbo tree の塩漬けペッパーです。
飲み物を粗方飲み終わった所で先ほどの女の子から、
今から胡椒のテイスティングが始まるので、見学の前に良かったらいかがですか?
とのお誘い。もちろん参加せてもらいます。ちなみに先程オーダーした飲み物や、レストランでの飲食はもちろん有料ですが、この試食会や農園見学ツアーは全くの無料。胡椒を買いたい人だけ買えばよくて、0円で帰ってきても全然問題ない感じです。
この紙が表裏あって、20種類近い胡椒とその加工品、ハーブ類を味見しながら解説してくれます。
この胡椒とコブミカンの葉のシーズニングソルト、すごい美味しい!もちろん、それぞれの胡椒の違いについても理解がすすみます。基本だけさらっと共有させていただくと、
- グリーンペッパー・・・未熟の胡椒を収穫したフレッシュなもの。
- ブラックペッパー・・・未熟のグリーンペッパーを乾燥させたもの。
- レッドペッパー・・・完熟の胡椒を乾燥させたもの。
- ホワイトペッパー・・・赤胡椒から皮を取り除いたもの。
上から下にいくにつれ、時間と手間がかかるということですね。ちなみにロングペッパーは品種自体が違いますし、日本で一般にピンクペッパーとして出回っているものも、上記レッドペッパーとは品種違いで、多くはコショウボクの実です。
一度に10種類以上もの胡椒を食べて口の中はビリビリですが、これめっちゃ楽しい!
中には収穫年の限定胡椒「ミレジム」なんかもあって、もうシャンパンみたいな世界です。ひと通り試食が終わったところで、ちょうど農園ツアーが始まりました。
胡椒を知るにはうってつけの、農園見学ツアー。
今回のガイドは、最初に案内してくれた女の子。笑顔が素敵で、終始朗らかな雰囲気で進みます。
胡椒の育て方や、製品にするまでの工程など、実物と説明写真を交えて教えてくれるのですが、胡椒自体にそれほど興味がなくても、
綺麗に整った農園をお散歩するだけでも気持ちが良いです。
これが胡椒です。といっても真ん中の木じゃなくて、
その周りに巻きついてるやつ。
こんな風にして育っていくのだそうです。
収穫シーズンはあるけれど、ある程度の量は1年を通して獲れるそうで、
もぎたて胡椒を味見させてくれます。
エグ味があって、あまり美味しくないのですね。
軽く湯通しすると良いそうです。
こっちはロングペッパーの木。先程の胡椒よりも、収穫できる回数が多いそうです(確か年3回だったような)。農園では胡椒の他にもハーブやフルーツを育てていて、
これはレモングラス。こんなに、わっさーと育つんですね。
まだ熟していないパッションフルーツ。植えてある所を初めて見るものばかりで、面白いです。
胡椒のハンドパッキングの様子も見ることができます。胡椒の知識がだいぶ深まった所でツアーは終了。知識欲のあとは食欲の出番ということで、お土産もそこそこにレストランへ向かいました。
クメール料理レストランで食べる、牛肉の胡椒炒め Lok-Lak Beef。
園内にはレストランが2つありますが、選んだのはクメール料理(カンボジア料理)のレストラン。
どれにしようか迷いますが、
一番胡椒を楽しめる料理はどれですか?
と直球にして無茶ぶりな質問に対してオススメしてくれたのが、牛肉の胡椒炒めである、Lok-Lak Beef 7USD(761円)。
赤黒白の3種の胡椒を使った料理です。マリネしてニンニクやオイスターソースなどと炒めたコッテリ味を、
胡椒が鮮烈に引き締めます。
「お肉がすっごい柔らかいの〜」とオススメされたほど柔らかくはなくて、
日本人の"柔らかい肉信仰"をなめてもらっちゃ困ります。
なのですが、それはそれとしてご飯にも合うしバイクじゃなきゃビールが欲しくなる味。胡椒料理とビールって、そもそも合わないわけがないので、
ビールを0.5USDで飲めるカンボジアと、胡椒の町のカンポットって、組み合わせが素晴らしくないですか!?
ビールならこの胡椒ソースだけで2杯はかたい。ちなみにこのレストランは、全メニュー胡椒を使っているのですが、
当然デザートも例外ではありません。
おいしくな〜れ!
と目の前で胡椒を振りかけてくれるサービスつきです。
※注:筆者はメイド喫茶なるものには行ったことがございませんので、誤解なきようここに明記しておきます。
中身はホームメイドの、パッションフルーツアイス3.5USD(380円)なのですが、フルーツの酸味と胡椒のピリリがアイスの甘味を引き立てて、
意外に合う!
農園に到着して2時間半、たっぷり楽しんで帰路に着いたのでした。
次回予告
ブログには書かなかったのですが、実はこの日の朝食は、たまたま見かけたローカル食堂でクメール料理を食べて、
これが大はずれ。
さて困ったぞと迎えた3日目の朝に思いついたのが、買った塩漬け胡椒をちょい足ししたら、何でも美味しいかも!次回、自力で美味しさ倍増のカンポットの朝ごはんと、隣町ケップの蟹マーケット。
獲れたての蟹を漁師さんから買って、その場で調理してもらうという楽し過ぎるスポットです!
引き続きお付き合い、よろしくお願いします。
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