前回に続き、絶景の宿トランジェントハウス泊のバタッドの2~3日目、宿に頼んだガイドのグレイルと一緒に、ビューポイント巡りのトレッキングです。2日分一気にご紹介します!
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バタッド2日目:Awa View Deckへのトレッキング!
朝7時からトレッキングに出発ということで、6時前には起床。
靄に煙る幻想的な棚田を見ながら歯を磨きます。
前日から頼んでいた朝食は、トーストとオムレツにコーヒー。朝ごはんはトーストかパンケーキからの選択です。
グレイルとのトレッキングは、昨日一緒に遊んでいた犬のメジャーも一緒。すっかりグレイルに懐いて、毎回ついてくるのだそうです。これはうれしい。山登り用の杖を貸してもらって、出発です!
最初はいったん、棚田の底まで降りていき、それから反対側の山のてっぺんまで登るルート。この日目指すベスト・ビューポイントと説明された場所は、googlemap上はAwa View Deckと記されている所です。道々グレイルが、自生している食べられる植物や、村の話を教えてくれます。
所々にある東屋、ここで収穫したコメの脱穀・精米をするそうです。石臼が現役なんですね。
18歳のグレイルは、今秋から大学に進学し寮生活をスタートするそう。この村で生まれ、育って、初めて外の世界で生活するとのこと。期待も不安もあるようですが、
話していて本当にこの村が好きなのが伝わってきます。
寮費を稼ぐのに、トランジェントハウスでバイトをしていて、大学に入っても毎週末バタッドへ帰ってきてガイドをするそうです。
下まで降りきったら、吊り橋の川を渡ります。フィリピンで初めて見る清流!
ここからは、ハードな登りが続きます。急なだけじゃなくて、ツルツルに滑る岩場を登ったり、段差の大きな階段をよじ登ったり、
一歩踏み外すと滑落
という場所も何か所かあります。危ない所はいちいち声をかけてくれますが、気を抜いてなんでもない所で転んだりするんですよね。
帰りに3回こけました。
メジャーに「遅いよ」と言われているようで焦りますが、一歩一歩着実に。
途中に清水でリフレッシュ。この傍にある飲用の湧き水を、暑さにまかせてガブ飲みしたけど、お腹は大丈夫でした。
途中棚田の傍を通過。今時期は収穫後なのでこんな状態です。そして、
3時間かかって、ようやく登頂!
これが、ベスト・ビューポイントからの景色です!!!
iPhoneでは、これが限界ですが、バダットの棚田全景が見下ろせる絶景です。ここまで作るのに1000年以上かかっていると聞きましたが、
よくもこんなに、田んぼを切り開いたなぁと、ただただ関心。
頂上では、グレイルがくれた糯米のケーキをいただきます。
素朴な甘さで、疲れた身体にしみじみ美味しい!
帰りは2時間半で宿へ到着。グレイルから、
もし余裕があったら、午後にもうひとつのルートに行く?そうしたら明日は早い時間に出れるよ?
という提案をいただいたけど、もう体力は限界です。身体がなまっていたのもあるけど、5時間半という時間のわりには、かなりきついトレッキングでした。
普段なら戻ってすぐに、
ビールビール!ビールちょうだい!!!
となるところですが、この時一番欲しかったのはコーラ。
泣くほどうまいです。
キンと冷えた瓶コーラ、完璧です。
午後はテラスでまったりタイム
昼ごはんは軽めにチョップスイという野菜の煮込み料理をオーダー。すると、ひとり旅のフィリピン女子Bさんも同じオーダー。彼女も同じルートをトレッキングしてきて、頂上で会っていたので、これを機会に色々話しました。
フィリピン女子ひとり旅というだけで、かなり珍しい。
と思ったら、彼女は外資系コンサルティングファームに4年勤めて退職。しばらく旅をして回ってその後はできればグリーンピースで働きたいとのこと。
環境問題からヴィーガン(菜食主義の一種)に目覚めたという意識高い女子です。
これまで会ったフィリピン人とは全く違う考え方で、話していて面白い。
夜は鶏のシニガンとライスをいただき、1時間350ペソ(742円)のマッサージ。フィリピン伝統スタイルということだけど、
これが学校周辺やマニラで受けたマッサージと比較にならないほど気持ちよい。
1時間とは思えない程たっぷりほぐしてもらって、早めに就寝しました。
バタッド3日目:村人とのふれ合いが楽しい、ビューポイントと滝巡り。
バタッド3日目の朝。マッサージと良質な睡眠で、気持ちよい目覚めです。前日のトレッキングの疲れも完全回復。
この日はバナナパンケーキとコーヒー。バナナを練り込んだ生地はしっとりして、美味しい。
まずはてっぺんのビューポイントへ!
昨日と同じく、犬のメジャーも一緒。まずは宿から上に登り、もうひとつのビューポイントを目指します。
こういう道を通っていくので、たとえ地図を持っていたとしても自力でいくのはかなり厳しい。実際、同宿のカップルが自力で行ったけど、盛大に道を間違えて大変だったそう。
てっぺんまで登って、暫く尾根を進むとビューポイントへ到着!
ここからの眺めも昨日に負けず劣らず素晴らしい。
棚田に抱えられるようにある、バタッドの村がよく見えます。
間近から棚田が続くので、迫力があります。
ビューポイントを過ぎた所で稲わらを燃やしていました。天然の肥料として使っているそう。機械が入らないからというのもあるでしょうが、
伝統的な農法を続けて、それが品質を評価されて高値で売れる。
もちろん、色々な問題や苦労もあるのでしょうが、聴いている限りでは素晴らしい状況に思えます。
図らずも、檳榔に初挑戦!
近くで農作業をしていたグレイルの知り合いのおばちゃんが
「ビートルナッツ試してみる?」
と分けてくれました。
「噛むと赤くなって、頭が熱くなってくるの」
とグレイル。それってインドやタイ、台湾でよくみる檳榔(びんろう)じゃないの?と思って後で調べたら、やっぱり檳榔でした。しかも、この辺で自製しているものだから、フレッシュそのもの・・・。思い切って口に入れると、
うぇぇぇ、すっごい苦渋い。
口の中は唾液であふれ、普通はそれをピュッと吐き出すのですが、慣れてないから上手くできない。結局酒に酔うような感覚も一切なく、
服を汚しただけに終わりました。
疲れを癒す効果があるというので、農村に普及しているのは珍しくないのかもですが、ふつう檳榔は品のないおっさんがやるイメージ。18歳で檳榔を噛み慣れているグレイル、
街ではやらない方がいいぞ。
グレイルのお父さん登場!
また少し歩いていたら、向こうからおじさんが歩いてきました。
「あ!!!お父さんだ!」
スキップするように駆け寄るグレイル。紹介してもらった後は、お父さんとの撮影大会。わたしも入れてもらってグレイルファミリーとの3ショットです。
上の画像は、撮った写真をお父さんと確認するグレイル。
本当にお父さんが好きなんですね。
というか、一緒に住んで毎日顔併せてるんでしょ?
日本のお父さんが羨む父親ラブです。米農家のお父さんは朴訥で、そんなグレイルをニコニコして見ています。
タッピヤの滝/Tappiya Fallsは想像を超えて素晴らしい。
一度天辺まで登ったので、今度は下へ降りていきます。ぐるりと丘を回って、タッピヤの滝を目指します。
滝に向かう途中の休憩所兼雑貨屋さんは、グレイルの従妹。もう、いたるところに親戚がいるし、
たぶん村人全員知り合いなんじゃないか
と思います。休憩所からはハードな下り。ここを後で登らなきゃならないと考えると萎えるけど、滝はもうすぐそこ。
見えました!タッピヤの滝。
山間のぽっかり開けた所を流れ落ち、そこから渓流が続いています。
滝つぼの近くまでずっと浅いので、靴を抜いで川の中を歩いて行けます。水没が怖くて写真はここまでですが、間近で見る滝は、
水量、音、水煙、U字に切り立った崖の上の真っ青な空。
どれもが絶妙なバランスで、過去に見た滝でも最上位クラス。正直に言うと滝って「行くのは大変だけど見てみるとそれほどでもない」というのも多い印象だけど、
この滝は見にいく価値があります!
シーズンオフで他に誰もいないというのも大きい。素晴らしい滝をひとり占めして大満足です。ちなみにここでは、水着を持ってくれば泳いでもいいそう。こんなに気持ち良い所なら、持ってくればよかったです。
ロープレみたいなバタッド村探索。
休憩所までのハードな登りを超えたら、あとはもうシンドイ行程はありません。ビューポイントから見た、棚田に囲まれたバタッドの村を通って帰ります。バタッドはどこもそうですが、
普通の生活道路が、もうロープレみたいな世界観。
最初は歩きづらいけど、慣れるとだんだん楽しくなってきます。
でっかい芋虫を見つけて
「きゃー、これ大っきい!持って帰ろ」
と嬉しそうにしているグレイルさん、もう18歳ですよね。まんま小学生じゃないですか。
家の脇にある道を降りていくと、
収穫した米を天日干ししている農家さん。その脇では、
もち米を炒っているおじさん。この方もグレイルの親戚だそうです。
しばらく置いて熱を冷ましたら、酵母入りの水に漬けて発酵させる。
そう、ライスワインを作っている所でした。
最後の階段を上り終えたら、ちょうど12時に宿に到着。途中寄り道したり、ゆっくりしたりで5時間の行程。体力的には、昨日のAwa View Deckより遥かに楽でした。
お昼ご飯にフライドチキンとライス、それとビールをもらって、トランジェントハウスでの滞在も終了。精算してバタッドを離れなければなりません。ここで前回書いた問題が再燃します。
そう、現金が足りない!
という所で次回につづきます。
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