ポカラは町中からでも、チラチラとヒマラヤ山脈を見ることができますが、ちょっとだけ足をのばすとかなりの絶景に出会えます。泊まりがけのトレッキングはちょっと不安という人でも、気軽に行ける人気スポットは2箇所。ペワ湖の対岸にある日本山妙法寺と、今回ご紹介するサランコット/Sarangkot がありますが、
景色だけならサランコットが圧勝!
タクシーで山頂付近まで行けるので、体力的にも楽なのです。朝日を見るために早朝にタクシーで向かい、山頂でゆっくり過ごすために帰りは歩きで降ってきました。思ったよりかなりハードな降り道だったけれど、
そのおかげで気が済むまで山々を眺め、美味しいチベタン・ブレッドの朝ごはんを食べることができました!
※1ネパールルピー=0.97円。ほぼ日本円と同額なので、ネパール篇では個別の日本円換算は記載しないこととします。またネパール篇で単にルピーと記載したものは、ネパールルピーのことだとご理解ください。
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朝5時半、予約しておいたタクシーでサランコットに出発。
1月 28日(火)早朝5時半、まだ眠い目をこすり、宿の女将さんにお願いしていた迎えのタクシーに乗ってサランコットへ出発。前日に女将さんに相談したところ、
タクシーは行きだけにしておいた方がいいわ。往復にして待たせておくとゆっくりできないし、山の上でご飯食べたいでしょ。
帰りは歩いてもいいし、多分タクシーもつかまると言うので、行きだけでお願いしました。片道1200ルピー、もし往復で頼んだら2000ルピーだそうです。
地図上の直線距離は5kmも無いくらいだけど、ぐるりと迂回するので約11km。途中から急カーブの山道に変わります。
30分弱で登り口に到着。ドライバーのおじさんから、
もう少し上まで行けるけど、追加料金が必要なんだ。どうする?
記憶があやふやだけど、たしか300ルピー位。少しモヤッとする話ですが、車中で話したおじさんの人柄はよく、強く出て交渉する気にはなれません。地図アプリを見たら山頂までそれほど遠く無いので、ここから歩くことにしました。
その前に、まだ暗いなか営業を始めている露店カフェでコーヒーを1杯。ドライバーのおじさんと、その友達らしい店のおばちゃんと、たわいも無い話をしながら完全に目が覚めた所で、よしそろそろ行くか。
おじさんに教わった階段から登り始めたのですが、ふとGoogle maps を確認すると、
あれ、今歩いてる道が載ってない。
やはりネパールでは、Google maps はイマイチです。もうひとつの地図アプリ、maps. me を開いてみると、
今歩いているルートがちゃんと表示されます。観光客が多く訪れるサランコットですが、意外と道が分かりづらいので、maps. me は事前にダウンロードしておいた方が良さそうです。
まあまあ急な坂を25分、このゲートが車で来れる一番高い場所のようです。普通はここまでタクシーで来るんでしょうね...。ここから山頂までは、10分ほど。
まだ暗く、外灯がキラキラ瞬く町の向こうに、うっすら明るみ始めたヒマラヤが見えてきました。
山頂の展望台で、迫力のヒマラヤ山脈と朝日鑑賞。
山頂の展望スペースでは、入口で入場料 60ルピーを払います。
チケットは再入場するときに必要なので、一応とっておきましょう。
入ってすぐの広場からさらに高い展望台、サランコット・ビュータワーへ。階段を上がるとぐるりと視界が開け、谷を挟んでヒマラヤ山脈が迫ってきます。
うおお!ナガルコットより断然近い!
ナガルコットでは天上世界のように見えたヒマラヤですが、今は実物の存在を感じられる近さ。徐々に明るさを増す山に見惚れ、東へ首を回すと、
雲海越しに昇りはじめた朝日。
息を呑む幻想的な風景です。
手前の丘に集落が見えますが、あそこに住む人たちは毎朝こんな景色を見ているのですね。すっごいな。
思わず犬も見惚れてしまいますね。
相変わらず山の名前が全然分からないのですが、ちょうど居合わせた日本人男性2人組のお一人がかなり詳しく、声をかけて教えてもらいました。アンナプルナ南峰をはじめ、Ⅰ〜Ⅳ峰、ダウラギリなどが見えていますが、
ここから見える山で最強にカッコいいのは、三角に尖ったマチャプチャレ。
6993mと8000m峰ではありませんが、神聖な山として崇敬されていて登るのを禁じられているため、未だに未踏峰なのだとか。なるほど、見るからに神様がいそうですからね。
ところで山頂に数匹いる犬のうち、この子は要注意です。最初は大人しくて人懐っこいのですが、ナガルコットの宿犬と同じで、
かまってもらうと嬉しくて興奮し、噛み癖が止まらなくなるヒトです。離してくれなくなったので、逆に落ち着くまでぎゅーっとして事なきを得ましたが、狂犬病を持ってたらとちょっと怖かったです。かまわないのが一番だけど、つい触っちゃうんですよね...。
他の人が帰るのを横目に、じっくり景色を楽しんで1時間半。そろそろお腹が空いてきたので、朝ごはんを食べに行きましょう。
山頂目の前の絶景レストラン、ヒルトップ・レストラン&ゲストハウス/Hill Top Restaurant & Guesthouse。
山頂の展望スペースを一旦出ると、すぐ先にレストランがありました。ここから登り口の間には、何軒もレストランやゲストハウスがあって、食事には困りません。
眺めも良さそうだし、値段も高くないので、ここで朝ごはんを食べることにしましょう。シンプル・ブレックファースト 350ルピーが良いけど、チベタン・ブレッドというのも気になる。相談してみると、追加150ルピーでチベタン・ブレッドに変更してくれるというので、お願いしました。
まずはセットのコーヒー。ヒマラヤ山脈と反対側だけど、こっちも素晴らしい眺望です。
ふふふ、どうだ。
何が「どうだ」かわかりませんが、自然とにやけてしまう最高のシチュエーションです。せっかくサランコットまで来たなら、トンボ帰りは勿体ないですよ。
程なく料理も届きました。トロリと半熟の目玉焼きにジャガイモ料理。メニューにはハッシュ・ブラウン・ポテトと書いてありましたが、これはダルバートに良く乗っているネパール料理ですね。
チベタン・ブレッドというのは全くの初見ですが、小麦粉の生地を揚げて作るパン。もっと丸くて厚いものが一般的なようですが、ここのはかなり平べったい。
これがかなり美味しくて、
周りはサクッとした食感で、噛むとふわりと粉が香り、やさしい甘さがあります。
ジャガイモ料理やバターなど塩気のあるものにも合うし、シャムなどの甘いものにもぴったり。「暫く毎日これでいい」と思うくらいです。素晴らしい景色と美味しい朝ごはん、それだけで最高の組み合わせですが、もう一つ良いことがあって、
朝日から時間が経つと、ヒマラヤ山脈が一層クッキリ見えるのです!
上の写真は朝9時少し前。朝食後に展望台に戻って撮ったものです。朝靄が落ち着きクリアになったマチャプチャレを見るためにも、朝ごはんを食べてゆっくり過ごすのはオススメです。
行きはヨイヨイ帰りはコワイ。楽しいけどハードなサランコット下山。
レストランでトイレを借りて、そろそろ下山開始です。土産物などが並ぶ道を下り、
車が来れる一番上のポイントへ戻ります。この時は1台だけタクシーがいましたが、
地図アプリを見ると、充分歩いて降りられそう。
maps. me の経路検索だとホテルのある町中まで6.3km約2時間の歩き。山道はその内の半分なので、3km下ればいいだけ。タクシーをスルーして、歩行者用の細道に踏み入ったのでした。
車で11kmの道を、歩きのルートでは6kmなのですから、勾配が急なのは予想できたはずですが、山歩きの素人はそんなこと考えもしません。
集落を通り抜け、生活感のある雰囲気や、
見晴らしの良い景色を楽しみ、気分は上々。
振り向けばヒマラヤ山脈がどーん。
山肌に刻まれた階段の先にはペワ湖が望め、
視界の下や上をピーヒョロロ〜と滑空するのはトンビでしょうか。
集落を縫うように繋ぐ細道は、所々地図に無い道と交差して迷いそうになるのですが、
まるでファンタジー系ロールプレイングゲームのように、
そのたびに村人が現れて道を教えてくれます。
途中で車道と交差する場所には展望台があって、
たまたま来ていた子供たちと記念撮影。
いや〜歩きを選んで大正解!
などと悦に入っていられたのは、ここまで。
この写真の向こうに見えている林から、
手加減なし、地獄の急下りが続きます。
早々に悲鳴を上げるヒザと爪先。素人なりに縄文杉トレッキングなどで教わった、足の負担を和らげるテクを駆使しながら、約1時間。
湖畔の平地に辿り着いた時には、ガクガクになっていました。
ペワ湖を見ながら暫し、下り坂の恐ろしさを噛みしめたのでした。
降りる時には誰もいなかった、サランコット山頂近くのパラグライダー場。降りて山を振り返ると、気持ちよさそうに飛んでいました。湖畔までインストラクターが一緒に飛んでくれる初心者向けコースもあるので、パラグライダーで帰ってくるのも楽しそうです。
次回予告
次回は再び美味しいものの話。ポカラで一番美味しいとも言われるダルバートの名店で、実際すごく美味しくてリピートした店「マイリ・バンチャ・ガール」をご紹介します!
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