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毎日食べられそう!ポカラで一番好きなダルバート『マイリ・バンチャ・ガール』

投稿日:2020-03-09 更新日:

ポカラのローカル店やトレッキングで訪れた山間の集落のダルバート。前々回にご紹介した有名店、ポカラ・タカリ・キッチン(詳しくはこちら)のものも含めて、

ポカラ近辺で一番好きだったのが今回ご紹介するマイリ・バンチャ・ガール/Maili Banchha Ghar です。

ポカラで美味しい店を調べると必ず出てくる有名店で、食べるの大好きなローカルに聞いても「ここが一番」というダルバートは、確かに評判に違わぬ美味しさ。色々な店で食べる為になるべくリピートはしない方針なのですが、誘惑から逃れられずリピートしてしまったお店です。

※1ネパールルピー=0.97円。ほぼ日本円と同額なので、ネパール篇では個別の日本円換算は記載しないこととします。またネパール篇で単にルピーと記載したものは、ネパールルピーのことだとご理解ください。


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ローカル店だけど入り易い一軒家レストラン。

お店の場所は、レイクサイド・エリアの中とはいえ、少し奥に入ったローカルな雰囲気(地図は最後に貼っています)。写真の通り綺麗な建物で、

店内もすごく清潔で落ち着いた雰囲気の一軒家レストランなのですが、

中身は良い意味でかなりローカル店寄りです。

店内に入ってもスタッフさんは料理の提供や、おかわりサービスに忙しく、入口で遠慮して待っていてもなかなか案内してくれません。それよりも、ドアを入ると右手にあるカウンターに行って、先に注文しちゃった方が確実です。メニュー表など無いようで、品揃えを聞くとにこやかに教えてくれるのですが、あるのは、

ベジ、チキン、マトン、以上。

基本となるシンプルな野菜のダルバート(ベジ)が250ルピーなので、お値段もローカル店の範囲です。それにチキン(380ルピー)やマトン(400ルピー)を頼むと、お肉のカレーが1品追加される設定です。今回はチキン・ダルバートをオーダーして空いている席へ。注文したカウンターからは座った場所は見えていない筈なのですが、適当に座っていてもちゃんと見つけて料理を持ってきてくれました。観光客が少ないシーズンだというのもあるのでしょうが、店内に外国人はわたしだけ。ローカルに愛されている店だなあと感じました。

酸味と苦味をダルがやさしく受けとめる、絶品のダルバート!

これがチキン・ダルバート380ルピー。お皿に直接盛られているのは左から、

  • タルカリ・・・ジャガイモとインゲンのカレー。
  • サーグ・・・芥子菜を少量のスパイスと炒めたもの。
  • グンドゥルック・・・青菜を水のみで発酵させて乾燥したもの。戻して調理する。
  • アチャール2種、生野菜、パパド。

菜の花や小松菜に似た芥子菜のサーグはほろ苦く、いつものようにご飯が進みます。アチャールはゴーヤっぽい野菜の漬物と、スパイスの効いたペースト。グンドゥルック同様、発酵が効いた深みのある酸味です。この店ではタルカリまでがやや酸味を帯びていて、個別に食べると酸っぱさが際立つ印象。

ところがこれをダルと一緒にご飯にかけると、印象が一変します。穏やかなのに芯がしっかりしたダルのまろ味が、酸味を受け止めて

最適なバランス!

見た目は地味だけど、実は滋味そのものです。(←うまいこと言った)

チキンのカレーはよりコクがあるものの、これも単品としてはやや抑え目な味付け。全てはお米の上で合わせることを考えて味を設計しているようです。ひと口目が美味しくて、食べ進めると段々飽きてくる料理は沢山ありますが、これは全く逆で、

食べるほど、その美味しさに気が付くのです。

まるで和食の世界の出汁の極意のようですね。

チキン以外はお替り自由。呼ばなくても、ガンガン持ってきてくれます。ご飯にタルカリにサーグにダル。アチャールまで追加してもらって、

ほぼ元通り(笑)

つい食べ過ぎてしまうけれど、満腹になっても食べ疲れしない。そういう意味でも、前々回にご紹介したポカラ・タカリ・キッチンとは対極にあるダルバートだと感じます。お皿に乗った最後の1皿、少し甘いヨーグルトで締めて、お店を後にしました。

ぜひ手食にトライしてみましょう。

ちなみにこのお店、言えばスプーンとフォークを出してくれると思いますが、この店は手で食べるのが自然な雰囲気。観光客慣れしているネパールでは黙っていてもシルバー類を持ってきてくれますが、ネパール人は通常ダルバートは手で直接食べるのです。もしポカラに来ていて手食未体験の人がいたら、この店でトライするのが最適かもしれません。手で食べと、食材の手触りや温度まで味わえて、

より幅広く、純粋に食べ物を味わうことができます。

店内を横に出ると手洗い場が完備されているので、食事の前後はそこで手を洗い、お米に料理の味が馴染むように指で押したりかき混ぜたり。長い指に乗せて親指で押し出すように食べるイメージです。横で食べているローカルの上手な指使いを参考にすれば大丈夫。ネパール人でも日本人が箸を使うのと同様に、上品に食べる人もいれば豪快な人もいて面白いです。初めての手食はこの店のように清潔で、味も良い店でするのがお勧めです。

2回目の訪問は、シンプルなベジ・ダルバート。簡素でも物足りなさは全くない!

トレッキングから帰ってきてポカラを離れる前に、どうしてもまた食べたくなって再訪。今度はベジ・ダルバートを注文しました。内容は鶏のカレーが無いだけで、前回と全く一緒です。

野菜だけのシンプルな1皿ですが、

物足りなさは一切ありません。

熱々のご飯にそれぞれキチンと手を加えた野菜料理。素材の味を活かすように、控えめで抑制のきいたスパイス使いが食欲をかきたてます。ダルバートって、タルカリ以外は内容が本当に毎回一緒だし、タルカリの味付けもさほどバリエーションがあるわけでもないのに、

ネパール人はこれを1日2回、毎日食べる。

1日2回はさすがに食べなかったけれど、毎日食べていても確かに飽きないダルバートは、やっぱりすごい料理なのだと改めて思いました。

次回予告

前回、ポカラ近郊の絶景スポット「サランコット」をご紹介しましたが、次回はもう1つの絶景スポット、

日本山妙法寺(ピース・パゴダ)です。

ペワ湖(フェア湖)をボートで渡り、ちょっとだけキツい登りの先には・・・あれ? 帰りはボート代を節約して、ホテルまで歩いてみました。車でも行けるようですが、せっかくならボートが楽しいピース・パゴダをご紹介します。


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