ギリシャ ヨーロッパ 旅のブログ

トルコからギリシャへ船で!町まるごと遺跡なロードス島。

投稿日:2023-04-20 更新日:

4月12日の水曜日。おおよそ1ヶ月を過ごしたトルコを離れ、ギリシャへ発ちます。一度イスタンブールへ戻って陸路でという手もあるし、その方が一般的なルートだと思うのですが、

海の方が旅心をくすぐるね。

とマルマリスからロードス島へ船で渡るルートを選びました。ただ、直前になって調べてみると、ロードス島から先、アテネへの船旅がかなり厳しい。安い船は毎日出てないし、時間も相当かかります。クレタ島、サントリーニ島と渡っていくプランも詰めていくと、

夜中の発着とか相当にハード。

その割には安い船でも料金は結構かかるんですよね。エーゲ海の島を何個か観てるとなかなか先に進まないし、ここはロードス島からは飛行機で一気にアテネ。という中途半端な旅心ルートに決定して、その分ロードス島をしっかり楽しむことにしました。

※文中のレート換算はアテネで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1€(ユーロ)=147円で記載しています。


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マルマリスからロードス島への船の旅。

マルマリスからロードス島への船はたぶん9:15発の1日1便。国境を越えるとはいえ目と鼻の先にあるので、乗ってる時間はたったの1時間です。事前にこちらのサイトでチケットは購入済み。乗る場所はGoogleマップだと分かりづらいのですが、メールで詳細な情報が送られてきました。

1時間前には港に着いて30分前にはチェックインを済ませるようにと書かれていましたが、迷うといけません。念の為早めに着いておきましょうねと、朝まだ早い7時過ぎ、ホテルをチェックアウトして港まで歩きます。

このゲートでまずチェックを受けるのですが、言われた通りパスポートを渡すと警備員のオジサンが番号を書き写しています。

紙ナプキンに!

大丈夫ですかオジサンと心配になりますが、この先の左にあるチケットオフィスでチェックインするよう言われ、まぁ先に進みましょう。

↓この辺が最初のチェックポイントです。

まだ7:40でさすがに早過ぎたと思ったら、1人先客がいました。ベルギー人のオジサンか、いやもしかしたらオバサマかもしれません。

まだ閉まってるけど8時に開くみたいよ。

親切に教えてくれて、雑談しながら開くのを待ちます。

8時より少し前にドアが開いて、どうぞ〜と迎えられます。予約メールとパスポートを見せるとすぐに紙のチケットを発券してくれました。

それ持って今度はあっちのパスポートコントロールに行ってねと言われ、

あの白い建物ですね。ここもまだ閉まってるので暫し待機。8時少し過ぎた頃にイミグレが開いて、パスポートコントロールでチェックを受けます。何も質問されず、というか挨拶に返事も返してもらえず、

ちょっとツレないじゃないですかトルコさん。

この1ヶ月の情宜は何だったのでしょう。少し寂しい思いをしてトルコ出国を果たした所で待ち構えていたのが

ウサギさん。

トルコではたまに路上で「ウサギ占い」をやってる人がいるのですが、そこから逃げて野生化したんですかね。さすがトルコ、最後に癒しポイントを用意してくれていました。

15分遅れの9時半に出港した船は、そこそこ揺れて長時間乗るのはシンドそうですが、乗船時間はたったの1時間。

曇った窓から海を眺めていたらあっという間です。

無事ロードス島に到着しました。港の建物は窓が沢山ある立派なビルだねぇと思ったそこの貴方、騙されてはいけません。

奥に停泊している豪華客船ですから。

船を降りるとさっそく遺跡感のある建築物が迎えてくれて、お~さすがロードス島と関心します。

船には一番最初に乗ったのですが、そうすると荷物置き場のキャリーケースは一番奥に埋もれ、降りるのは最後。ベルギー人のオジサン(もしくはオバサン)は入国自由なEU圏内なので先に行ってしまい、ジリジリと進む列でひとり待ちます。イミグレではまた質問等一切なくぽんとハンコ押して終わりですが、

こんどはニッコリ笑って挨拶返してくれました。

ロードス島いいとこだ。

※マルマリスからの船はこの辺に着きます。

港と隣接した旧市街は、町がまるごと世界遺産に登録されているロードス島観光の中心。マルマリスからは日帰りで遊びに来れるので、同じ船の乗客は大半がそそくさと旧市街で向かっていきます。

目の前に中世の城壁が広がりソワソワしますがこちらは3泊しますからね、慌てることはありません。まずはホテルにチェックインしましょう。

海に囲まれた島の広く青い空と、城壁の色が良いですね。

海もきれいで言うことなしです。この辺はもう、地中海からエーゲ海に入ったあたりですからね。昭和の時代から地中海、ましてはエーゲ海は

日本人の憧れの海。

まさか独りで来ることになろうとは、子供の頃の昭和のわたしは知るよしも無かったですよ。

さてこちらが今回の宿。アゴダで予約したホテルと名前が違うけど、フロントで聞いてみたらここで良いのだそう。数人のスタッフがにこやか笑顔で迎えてくれました。人当たりが良いだけでなく、何を相談しても対応が早くて優秀。一気に旅行がしやすくなった印象です。

ロードス島ではSIM無しで過ごすので、WIFIが強力なのもありがたい。

十分な広さの個室にシャワー・トイレもちゃんとしているし、

個室にベランダもついていて1泊3170円。余裕で歩けるけど旧市街の外なので割安なんでしょうかね。とてもコスパの良いホテルだと思います。

まるごと世界遺産の旧市街散策。

宿での休憩もそこそこに、さっそくロドスの町の旧市街へと向かってみます。ネットでいくつか見所はチェックしてきたのですが、まずは近い門から入って歩き回ってみましょう。

こちらが宿から近い南側のSaint John's Gate。城壁の外は深い空堀になっていて緑が生い茂り、降りれば堀の中も散策できるようです。

ロードス島の歴史は紀元前16世紀とかまで遡りますが、この城郭は中世のもの。それまでイスラム勢力との戦いで中心的役割を担ってきた聖ヨハネ騎士団(後のロードス騎士団)が、1309年にこの島を占領し、このような中世ヨーロッパ風の都市に作り替えたのだそうです。まあなんというか、

バリバリ武闘派の十字軍ですね。

テンプル騎士団とも並ぶ三大騎士団の一角だったそうで、関係ないですけどさっきから騎士団と打つたびに変換候補が

頑なに氣志團を優先させるのです勘弁してください。

世界遺産の城郭の中に入ったというのに、車もバイクもすいすい走っていきます。良いですね、生活に密着した遺跡。さすが町まるごとは伊達ではありません。

トンネルを抜けるとまた雰囲気が変わったりして、もう見るとこ見るとこ気になります。キョロキョロしてはiPhoneでパシャリ。キョロキョロパシャリのループが止まりません。

こんな景色を見せられたら、そりゃ写真撮りたくなりますよね。

素敵な色です。

にゃー。

旧市街には猫もたくさんいて、大概は観光客なぞ我関せずでツレないのですが、

たまにスリスリしてくれる子も。あー楽しい。

お土産ショップが並ぶ通りで目を引いたのがこちらの器。

渋さと華を兼ね備えてて素敵です。4~5千円だったでしょうか、いい値段だけどこのまま日本に帰るなら買っていましたね。ロードス島で作っているのだそう。

旧市街の全体をざっと歩いたとしたら2時間くらいかかるでしょうか。騎士団長の館とか、メジャースポットに入ってゆっくりしても半日くらい。確かに日帰り観光可能な規模感です。

でも遺跡のあちこちに登ったり降りたりできる場所があって、

高さが変わることで見える景色もまた変わってくるので、楽しくてつい時間を過ごしてしまいます。

適度なプチ探検感が楽しめて、町と一体化しているので通りごとに変化があってまた楽しめる。遺跡自体はあちこちで見てきましたが、間違いなくテンション上がる方の遺跡です。

載せたい写真はまだまだ沢山あるのですが、

文章の方がもたないので、この辺にして次へ行きましょう。

旧市街一番の見どころ、騎士団グランドマスターの宮殿。

町を歩き回って少し疲れましたが、1つくらいは名所に入っておきましょう。おそらく旧市街で一番人気のスポット、ロードス騎士団グランドマスターの宮殿です。

お城で言えばここが本丸ということでしょうか、状態の良い立派な門がお出迎えしてくれます。ここだけ単体だと入場料8€(1176円)ですが、他3つの施設に入れる混合チケットが10€(1470円)だというので、そちらを買いましょう。

門をくぐると広い中庭を四角く建物が取り囲んでいます。

押しの強そうなオジサンの像。

階段で2階の回廊をひとしきり観て、一旦下に戻ります。

入り口の脇から登っていく階段。ここが正規の順路のようです。

階段の脇には教会なのでしょうか、十字架の置かれた部屋があります。

2階に上がるとこんな感じの部屋が連なっていて、博物館のように当時のものが展示されています。

少し和物にも通じるような器とか、

奴隷を繋ぐ鎖とか。現代の感覚で考えてもしょうがないですが、信仰を基にして立った騎士団が、それも最初は病院経営とかしてホスピタル騎士団と呼ばれていた人たちが、信仰のために戦争して、奴隷を使って、一時は海賊までやってたそうですからね。多神教世界の側から見たら、

ほんと一神教ってやつは…。

とつい考えてしまいます。

展示コーナーが終わると次のメインは床のタイル。中々シブいテーマですが、これはメデューサ。さすが目力がありますね。

それにしてもヨハネ騎士団がロードス島に来た頃はもう十字軍は壊滅状態で、東ローマ帝国から奪う形でこの島を占領したのですが、流れ的には落ち目のはずなのに随分豪勢ですよね。wikiによると占領から3年後、テンプル騎士団の資産が没収されてロードス島に流れたそうなので、この宮殿もテンプル資金で造られたのでしょうか。半端知識の想像ですが、

うーん生々しい。

旧市街の町を歩いてるだけだと「楽しいね〜」で済みますが、十字軍の歴史や、引いては現在にも繋がるキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の確執を考えると、急に重たくなってきます。

むむむむ、と難しい顔をして歩いてると「ヘーイどこから来たんだ?」と陽気に話しかけてくるレストランのおっちゃん。「そうか日本か…うちの料理はな〜」

おっちゃん日本ネタは持ち合わないようで。

よし、じゃあ気分転換にビールでも飲みますか!せっかくギリシャに来たんだし、

ラマザン(断食月)脱出記念の昼ビールです。

ロードス島のビールMAGNUS。発泡酒のように軽いけど、島の陽光に映えて綺麗。

陽のあるうちのビールはやはり最高です。

人生初のギリシャ料理をいただきます!

朝は買い置きのクッキーをつまみ、昼は抜いてビールのみ。ここまで我慢したのは人生初となるギリシャ料理を中途半端な観光レストランで食べたくなかったからです。

ホテルの人に「初めてギリシャ料理を食べるんだ。ベストな店を教えて」と聞いてきた4Rodies というお店。口コミ評価も相当ハイポイントです。

店に入るとダンディなオジ様がにこやかに迎えてくれました。渡されたメニューをひとしきり見ての感想は、

うん、やっぱ高いな(涙)

いやこの店がじゃないんです。町歩き中にチェックした値段もこれくらいかもっと高い。

物価がトルコより高いのは仕方ないんです。それはある程度納得できるんですよ。わたしが言いたいのは、

なぜ蛸がひと際高いのかって事です。

ギリシャに入ったら蛸が食える!蛸食い放題じゃー!!と荒ぶっていた落とし前を、どうつけるおつもりか。蛸1皿で14€(2058円)ですよ一旦退きますか?いいや、今は退いてはいけない時。行くのです!

突っ込め突撃ー!!

ハァハァ…注文するだけで真剣勝負です。

最初にきたのは伝統的ななロドスのピタという薄焼きパン。焼きたてホカホカです。ビーツとヨーグルトのディップを付けると、これだけで食べきってしまいそうにおいしい。

しかしトルコじゃパンは無料だったので、有料で頼むだけで少し損した気分になりますね。さてさて、来ましたよ。向こうから運んできてるのは蛸のお皿に違いない。

いざ、2000円オーバーの蛸!

うん美しい。シンプルでいて繊細な盛り付け。文句などつけたくはないのですが、

ちょいと上品すぎやしませんか(泣)

正直に言うと量が足りないということです。こちとら食べ放題も辞さずで来てるんです。100%言い掛かりですねすいません。でも上の写真に写ってるドングリ型のは蛸の頭に見えるでしょ。アレはオリーブですからね、

あまりに見事な保護色(号泣)

とまれ味の方はですね、酸味がキリリと主役を張ってとても美味しい。オレガノとニンニクは穏やかに控える感じで、蛸の旨味を活かす塩梅。日本とはまた違う、ワインに合う味の組み立てですね。

もう1品はギリシャ料理の代表選手ムサカ/Mousaka です。ギリシャ流グラタンといった趣の料理で、野菜がメインなのが特徴的。これは茄子を主役にジャガイモも入ってますね。

ミートソースと野菜を敷いて、上からたっぷりのホワイトソースとチーズで蓋。ホワイトソースはマッシュポテトに替わることもあるそうです。見るからに重そうな料理だけど、

食べ味はそこまで重くありません。

料理人の腕なのかギリシャ料理の特徴なのか、翌日別の店で食べて前者なのは確定したのですが、この店の料理は本当にバランスが整っていて秀逸。初ギリシャ料理でここに来れたのはラッキーだったと思います。

食後に自家製リキュールと、柘榴入りチョコのサービスも。お会計はメニュー価格そのままの32€(4704円)。内容を考えると納得できる料金です。でも毎食このペースだと早晩破産しますよ。

大丈夫かギリシャ旅。

少し不安になってきたのでした。

食事を終えてもまだ薄明るい20時ちょっと前。ホテルに戻る前にスーパーへ寄っていきましょう。明日は朝から原チャリをレンタルして島を走るのです。結構タイトなので朝昼とも食べる時間がないかもと、行動食を買っておくことに。

その土地のスーパーを見るのは旅の楽しみですが、

いつもなら主役の野菜コーナーや、

精肉、チーズ売り場は今日は脇役。

今日の主役はこっちです。とりあえず行動食になりそうなクラッカーと、

この不味そうな菓子パン(失礼)も買っておきますか。

ややや、これはイケナイものを見てしまいました。こっそり1個だけ買っておきましょう。

そういえば、ギリシャが属する正教会は、カトリックやプロテスタントとは少しカレンダーが違うそう。キリスト教徒にとっての一大イベントであるイースター(復活祭)が間近なんですよね。

金や赤い卵もイースター用。

ぶつけ合って割れない方が勝ちだとネットに書いてましたけど、本当にやるんですかね…。今いちピンとこないなぁと考えていたら、

ぎゅ、牛乳がある!

トルコはヨーグルトは大量に食べるのに、牛乳は常温パックのしか見当たらなかったんですよ。うん、牛乳はやはりフレッシュな冷蔵のじゃないとですよね。

さて、次回はロードス島2日目。書いた通り原チャリを借りてのほぼ島1周ツーリングです。見所は町中の旧市街に集中してるのかと思いきや、

想像を超えた絶景に次ぐ絶景!

海あり山あり遺跡ありのロードス島郊外編です。


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