アメリカ合衆国 南北アメリカ 旅のブログ

メイカーズマーク蒸留所と、バーズタウンの絶品バーガー。

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ケンタッキー州北部の中心都市ルイビルに到着し、一夜明けた2023年9月12日(火)。この日は朝ごはんにルイビルの町でチキンを食べて、メイカーズマーク蒸留所の見学へ。さらに蒸留所の近くにある “バーボンの町” バーズタウンで絶品グルメバーガー。充実した1日となりましたが、なんといっても、

メイカーズマークはやはり凄かった!

銘醸地を代表する蒸留所だけあってとても美しく、見学ツアーも見応えのあるものでした。

※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)


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ホットチキンで朝ごはん。

10時半の開店に合わせてやって来たのは、Joella's Hot Chicken というお店。

前回書いたHattie B’s のホットチキンが素晴らしく美味しかったので、同じく評判が高いこちらも試してみようと考えたのです。

店内に入ってみると、やはりここもカウンターで注文をするセルフ式。

メニューはこの通り。サイドだけじゃなく、辛さやソースも選べて少しややこしい。少し離れて読み込んでから、カウンターへ進みます。注文したのはJumbo Thigh =大きなモモ肉1ピース。サイドは1品だけ付くそうなのでグリーンビーンズを選び、パーム・ガーリック・フライズを追加します。飲み物にファウンテンドリンクも頼み、「ソースはどれにする?」と訊かれたのでJo Jo Sauce を選びました。お会計トータル15.67$(2239円)を支払います。

番号札とカップを受け取り、ドリンクバーで飲み物を注いで空いている席へ。番号札を見て料理は席まで持ってきてくれます。

1Thigh にしたので1ピースかもと思ったら、そこそこ大ぶりなチキンが2つ。モモ1本分を2つにカットしてあるということでしょうか。食パンに似たパンに乗って、飾らないプレゼンテーションがアメリカらしいです。

ニンニク風味のポテトはとても美味しく、手が止まらない系。グリーンビーンズもシンプルながら悪くないですが、さて肝心のチキンはどうでしょう。

ガブリといくと、中のお肉はとても柔らか。昨日食べたのよりジューシーではないけれど、これはこれでおいしい。

衣ばザクっとして存在感があり、スパイスの効いたはっきりした味です。評判良いだけあって確かに中々においしいですが、

やはり昨日のHattie B’s が美味しすぎましたね。

好みにもよるとは思いますが、こちらの方がややジャンキー寄り。肉にジューシィさが無いのでパンと合わせると水分を持ってかれる感じで、そこをソースで補うのですね。選んだJo Jo Sauce は主張が強すぎて、チキンとのバランスはいまいちに感じました。ソースによって、印象がかなり変わるのかもしれません。

メイカーズマーク蒸留所のBehind the Bourbon Tour!

お店を出て次の目的地はメイカーズマーク蒸留所/Maker’s Mark Distillery。言わずと知れた、最も有名なバーボンの一つですね。

ルイビルの町にあるホットチキンのお店から、蒸留所までは約60マイル(97kmくらい)。

途中からは両脇に芝生の広がる閑静な住宅街を通っていきます。まさにケンタッキー州歌にして、ケンタッキーフライドチキンのCMソングでお馴染みの『My Old Kentucky Home』という曲を連想します。

あれ、皆さん知ってますよね⁉︎

そういや最近はCMで聞かない気もします。

受付ロビーからアートの匂いがするぞ

さて、順調に車を走らせ駐車場に車を停めて、正面に見えるビジターセンターっぽい建物に向かいます。

メイカーズマークの蒸留所見学はバリエーション豊富で、一通りの見学と試飲がついた基本的なものが26$(3715円)。他にもアートがテーマなものから農場を深掘りするもの等、ラインナップが多彩です(詳細・予約はこちらの同社HP参照)。今回わたしが予約したのは、65$(税が入って68.9$=9846円)のBehind the Bourbon Tour。基本ツアーでは行けない場所にも入り込んで、より詳しくメイカーズマークのバーボン造りを学ぼうというものです。

基本ツアーより随分高いけど奮発しました!

メイカーズマークはバーボン蒸留所の中でも見所が多い蔵ですからね、こちらも気合いが入るというものです。

予約した旨を伝えるとすぐにチケットを発券してくれて、時間までロビーや庭を見て時間を潰します。

あらあら綺麗なお花。

美しいボトルです。

もう酒瓶とは思えませんね。

あちこちアーティスティックで、メイカーズマークのセンスの良さを感じるのです。

バーコーナーなんかもあって、運転がなければ1杯飲みながら待つこともできるのですね。羨ましい•••。

美しきメイカーズマーク蒸留所

さて時間になったので受付に戻り、いよいよツアーが始まります。

出がけにカウンターで「はいどうぞ」とスタンダードなメイカーズマークを1杯渡されます。あまりにナチュラルな流れで受け取ってしまったけれど、車で来てるから飲んじゃまずいですよね。

舐めるだけ。舐めるだけですから〜。

舐めた後のバーボンがどこかへ消えてしまったのは、いわゆる蒸留所マジックというやつです。

ガイドさんについて歩き製造施設へと向かうのですが、敷地内の景色はそれはそれは美しく。後で撮ったのも含めて、ここでまとめて写真を載せておきましょう。

なんといっても敷地の大部分がよく手入れされた芝生。芝の明るい緑と、樹木の濃い緑のグラデーションが素敵なのです。

時々小川が流れていて、とても爽やか。そして建っている建物の多くは木造黒壁で、赤窓枠が映えています。

そう、メイカーズマークといえば、

とても有名なのがこの、赤い窓枠の建物!

赤い蝋で封をしたボトルと共に、赤はメイカーズマークを象徴する色なのですね。

そして窓枠に空いている穴の部分は、ボトルの形にくり抜いてあるのです。はう•••素敵。

積年の思いが募って若干取り乱し気味ですが、敷地内には動物の姿もちらほら。トウモロコシ畑でヤギを飼っていたり、

野生のリスはあちこち駆け回っていて、

空には鷹でしょうかね。受付ロビーには熊などの絵も飾ってあったし、メイカーズマークは動物好きの気配がして心和みます。

製造現場をバンバン見せてくれます

美しき敷地を散策がてら、やってきたのは製造施設。

ちょっと高価なツアーだけあって、通常ツアーでは入れない場所もバンバン見せてくれるそうだから楽しみですね。

建物に入るといきなり現れるのが、とても大きな木桶です。蓋もなくて目の前で、醪がフツフツと発酵して香りがブワッと立ち上ってきます。

こんな昔ながらのやり方なのか!

ステンレスタンクじゃなく木桶を使い、蓋もせずに開放発酵。当然リスクは高まる筈で、そこに見学者を入れてくれるというのも驚きです。

空の木桶もありました。中はこんな感じ。

木桶でアルコール発酵をした後は、蒸溜器にかけてアルコール度数を高めます。釜の上のガラスで覆われた場所から、蒸溜されたバーボンの原液が溢れ出てるのが見えます。

この透明な原液、つまり熟成前のバーボンも試飲させてくれました。ロウワイン、もしくはホワイトドッグと呼ばれるこれを飲むと、メイカーズマークの特徴が実感できるのですね。

通常バーボンはトウモロコシを主体に小麦や麦芽、そしてライ麦を混ぜて使うのですが、メイカーズマークではライ麦を用いない。ライ麦を使うとスパイシーなニュアンスが加わり、それがバーボンらしい風味を与えたりするのですが、同時に荒々しさも加わるのです。「スイート&スムーズ」が信条のメイカーズマークでは、だからライ麦は必要ないのだそう。実際ロウワインを飲んでみると、トウモロコシらしい柔らかな甘さがとても豊か。熟成前でアルコールの角が取れてない筈なのに、

飲みやすい滑らかさはちょっと驚き!

さすが高額ツアーだけあって、それ以外にも様々な製法のこだわりを聞けてホクホクです。

次に立ち寄ったラベリング室では未使用のラベルを貰い、

今度はバーボンを樽熟成しているウェアハウスへ。上下で温度に差があるので、定期的に入れ替えをしているのだそう。

ここで「じゃあちょっと飲んでみる?」と樽の中から熟成中のバーボンを抜き出してくれました。

まさに、Straight from the barrel !

せっかく熟成蔵で直汲みの酒を渡されたのですから、味見しないなんてありえない!という訳で再びの、

乗せるだけ、舌に乗せるだけですから•••。

戦法を発動します。2017年と樽に書いてあるので6物。バーボンとしては充分な熟成年数ですが、それを考慮してもとてもスムースな飲み口です。製品化する際には水を加えてアルコール度数を下げるのですが、これはその前の樽出し原酒。特有の心地良い浮遊感があって、かなり好きな味でした。

その次は樽作りの説明。新樽を用いるバーボンでは、樽の内面を焦がすのが一般的で、メイカーズマークではその焦がし具合のこだわりも相当な物。内面を焦がすだけじゃなく、焦がした板材(インナーステイプという)を沈める方法を採用しています。

メイカーズマーク46というブランドがあるのですが、この46という数字は何十種類も試した板材の、採用された規格の発注番号だそう。その46も、ここで試飲させてくれるんですね。

先ほどとはまた別の、石灰岩の壁が剥き出しのセラーも見せてもらい、出来上がった樽にロウワインを充填する所も見学します。

更には熟成が終わったバーボンの瓶詰め工程。瓶詰めが済んだら、いよいよメイカーズマークマークの代名詞。赤い封蝋を手作業で行う、伝統の場面が待っているのです。

手作業の封蝋は和やかに

メイカーズマークといえば、真っ先に思い浮かべるのが、ボトルキャップの上から封をしている赤い蝋。色や質感のバランス等、デザイン的に優れているだけでなく、1本1本異なる蝋の形が、大量生産のこの時勢に何ともいえない温もりを感じるのです。

先ほどの自動充填装置から流れてきたボトルは、赤い制服を着たお姉様方に迎えられるのですが、

リズミカルに封蝋作業をしながらも、会話と笑いが絶えず和やかな雰囲気。一応見学スペースとの区切りはあるものの、すぐ近くにゾロゾロ見学者が現れているのに、彼女たちは至って自然体。

同僚の話に笑いながらもヒョイとボトルを手に取って、

引き上げながらクルリと回す。

あっという間に見慣れたこの姿になって、先へと流れていくのでした。うん、やっぱりとても素敵です。

最後の試飲とギフトショップ

「ここが従業員向けのテイスティングルームだよ」と言われて入った部屋には、いくつかの完成品のメイカーズマークと、何十種類ものロウワイン(ホワイトドッグとも。蒸溜したての透明なお酒)がずらり。

その日に蒸溜したロウワインと瓶詰めした完成品の試飲チェックをここで行っているのだそう。複数の担当者がそれぞれ都合の良いタイミングで来て、コメントとサインを残していくんだそうですよ。

最後の建物に入ると、こちらは見学者向けの試飲ルーム。

我々のコースでは、あちこちで試飲をしてきているのでここはスルー。

奥に行くと再びの熟成庫でした。天井が華やかで、ここは見学向けのセラーという印象です。

ここで最後の試飲があって、プライベート・セレクションのトーステッド・マシュマロというのを飲ませてくれました。プライベート・セレクションのシリーズは毎年色々なバリエーションがあるのですが、これはとても甘やかでおいしい。解説も詳しく聞きやすく、製造工程のほぼ全てをしっかり見せてくれて、

約1万円のツアーは大満足の内容!

2時間ほどのコースを終えて、ギフトショップで解散です。

服とか鞄のアパレル系グッズも充実してますが、

ここのギフトショップでは専用のボトルを買うと、蝋付け体験も出来ちゃうんですね。

プライベート・セレクションなど、手に入りづらい銘柄も色々あって後ろ髪を引かれます。

結局何も買わなかったけれど、見学中に試飲で使っていたショットグラスはお土産でいただけました。ちゃんと紙袋に入れてくれて、得した気分で蒸留所を後にしたのでした。

バーボンの首都、バーズタウンの絶品バーガー!

15:30過ぎにギフトショップを出て、小一時間ほど敷地内を散策。舌の上に乗せたバーボンが間違って摂取されていないとも限りませんからね•••。まったり過ごしてから車に戻ります。

この後は時間の決まった予定もありません。ゆっくり車を走らせて、周辺の芝生に囲まれたお家を眺めてみたり、

裏道を走っていると、トウモロコシ畑(たぶん)を見かけたので車を停めて暫し眺めてみたり。

メイカーズマークから25kmほど走ると、人口1万数千人の小さな町バーズタウンBardstown。周辺に多くの蒸留所を抱え、Bourbon Capital を名乗るまさにバーボンの中心とも言える町です。

せっかく近くまで来たのですから、車を停めて少し散策していきましょう。

平日のもうすぐ夕方という時間帯。車は流れているけど町を歩く人は少なくて、しっとり落ち着いた雰囲気があります。

道の両側にはバーボンに関するアンティークショップや酒屋にバー。まさにバーボンの町といった店並びです。

しばらくフラフラと歩き回って、満足したのでご飯を食べて帰りましょう。

入ったのはあらかじめチェックしておいたBardstown Burger というお店。メニューを撮り忘れてしまったのですが、ここは席について注文をするフルサービス形式でした。

ドリンクは「せっかくならアメリカっぽいものを」と、クッキー&クリームのシェイク。ストローを通らない大きさのクッキーに四苦八苦しながらも、きっぱり甘いシェイクで疲れが癒やされます。

この店の注文は基本的に、シングルかダブルのパテ、野菜やピクルス、ソースにチーズをそれぞれ好みで選んでいくという物。自分好みに仕立てることができる反面、味の成否も自己責任というわけで、

ほほう、これは腕がなりますな。

綿密な脳内シュミレーシの末(嘘ですすぐ決まりました)選んだのは、ダブルバーガーのトマト、マスタードソースにペッパージャックチーズ、追加でベーコントッピングという組み合わせ。オニオンリングとドリンクも合わせて19.79$(2828円)でした。

出てきたバーガーをめくるとこのように。うん、なかなか旨そうじゃないですか。期待して食べてみると、

うわっ、予想より遥かに美味しいぞ。

程よく肉々しいパテに、とても柔らかなバンズ。アメリカでは珍しく、繊細さすら感じる味や食感のバランスですし、見た目以上に食べ応えも充分。止まらず一気呵成に食べ切ってしまいましたが、その後ニューヨークの有名店で食べたのにも勝るとも劣らない絶品バーガーなのでした。

翌日は1日休養日に当てて、次回のブログはその次の日。午前中からフォアローゼズの蒸留所見学に参加して、お昼はバーボン郡のジョージタウンへ。ルイビルに戻ると町中の宿にチェックイン。ようやくルイビル中心街に繰り出して、本場のミントジュレップを楽しんだのでした。


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