アメリカをレンタカーで横断するにあたり、心理的ハードルは色々ありました。1人だとバカ高くつくレンタカー代や慣れない左側走行に、全米で統一されてない意味不明な有料道路の支払いシステム。でも一番不安だったのは、やはり交通事故です。
だってアメリカって血も涙もない訴訟社会じゃないですか⁉︎
偏見•••とも言い切れないのが怖いところ。事実よりも主張を通したもん勝ちなのに、こちとら堂々主張できる英語力はありませんからね(切実)
英語で事故処理とか保険申請とか考えるだけで面倒極まり無いし、上手く対処できる自信がありません。なので当然ながら、運転は至極堅実に。注意に注意を重ねてやってきたのですよ。
なのにどうしてこうなった⁉︎
アトランタ最終日に事故に巻き込まれ、それがしつこく尾を引いていく。他人の不幸は蜜の味といいますからね。地味でいやらしいトラブルの連鎖を書いていきますので「フヒヒざまぁ」と笑ってやってくださいませ。
※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)
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こんなの防げるわけないじゃない。
2024年9月19日の水曜日。翌日にはアトランタを発つというのに、コインランドリー以外は外出すらしていない。1食くらいは外メシを食べようと、Googleマップで評判の良いThe Busy Bee というソウルフードの店にやってきました。一度店前の駐車場に入るも空きスペースが見つからず、一旦道路に出て空くのを待とうと道路に向け一時停止してウインカーを出している時です。
ガシャッ
嫌な音と共に車の後部から軽い衝撃が伝わってきました。
おいおい、やめてくれよ•••。後ろを振り向くと臙脂色の車が接触しているじゃないですか。車を降りると向こうも降りてきて、相手は丸くて大柄なヒスパニック系おじさん。「無茶なこと言い出す人だったらいやだなぁ」と思いながらも話をすると、思いのほか穏やかな人でした。でもさすがアメリカ、
身体への気遣いや謝罪の言葉は一切なし。
相手もこちらが「む、むちうちがぁ!」とか、過大請求しないか伺っているのかもしれません。
上の写真の白いのがわたしの車で、右の方が相手の車。スピードは徐行レベルで、お互い怪我とか鞭打ちになるような事故ではありません。事故証明を取るのに警察を呼ぶ必要がありますが、もし彼が保険に入ってないとかで「警察呼ばずに済まそうぜ」なんて言い出すと困るなと考えたのですが、それは杞憂に終わりました。彼が繰り返し言ってきたのはむしろ「警察呼んでくれ」だったのです。うん、いやいいんだけどね。こちとら勝手のわからん旅行者だし、英語も下手だしさ、
あなたが警察呼んでよね∑(゚Д゚)
そう思って何度か言ってみたのですが、がんとして「お前が呼んでくれ」と譲らず。今思うと言葉少なだった彼も、英語が苦手だったのですかね?
傷とへこみはしっかり残ってしまいました
仕方がないので日本での110番にあたる911に電話をします。拙いなりに場所と状況を説明していると、向こうからバイク警官がやってきました。「あ、来たみたいです」と伝え警官と話すと「俺はたまたま通りかかっただけ。車2台とも邪魔にならない場所に移動しなさい」と行って去っていきました。
紛らわしいんじゃ!
再び911に電話して、最初からやり直し。何とか現場確認に来てくれることとなり、事故相手のおっちゃんにもちゃんと待ってるように伝えます。
さて、そうなると急ぎでレンタカー会社にも連絡しないとですよね。今回はQEEQ.COM という会社を経由してHertz の車を借りています。保険はQEEQ のプランに入りつつ、それでカバーできてない一部分だけ、借りる時にHertz で加入するという複雑対応。
※借りた時の保険等の話はこちらの記事を参照ください↓
まあ取り敢えず、いま連絡するのはHertz だろう(QEEQの保険はこちらの負担があると分かってからでもいいだろうと)、Hertz のサイトから顧客サポートの番号を調べて電話してみました。担当が違ったらしいけど転送してくれて、事故の状況を説明。大雑把な話は何とかなるけど、必要書類とか細かい話になるとリスニングがついていきません。文字通り汗をかきながら話していると先方から「良かったら通訳入れましょうか?」と。
おお、素晴らしい神対応!!
少し待つと日本語通訳の人が入り3者通話にしてくれて、その後の流れを説明してくれました。
- 必要書類は警察が発行するポリスレポートと、自分で記入するインシデントレポート(レンタカーの中に備わっていた)
- その2書類を返却時に窓口に提出すること
- 車は走行可能ならそのまま返却日まで乗っていてよい
- 事故に関する請求は現時点では何とも。後日必要なら請求する
ということです。Hertz と話している内に黒エプロンの黒人兄さんがやってきて「おぃーす、どんな状況?」と聞いてきたので店の人がと思ったら、この人が警官でした。免許証やレンタカー書類を求められるまま見せて、それぞれからひと通りの状況を聴取。相手側のヒスパニックおじさんも嘘を言い出す気配はなくて、検分はスムーズに進みました。「ポリスレポートが要るんだけど」と言うと、「BuyCrash.com というサイトに数日後にアップされるから。もし分からなければ俺にメールしたら送ってあげるよ」とメルアド入りの名刺を渡してくれました。
おお、親切。
後日そのサイトは何度やってもエラーになって、結局警官の兄さんにメールで送ってもらいました。
後日手に入れたポリスレポートの2枚目がこちら↑。Vehicle2 がわたしの車ですね。1枚目は個人情報満載なので載せられないですが、原因としてわたしの欄にはNon Operator Contributing Factor、相手側にはImproper Backing と書かれていました。つまり相手側の不適切なバックが原因で、こちらに責はないと確定したわけですね。
良かった〜(大安堵)
もちろんポリスレポートが出る数日の間はヤキモキしたわけですが、修羅の訴訟社会アメリカですからね、事実認定がスムーズにいっただけで不幸中の幸いというものです。
因みにこちら↑がインシデントレポート。黒で塗りつぶしている警察の担当部署・担当者名だけ警官が書いてくれて、残りはポリスレポートやレンタカー契約の書類を見ながら自分で書き込みます。
これもまた面倒くさいんだ(泣)
ともあれポリスの検分も済んで、車旅は継続できることが確定。長い時間駐車場をお借りして迷惑をかけたThe Busy Bee でテイクアウトしてきました。
いつもは値段とか感想をメモっているのですが、この時のメシの記録は一切残っていません。
どんだけ余裕なかったんですか(笑)
たぶん美味しかったと思うけど、この時はまだ過失割合も出ていないし「あーもう、やられたたなあ」とモヤモヤしながら宿で食べたのを覚えています。
Hertz のせいでトラブルは長期化し•••
事故の後もアメリカ横断旅は継続できることとなり、数日後チャールストンの町にいる頃にはポリスレポートも入手。前述の通りこちらに責任は無いという内容だったのでひと安心です。あとはフィラデルフィアでレンタカーを返却する際に、書類を提出すればぜんぶ解決。そう思って旅程の最後を楽しんで、フィラデルフィアに到着したのが9月26日。
ここからまた問題がこじれていくんですね〜(怖)
15:45、Hertz に到着すると窓口には若い女性スタッフが2名。早くも店仕舞いをしたそうなやる気のない雰囲気で、鍵を受け取るのも面倒くさいというのが態度に現れています。そこへこちらが「実は途中で事故にあって」と言った瞬間、
はぁ•••仕事増やすなよ面倒くせぇな
心の声がノイズキャンセリング付きで明瞭に聴こえるほどのあからさまな表情。いやいや、ため息は実際出ちゃってましたからね。Hertz のサポートからポリスレポートとインシデントレポートの2書類を提出するよう言われたと告げると、何やら奥でゴソゴソ話し始めました。察するに事故対応の手順が分からず、相談している感じなんですよね。
結局免許証のコピーを取られインシデントレポートは提出できたのですが、問題はポリスレポート。警官からメールの添付ファイルで貰ったまま、プリントしてこなかったのですね。すると手書きのメルアドを渡されて「ここに後で送っておいて」とのこと。送り先はこの事務所でなく別の場所だそうで、その後の流れについて確認するも「必要なら誰かから連絡いくから」と早く帰れオーラ全開。
つかさ、そんなんここの仕事じゃねーんだよ、早く帰りなよ!
とまたしても心の声が•••(泣)。事故ってるというのに車両の目視確認すらもせず、早々に追い出されたのでした。おいおい、大丈夫かこの人たち。
この状況では喉を通りません(嘘です)
モヤモヤした気分をひきずり、その2日後。知らない番号から電話がかかりとってみると、自動音声で何やらペラペラ話しています。聞き取れた範囲でいうと、「Hertz の代理で未払いが発生している可能性があるので、早急にこの番号に電話するように」という趣旨。事故のことかと思ったけど、代理というのと自動音声なのが若干怪しい。念の為かかってきた電話番号をググってみると、
これはHertz を名乗る詐欺電話です。絶対折り返しちゃ駄目よ!
という被害報告の口コミがたくさん。数年前から被害投稿されていて、いまだにその番号が使われてるってどういうことですか。不可解なことが多いけど、とりあえず折り返すのはやめておきましょう。
どうしたものかと考えていると、言われたアドレスに送っておいたポリスレポートが、今度は送信失敗で戻ってきてしまいました。両方の問題を解決すべく、Hertz のサポートにメールを送るも返信は来ないまま。数日が経ってフィラデルフィアからニューヨークへ移動しても、問題は進展の気配がありません。
1日1回だった詐欺っぽい電話はついに1日2回かかってくるようになり、さらにわたしのメルアド宛にも「未払いがあるよ」的なメールが届きました。しかも添付ファイルにはこちらの個人情報、そして今回のレンタカーの日付や金額、車種等の詳細も書かれています。よく読むと自動音声では不明だった警告の内容は、レンタカーの返却遅延と書いてある。
ここまでくると詐欺じゃないんじゃないか⁉︎
もちろんHertz の情報が流出している可能性もありますが、あのフィラデルフィア事務所のやる気なし姉さんたちが、返却事務をミスっているなんてこともあり得るわけです。それで「警告無視したから遅延金請求確定ね」となったらあまりに馬鹿らしい。Hertz サポートへのメールはその後も無視されているので、覚悟を決めて電話するしかないかと思ったのですが、その時に思い出したのがQEEQ.COM です。
まったく喉を通りません(嘘です)
QEEQ.COM に救われる。
今回わたしはQEEQ を通してHertz のレンタカーを予約したのですね。ならばQEEQ を頼ってもバチは当たらないだろうし、QEEQ はサポート態勢が充実していて24時間対応のオンラインチャットもある(他にもメールと電話でも対応可能)!ニューヨーク滞在の最終日にチャットで相談してみると、
じゃあ、こちらから問い合わせてみますね!
と快く対応してくれました。今回わたしは英語でやりとりしましたが、たぶん日本語も(自動翻訳か日本語スタッフで)対応可能。これは心強い味方ですね。単純に直接予約より安かったから選んだのですが、思わぬところで助けになってくれました。
嘘です、ブルックリンブルワリー行った頃はまだ闇の中です
QEEQ からHertz へ問い合わせしてくれて、返事を待つ間に旅はジャマイカへ。
モンテゴベイに降り立ち、うだる暑さと美しいビーチ。
赤黄緑のラスタカラーとレゲエ音楽に溢れる町。アメリカ東海岸から一転、とても陽気な雰囲気に気が緩みますがまだ油断はできません。
ジャークチキンも喉が、はい嘘です
その後QEEQ と何度かやり取りがあり、最終的に解決したのはジャマイカ4日目の9月7日。返却遅延はなく、ちゃんと期日に返していること。従って追加請求は発生しないこと。事故については今のところこちらが負担するような話は出ていないこと(その後も連絡はないので問題なかったようです)が確認されて、一件落着。
ゴミが散らばるモンテゴベイのダウンタウンも、心なしか美しく感じます。やはり電話で込み入った話ができる程度の英語力がないと、何かの時には大変だと実感した次第の今回の一件。自身への反省もあるにはあるけどQEEQ.COM の頼り甲斐は半端なく、感謝感謝です。そして一方Hertz はというと、
ふざけんなコンチキショー!!!
いま人生で初めてコンチキショーを使いましたけどね、それは置いておいて、考えてみればフィラデルフィアだけじゃない。サンフランシスコの窓口も3時間近く待たされた上に感じ悪かったしなあ。結局事故とはあまり関係ない向こうのミスでこんなに振り回されて、もう二度とHertz は使わないぞと誓った次第です。あ、でも事故当日のサポートのお姉さんは優しかったですね。執行猶予か迷うところです。
次回はアトランタから東に進み、サウスカロライナ州チャールストン。大西洋に臨む歴史ある港湾都市です。道を馬車が走り、風情ある建物に素敵なマーケット。魅力的な観光地の一方で、かつてこの町は奴隷市場の元締めでもあったとか。そんなチャールストンの1日観光と、全米でも有名なロドニー・スコットのBBQ。最後はソウルフード店でカニ飯を食べてきました!
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