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ガンボにエトフェに•••町中で食べるニューオーリンズ名物料理3店!

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8/28〜9/3の6泊を過ごしたニューオーリンズ。前回書いたように元々フランスの植民地であり、その後のスペイン統治時代にもフランス系移民を受け入れたことで、独特の食文化を育んできた土地。なのでニューオーリンズのご当地料理にはかなり期待してやってきたのですが、

その期待値を軽々超えて美味しかった!

今回はそんなニューオーリンズ料理の概要を踏まえつつ、実際に食べた町中3店と名物グルメについて書きたいと思います。

※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)


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ケイジャン料理とクレオール料理。

ニューオーリンズの名物料理について書く前に、触れておかなければならないのが、ケイジャン料理/Cajun cuisine とクレオール料理/Creole cuisine 。どちらもフランス移民の料理文化を軸に、ネイティブ・アメリカンや黒人のアフリカ文化、スペインやドイツ移民など多種多様な食文化が混ざり合って生まれたニューオーリンズ料理の双璧を成すものです。似通った所も多い2つの料理ですが、そのルーツは歴然と異なっていて、それぞれに特徴があります。

ケイジャン料理はカナダ南東部のアカディア地方Acadia(カナダ南東部のノバスコシア地方)から移住して来たフランス移民によるもので、彼らの大部分は自分で畑を耕し漁をする自作農。

従ってケイジャン料理は素朴で味付けの強めな労働者の食文化です。

一方のクレオールは、元々アメリカ南部に入植したり、独立から逃れてハイチから移ってきた富裕層によるもの。その中には黒人との間にできた自由民の有色人種も含まれるそうですが、いずれにせよプランテーションを経営したりしつつ都市で華やかな生活を送っていた裕福な人たちです。

つまりクレオール料理は、お金持ちによる優雅で垢抜けた食文化なのです。

ルーツが異なる2つの料理文化ですが、重なる部分も勿論多い。例えばニューオーリンズでも一番有名な料理ガンボ/Gumbo はケイジャン、クレオール両方の料理文化に組み込まれています。ケイジャンは主にラードを使い小麦粉を焦茶になるまで火入れするのに対し、クレオールではバターを使い風味豊かであっさり目に仕上げる。他民族ミックスによる複雑さに加えて、二層のフランス系移民による多面多層の食文化。それが他に類を見ないニューオーリンズのご当地食を構成しているのです。

滞在中、少し郊外にあるSouthern Food and Beverage Museum、つまり南部料理と飲み物の博物館という所にも行ってみたのですが、ここは少しアテが外れました。

南部各州ごとに展示があるのですが、有名な料理や食材、調味料が表面的に羅列されているだけで、さほど感心できるものではない。でも、南部の食文化をざっくり把握するには良い場所かもしれません。

一方、ニューオーリンズ料理学校/New Orleans School of Cooking という料理教室は、ニューオーリンズの食文化を理解するのにとても良い場所でした。一番安い40$(5716円)のクラスに参加したのですが、これは自分たちで料理しないデモンストレーション方式。先生が解説しながら料理を作るのを、座って見ている形です。

ガンボ↑とジャンバラヤ↓。これにプラリーンというお菓子が加わって、当日作った料理は3品。もちろん作った料理は試食させてくれます(ビール付き!)。

煮込み時間が足りないからかガンボはあっさりしすぎな気もしますが、三位一体/Holy Trinity と呼ばれる玉葱・セロリ・ピーマンの重要性、ルーの作り方やその種類など、ケイジャンとクレオール料理の基礎の基礎が理解できる内容でした。

ハイクオリティな名物料理盛り合わせが嬉しいお店 Coop’s Place。

フレンチ・マーケットの西隣、ディケイター・ストリート/Decatur St. 沿いにあるCoop’s Place は、ニューオーリンズの名物料理を試すにはうってつけの店。

ニューオーリンズの名物料理が種類豊富に揃っており、料理のクオリティもかなりのハイレベルです。

店に入るとテーブル席が並び、その奥にはコの字型のカウンター。グループでも1人でも利用しやすい造りになっています。カウンター席についてまずはビール。パブスト・ブルーリボンという聞いたことないやつを頼んでみましたが、後で調べたらロサンゼルス拠点の大衆ビールだそうです。

なるほど、とても軽くて飲みやすい。

実はここ、ニューオーリンズで最初に訪れた店でして、その理由はニューオーリンズ名物が色々試せる盛り合わせメニューがあるから。Coop’s Taste Plate 18.95$(2708円)がそのメニューです。

最初に別立てで出てきたのが、シーフードガンボ。照明の関係で色が濃く見えますが、メニューによるとこれはクレオール式のガンボだそう。バターで小麦粉を軽めに炒めてルーを作るやつですね。

ひと口掬って食べてみると、とても深い味わいでまろやかだけど、すぐに鮮烈なスパイスが追いかけてくる。

ひと口目から美味すぎてビビりました。

色々な旨みが渾然一体となって、パワフルだけど優しい味なのです。

具材は海老と米。ニューオーリンズ料理で三位一体と称される玉葱・セロリ・ピーマンの他に、おそらくオクラも入ってる気がしますが、目では確認できませんでした。

ガンボに加えて、メインのお皿には名物料理が4種盛り。上の写真手前左側は、レッドビーンズ&ライス。元はクレオール料理ですが、これはご馳走ではなく広く南部の人に根付いているコンフォート・フードです。日曜のご馳走を楽しんだ翌月曜日。1週間分の洗濯をしながら、前日の余り物の豚肉などとレッドキドニービーンズをストーブでコトコトと煮る。それをご飯にかけたり、もしくは米も一緒に煮たりして食べるのですね。

仄かな苦味がとても大人で、奥行きのある味わい。

右側に丸く盛られているのはジャンバラヤ。ジャンバラヤもケイジャンとクレオールそれぞれのバージョンがあるようですが、この店のは兎肉とソーセージの入ったクレオール流。煮崩れ寸前まで米がクタクタになっていますが、甘さ辛さに豊富な旨味。そこに綺麗な酸味が加わってとても美味しいです。トマトを上手く使うのもクレオール流です。

ケイジャン風のフライドチキンは弾力のある肉に食欲をそそるオリジナルブランドのスパイス。しっかりスパイスが効いているのに、何故かとても家庭的な味わいなのですね。

家庭的な味わいのフライドチキンなんて、初めて食べたかも!

上の写真右手はシュリンプ・クレオール。玉葱・セロリ・ピーマンの三位一体を炒め、具を入れてトマトや水、スパイスやチリソースなどと一緒に煮込む料理で、これも通常ご飯にかけて食べます。この店のものはサラサラとしてあっさり。でも野菜の旨味はたっぷりで、スパイスが食欲を唆ります。一気呵成に平らげて、お会計はビールと税が入って25.93$(3705円チップ別)。その後いろいろな店でガンボを食べたけれど、この店の味が忘れられず滞在後半に再訪してしまいました。

「あら、この間も来たわよね」と顔を覚えてくれていて、再びカウンターでビールを貰います。今回はお勧めしてくれたニューオーリンズのご当地ビール、Urban South Brewery のWho Dat というブロンドエールです。うん、酵母感があって旨い。

まずはシーフードガンボのカップ8.95$(1279円)を注文し、相変わらずの美味さに舌鼓。そして今回のメインはこれもクレオール料理の定番、エトフェ/Etoufee です。小海老に加えて、これもニューオーリンズでは定番食材のザリガニ/Crawfish が入っています。トマトの爽やかな風味を魚介と野菜の旨味が支え、ガンボよりは穏やかなスパイスが心地よい。ザリガニは実は初めて食べるのですが、変なクセも臭みも全くなくて、

むしろ高級食材のスカンピに少し似てる気もします。

ところでこの料理も白米にぶっかけるスタイルなのですね。なんでも米にぶっかけるニューオーリンズの流儀は、欧州・北米と旅してきた米食民にとって天国かと思うほどありがたい。というかこんなに美味い料理があるなら、どうしてアメリカ全土に広がらないのか。アメリカ最大の謎と言えるかもしれません。

スパイシーなケイジャン魚料理、ブラッケンド・フィッシュ。

続いてのお店はバーボン・ストリートにあるOlde Nola Cookery。11〜25時の通し営業で、いつでも飲めて食べられる使い勝手の良い店ですが、googleマップによると料理の評価も上々。

ですが何でも揃ってる料理メニューが逆に、いかにも観光客目当ての店に見えなくもありません。そんな店に何故入ったかというと、ケイジャンの魚料理ブラッケンド・フィッシュ/Blackened Fish を食べてみたかったから。

まだ日暮れ前だけど、店内は既に飲んでるお客さんがたくさん。「1人です」と言うと奥のカウンター席に案内されました。

カウンター内の気さくなお姉さんからまずはドリンクメニューを渡されて、これはアルコールを頼まないと格好つかない雰囲気ですね。

ニューオーリンズの町はカクテル文化が盛んなので、この店のも一押しはカクテル。せっかく飲むならニューオーリンズらしいものをということで、ハリケーンというのを頼んでみました。曰く、

この町の新たなクラシック・カクテルと。

ラムにグレナデンシロップとトロピカルジュース、如何にも南国なお味です。

この店も名物料理盛り合わせみたいなのがあって気になりますが、初志貫徹でいきましょう。ブラッケンド料理のシリーズは魚と牛・鶏・鴨で4種類。魚は何を使っているのか訊いてみるとナマズ/Catfish とのことです。

やった!ナマズは食べてみたかったんですよね。

ミシシッピ川河口に広がる湿地帯バイユー/Bayou では、海老や貝と共にザリガニやナマズもよく獲れる。従ってケイジャンやクレオール料理にはナマズは欠かせない必須食材なのです。

Blackened Fish Platter 22$(3144円)にはレッドビーンズ&ライスと野菜料理がセットになっていました。ブラッケンド・フィッシュは料理としては結構新しく、1980年代にとあるホテルのシェフが考案したのだそう。溶かしバターを塗った魚の切り身にケイジャンスパイスをたっぷり纏わせて、高温のフライパンで一気に焼く。スパイスを焦げる寸前まで焼くことで香ばしく食欲煽りまくりの料理になるのですね。実際に食べてみると、

外側の部分は想像通りの香ばしスパイシー!

そして中身のナマズさんはというとですね、これが驚くほどの、

超絶しっとり食感でした!

白身らしい旨味がスパイスに負けないくらい強く、風味はしっかりあるけれど臭みは全く感じません。なるほど、これはイケますね。レッドビーンズは前掲のCoop’s 程ではないけれど、発酵した味のする青菜のクタクタ煮が面白く、満足度の高い晩ごはんになりました。お会計は現金払いで37.55$(5366円)。クレカで払うより約1.5$割安になるようです。

行列のできるハイクオリティ食堂マザーズ・レストラン/Mother’s Restaurant。

今回最後にご紹介するのはポイドラス・ストリート/Poydras St. という東西に走る大きな通り沿いのお店。実はニューオーリンズでは暇を見つけてはカジノに通っていたのですが、その通り道にあってよく行列が出来ていたのですね。

調べてみるとかなりの人気店。ちょうど行列が無いタイミングに当たったので入ってみました。

外には並んでいなかったけど、店内にはずらりと列が出来ていました。上の写真奥の「Place Order Here」と書いてある場所で注文と支払いをするようです。

並んでいる脇のショーケースには種々の料理があるのですが、曇ってて全然見えませんね•••。

並んでいる間に見れるメニューが入口にあったので貰ってきました。内容を見るに一押しは、

世界一を謳うハムのようだけど、これはスルーしましょうか。

あくまでニューオーリンズのご当地料理を攻めるのです。4種盛りのコンビネーション・プラッター23$(3287円)にカップサイズのガンボ7$(1000円)、飲み物はレモネード3.6$(514円)を注文しました。

その場で支払うとドリンクはすぐに渡されて、料理は席を選んでレシートを見せると運んできてくれるシステム。こういうセルフサービスとテーブルサービスの組み合わさった業態って、

チップどうするか迷いますよね(汗)

気になって観察してると、チップを置いていく人と置いてかない人、両方居るみたいで紛らわしい。

レモネードをちびちび飲みながら暫く待つと、料理がやってきました。この店のガンボは2種類あるけど、今回頼んだのはMae's Filé Gumbo。 フィレパウダー/Filé Powder というのは元々ネイティブ・アメリカンが使っていたハーブで、オクラではなくフィレパウダーでとろみをつけるのがケイジャン流という情報があります。一方でフィレパウダーは主にクレオールに使われる物という情報もあり、

結局これがケイジャンかクレオールかは判然とせず•••。

斯様にアメリカ国内ですらケイジャンとクレオールの境目は曖昧で、情報も錯綜しているのですからややこしい。あまり几帳面に分類しない方が素直に楽しめるのかもしれません。味の方は穏やかでまったりして、うん美味しいですよ。ルーの色味からもクレオール寄りの印象ではありますが、洗練というよりは家庭的な味わいです。

具材は大ぶりカットの鶏肉とスモークソーセージ。恐らくこのソーセージは、ガンボに定番で使われるアンドゥイユ/Andouille というものでしょう。内臓なども混ぜて作られる豚の粗挽きソーセージで、これがまたスープに深みをもたらすのですね。

コンビネーション・プラッターはレッドビーンズ&ライス(写真手前)にジャンバラヤ(写真右手)。

野菜料理は数種類から選べてグリーンビーンズ&トマト(写真右手)を、4品目はシュリンプ・クレオールかザリガニのエトフェかの選択で海老を選びました(写真左手)。海老とレッドビーンズの下には白米が隠れていて、ジャンバラヤはそのものが米料理。ボリュームがすごい一皿ですが、料理の味付けがマイルドなので抵抗なくするすると胃袋に納まっていきます。なるほど、やはり全体的にスパイスはそれほど強くなくて、

家庭的でほっこりする印象の味付けです。

鮮烈ではないけれど、ホッとするおいしさ。今回はあれほど行列になる理由は分からなかったけれど、もしかするとあの自称 ”世界一” のハムがその理由なのかもしれませんね。結局チップは払うことにして、テーブルに置いてきたのでした。

今回はケイジャンやクレオール料理の説明に熱が入り、文章が少し長くなってしまいました•••反省。次回はニューオーリンズのローカルな食堂編。地元感漂う安旨食堂や郊外の評判店、少しマイナーなニューオーリンズグルメ “ヤカメン” や、ニューオーリンズスタイルのかき氷 “スノウボール” もご紹介します!


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