さて、前回の(1)概要と楽しむときの注意点に引き続き、今回は代表的なフィリピン料理をご紹介します。膨大で地方によっても料理はぜんぜん違うのですが、そこはアバウトに!マニラに行けば、各地の美味しいものが集まっていたりしますからね。載せているのは全て実際に食べて美味しかった料理ですが、前回書いたように、
重要なのは美味しい店で食べること!
では、ざっくりと分類別にいってみましょう!
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パワフル肉料理
フィリピンの肉消費量は多い順に鶏>豚>牛。フライドチキンが大好きですし納得ですが、実は値段が安い順なんじゃないかという気もします。さてフィリピンらしい肉料理といえば真っ先に思い浮かぶのが、
シシグ(Sisig)!
アンヘレスにあるアーリン・ルーシン・シシグ(Aling Lucing Sisig)という店が発祥と言われる豚料理。細かく刻んだ豚肉は、顔や耳といったコラーゲン多めの部位を使うことが多く、更にレバーを入れたりすることも。玉ねぎ、ニンニク、酢と唐辛子を合わせて炒め、鉄板で提供します。耳などが入らない正肉だけのものもありますが、
いずれにしても油多めでこってり。
これにカラマンシーをぎゅっと搾って食べると、もうビールもご飯もばかばか捗るのです。ちなみにシシグには、カリカリ目に炒めるのと、しっとり目に仕上げるのと2タイプあります。どちらも美味しいですよ!
レチョン(Lechon)
続いてはレチョン。セブ島名物の豚の丸焼きです。セブ島以外にもあるけれど、
セブのレチョンは肉に味が染み込んでいて格別に美味しいと言われています。
そのセブ・レチョンの名店ズブチョン(Zubuchon)やタタングス(Tatng’s)はマニラにも店を出していて、しっとりジューシーな絶品レチョンを楽しめます!
ビコール・エクスプレス(Bicol Express)
ビコル地方の料理をベースにマニラの料理人が作り出した料理で、広く親しまれています。唐辛子と豚肉などを魚介系の出汁とココナッツミルクで煮込んだ、辛いけれどリッチな旨味が美味しい!
イサウ(Isaw)
屋台街やローカルな食堂街では串焼屋さんをよく見かけますが、
そのスター選手は写真右手前のウネウネしたもの。
鶏の腸の串焼きイサウです。美味しい店だと臭みもなくビールのお伴にぴったり。もちろん串焼屋さんでは鶏や豚の正肉、レバーや豚の顔肉など他の部位も色々楽しめます。焼き置きしない回転の良い店を選びましょう。
ロンガニーサ(Longganisa)
フィリピン版のソーセージのこと。特に北部のイロコス地方のものが有名で、日本のように肉汁滴る感じではなく、もう少しドライ。美味しいものは肉の旨味が濃くてご飯が進みます。
ディヌグアン(Dinuguan)
豚肉や内臓を血と一緒に煮込んだ濃厚な料理。血というとオドロオドロしく感じるかもしれませんが、
美味しいものは臭みもなくて、とてもリッチな味わい!
私はこれ大好きです。せっかくなら日本で絶対食べられないものをと考えている方は、ぜひ挑戦してみましょう。
クリスピーパタ(Crispy Pata)
まだまだ挙げたらきりがない肉料理ですが、とりあえずの最後はこれ!豚足や脛の骨付き肉を、表面がクリスピーになるまで揚げた料理です。見た目と違い油っぽさはそれほどでもなくて、
ゼラチン質のむっちり食感がヤミツキ!
豚足が好きな方はぜひトライしたい料理ですね。
ほっこり麺料理
前回チラリと書いたパンシット・カントンという焼きソバに似た料理の他に、フィリピンでよく見る麺にはこんなものがあります。
ビホン(Bihon)
ビーフンですね。具材と一緒に油で炒めて出すことが多いようです。
マミ(Mami)
もふにゃりと柔らかい卵麺。これだとお腹いっぱいにはなりませんが、オヤツ代わりの軽食にはぴったり。ローカル食堂ならカップ麺より安かったりします。
ラパズ・バッチョイ(Lapaz Bachoy)
イロイロ市の名物の汁麺料理。東南アジア共通ですがフィリピンの麺料理もその多くはコシなどなくて、柔らかめ。店によって味がかなり違いますが、美味しいみせのものはすごく美味しい!卓上調味料で好みの味に調整して食べましょう。
絶品!スープ料理
フィリピンで白飯とともに食卓に欠かせないのがスープ。一番スタンダードなのがタガログ語(マニラを含むルソン島南部で話される現地語)ではニラガ(Nilaga)と呼ばれるもの。牛や豚の肉を野菜と一緒に茹でて、塩コショウとフィリピンの魚醤パティスなどを加えたシンプルなもの。モリンガの葉っぱも具材としてよく用いられます。そして我々日本人にとってフィリピンで一番有名なスープがこちら、
シニガン(Sinigan)
びっくりするほど酸っぱいスープで好き嫌いが分かれるかもしれませんが、これも美味しい店で食べるとフィリピンの暑さにぴったりときて、
身体が喜んでいるのが分かります。
酸味は基本的にタマリンドからという果物から取るのですが、グァバや未熟のマンゴーを使うこともあって、いずれにしても酸味がフルーティ。
手抜きの店ではタマリンドパウダーを使っていたりしますが、本物のフルーツを用いたシニガンは美味しいですよ。豚肉や海老、サーモンなど色々なバリエーションがあり、いずれも沢山の野菜と一緒に煮込まれています。
ブラロ(Blalo)
マニラの南、タガイタイという風光明媚な観光地のご当地グルメがブラロです。
タガイタイといえば2020年1月にタール火山が噴火し、落ち着いた頃に今度はコロナと大変な状況ですが、
牛骨髄を使った、透明でコクのあるスープは絶品!
もちろんタガイタイで食べたい所ですが、今ではマニラを含め各地で食べられる人気料理 。見かけたら試してみてはいかがでしょう。
その他のスープ
他にも現地に行かないとまず食べられないだろうイロコス地方の牛内臓スープ、シナングラオ(Sinanglao)など、探せば探すだけ美味しいものが見つかります。ニラガもパレスもブラロもシナングラオも、フィリピンのスープは具沢山で、
白ごはんにかけてオカズになるのも特徴です。
最後に見逃せないのが、牛の内臓や骨髄を使った煮込みスープ、パレス(Pares)です。屋台などで食べられる愛されフードで、これは別に単独で記事を書いているのでご参考ください。
純フィリピン料理カレカレ
前回フィリピン料理は中国やインド・イスラム圏、スペインやアメリカの影響を受けてきたと書きましたが、他国から流れてきたものではない純フィリピン料理と言われているのが、カレカレ(Kare Kare)です。ピーナッツをすり潰した濃厚なソースはアナットー(Anatto)の実で色付けされて、
鮮やかなオレンジ!
メインの具材は海老やムール貝などのシーフードを使ったり、
各種のお肉とも合わせます。中にはこんな豪勢なご馳走カレカレも!甘くてリッチな濃厚ソースで、フィリピン気分をたっぷりと味わえますよ。
野菜・フルーツも見逃せない
流通の関係で、実はマニラ近辺では新鮮な野菜が出回りづらいのですが、そんな環境でも美味しい工夫をこらした料理があります。
ライン(Lain)
食べるのにちょっと勇気がいる見た目ですが、
味はオツでとっても美味しい!
ガビというヤム芋の葉を乾燥させた食材を、水とココナッツミルクで煮込む料理。ほろ苦さがアクセントになって、これもご飯が進むのです。
バギオなど高地に行くと野菜もよりどりみどりでこのように新鮮なものを楽しめますが、全体としては野菜料理が少な目のフィリピン。その分安くてバリエーション豊富で嬉しいのがフルーツです。
フルーツ
定番のマンゴーはもちろん、バナナは生食用から調理用まで何種類も使い分けるし、
パパイヤ、マンゴスチン、ドラゴンフルーツといった南国らしいフルーツに、ポメロという柑橘も。
ちょっと匂いが気になるところではジャックフルーツや、
果物の王様ドリアンも!フルーツは特に時期によって変わるけれど個人的におすすめなのは、
ランブータン。ライチに似た見た目で、味もライチに似ています。
手でツルリと皮を剥いて中の白い実を食べるのです。驚くほど安い値段でフルーツが食べ放題状態のフィリピンなので、初めてのものにも果敢にチャレンジできますよ。
充実のスイーツ
食べるのが大好きなフィリピン人は甘いものも大好物。これまた挙げだすと切りがないのですが、有名どころをいくつかご紹介しましょう。
ハロハロ(Halo-Halo)
まずはハロハロ(Halo Halo)。おそらくこれが一番有名ですね。かき氷にミルク、ウベ芋のアイスや甘く似た豆、ゼリー、ナタデココなどなど。スプーンで混ぜ混ぜして食べるのです。これもチェーンの店では人工甘味料炸裂のものが出てきたりしますが、美味しい店で食べるとすっごく美味しいです。
レチェ・フラン(Leche Flan)
スペインから流れてきたのがフィリピン版のプリン、レチェ・フラン。卵黄とエバミルク、コンデンスミルクで作るので、
とてもクリーミーでミルキー。
かなりの甘さですが、日本のプリンとはまた一味ちがって美味しいしいです。
バナナキュー(Banana Q/Cue)
そして屋台スイーツの代表選手がこのバナナキュー。サババナナ(Saba Banana)という調理用の水分が少ないバナナに、ブラウンシュガーをまぶして揚げた単純なものなのですが、
キャラメライズされた砂糖と、バナナのフルーティな甘さが絶妙!
見た目のまんまなのに、実際に食べると確実にそれ以上の味を体験できるので、お勧めです。
タホ(Taho)
もうひとつ、フィリピンスイーツに触れる際に絶対に外せないのがタホ(Taho)です。
フィリピン人は勿論、フィリピンラバーな日本人にも熱狂的に愛されている癒しスイーツ。
名前から想像がつく通り豆腐を使ったデザートで、その点は中華圏の豆花にも似ています。暖かい豆腐にサゴと呼ばれるタピオカに似た粒々を合わせて黒い蜜をかけて食べます。サゴは本来サゴヤシのデンプンから作るもので、タピオカより柔らかいことが多いですが、最近はタピオカ粉を使うこともあるのだとか。
基本は天秤棒を担いだタホ売りのおじさんが「タホ~タホ~」と歩いているのを捕まえ、1杯20円程度。フィリピン愛を呼び起こす、癒し系スイーツなのです。
他にもスマン(Suman)というもち米を使ったお菓子など、伝統的なものは大概美味しい。注意したいのはフィリピンの洋風ケーキ。これでもかと砂糖が入って、飛び上がるほど甘いものが結構あるので食べるときは慎重に選びましょう。
思っていたより長くなってしまいましたが、本当はまだまだご紹介したい食べ物がたくさんあります。切りがないのでここで終わりますが最後にもう1つだけ!
おまけ - パンデサル(Pandesal)
お米大好きなフィリピンですが、町にはちょこちょこパン屋さんがあって、パンデサルというのが良く食べられています。塩パンという意味のこのパンは、具は何も入っていなくてほんのり甘い。朝イチに行くと焼きたてのパンデサルがそれこそ10円とかで買うことができます。
まだ温かくふっくら焼けたやわらかなパンは、何もつけなくても美味しい!
試す際は絶対に焼き立てを狙いましょう。
実は今回、魚料理を載せていないのですが、写真の通り1匹まるまるの料理が多くトライしづらかったのと、僅かに試した店でもアタリに出会えなかったので割愛しました。フィリピン人は日常的に魚を食べる魚喰いの人たちでもあるので、次回訪れたらリベンジしたいと思っています。
↑フィリピンへ行けるその日までは、大人気お土産「7Dのドライマンゴー」でしのぎましょう(笑)自然な甘さで美味しい!
次回予告
ファストフードやショッピングモールを飛び出して、よりローカルな食事を楽しんでいただきたいフィリピンですが、予備知識なしだとちょっとだけ入りづらいかもしれません。そこで次回は、フィリピンの典型的なローカル食堂にはどんなタイプがあるのかをご説明したいと思います。
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