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【インド】ゾロアスター教徒のパールシー料理と、インドで飲むIPA(インディア・ペールエール/クラフトビール)

投稿日:2020-01-19 更新日:

ムンバイ篇最終回、最後も飲食の話です。ご紹介するのは、

現存する最古の宗教、ゾロアスター教徒が食べているパールシー料理のお店。

そしてムンバイのブルワーが造る、クラフトビールが飲めるお店です。


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ゾロアスター教徒のパールシー料理が食べられるお店、Ideal Corner。

ゾロアスター教徒の料理といっても、そもそもの話、

ゾロアスター教(拝火教)って何!?

という人も多いと思いますので簡単に。ペルシア発祥の一神教で、現在信徒がいる中では最古の宗教と言われているそう。アフラ・マズダーという最高神を祀り、善悪2元論をとなえます。その善を表す光の象徴として、火を拝むのだということです。パールシーという言葉はペルシアのことで、今のイラン辺りでしょうか。あの辺から移って来てインドに住み着いた人たちをパールシーと呼び、タタ財閥のタタ家もパールシーなのだとか。

何かのマンガのせいで、火の前で儀式してる妖しいイメージだったけど、色々由緒正しいようですよ。

ウィキには、今でも鳥風葬してるって書いてたけれど、タタ家のお葬式が鳥葬だったら、なんだかとてつも無い話に聞こえますね。

メニューはこうやって曜日替わりの料理と、

毎日出せる定番料理があるのですが、正直パールシー料理がどんなものか全くわかりません。そういう時には素直に、

パールシー・スペシャリティーズと書かれた看板料理を選びましょう。

ダンサク/Dhanshak というのがマトン、チキン、野菜の3種あるので、マトン250ルピー(385円)をチョイス。

併せて頼んだ、果肉感たっぷりのパイナップルジュース50ルピー(77円)を飲みながら料理を待ちます。15分ほど待って出てきた料理は、

ち、茶色縛り!?

キュウリ1枚添えない頑なな姿勢には、宗教的に深淵な意味があるのでしょう(多分ちがう)。それにしても、見た目カレーにしか見えないんですが、味はどうなのだとソースの方をすくってひと口。

あ、なんか違う!

日本人の我々からすると、大枠カレーの範囲ですが、インド料理とはちょっと違います。ダル(豆)をベースにジャガイモ(カボチャも使ったりするそうです)などをペーストにしたルー。スパイスも使っているのだけど、かなりマイルド。

そして全体の味を引き締めているのが苦味。

今ちょっとレシピを調べてみても、苦味が生まれる要素はないので、これはダンサクという料理一般ではなくて、この店の味なのかもしれません。でも、併せて出された茶色いピラフのようなご飯にもうっすら苦味が効いていて、

合わせて食べると、

ほろ苦マイルドな大人味。

マトンも臭みがなく、めっちゃ柔らかです。うん、これ美味しいですよ。

カバブ/Kababs という、スパイシーな肉団子のようなのが付いてきます。少し水分を持ってかれる感じだけど、これにもソースをかけちゃうとうん、美味い。

締めにはこの店のオススメだというブレッド・プディング40ルピー(62円)。生フレンチトーストといった趣きで、これも美味しい。ちなみに今では信者の数も少ないというゾロアスター教ですが、

ダンサクという料理は自体は、インドでもかなり浸透しているそうです。

美味しいものは宗教を超えるということでしょう。イランに行ってペルシア料理を食べたら、また共通点が見つかりそうで楽しみです。

ムンバイのクラフトビール。インドでIPA(インディア・ペールエール)を飲むと感慨深いのです。

ムンバイ泊の最後の夜、少し遅めの昼食がもたれてあまり食欲がなく、さてどうしようと考えていたら、

ビール飲むならいい店があるぞ。

と何でも知ってるドアマンのオジイ。聞けば泊まっているホステルのすぐ脇、ホステル宿泊者は15%オフになるというじゃないですか。軽くツマんでビールがちょうど良いなと連れて行ってもらいました。

Garage Inc.というお店、店内には欧米系も僅かにいるけど、客層は殆どが若いインド人。オシャレとまでは言えない内装だけど、なかなか良い雰囲気です。

さて、やはりキングフィッシャーかなあとメニューを見ると、

お!生ビール置いてる。

インドで生ビールって、多分かなり貴重です。しかもよく見るとIPAとかあるじゃないですか。取り敢えずそれを頼んでみます。

インドとは思えないステムのついたグラスで提供。グラスには、GATEWAY BREWING と書かれています。ググってみると、

ムンバイのブルワーがムンバイで醸造している、正真正銘のクラフトビール。

肝心のIPAの味は、苦味は強すぎずホップの柑橘香が爽やかで、飲みやすく美味しいです。IPAというのは植民地時代の英国が、本国からインドへ船でビールを運ぶのに、腐敗防止でホップを多く使ったのがルーツだとか。

そのIPAをいま、インド人が造ってインドで飲む。

ようやくそういう時代になったのかと、感慨深いものがあります。聞けばメニューの生ビール欄に書かれているのは全てこのブルワーのものとのこと。

それならと、ホワイト・ゼンというビールを追加オーダー。スパイシーでこれもインドを感じる美味しいビールです。

ラム肉のシーク・ケパブをつまみに、久々にゆっくりビールを飲める時間を楽しみました。お会計は15%オフ適用で1026ルピー(1580円)。度数が強かったのか、小さめグラブ2杯で軽く酔って、気持ち良く宿に戻りました。

次回予告

ムンバイの次は、海辺の町ゴア。ゴア行きの鉄道チケットを買うのに四苦八苦した話と、寝台列車の旅。そしてどういうわけか、

殆ど知らないオーストリア人のジョージと部屋をシェアすることになった話

を書く予定です。


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