そろそろ、髪を切らなきゃ。
4月頭に家を出て以来、既に3か月。出発直前に馴染みの美容室でやってもらった坊主頭も、もうボサボサです。
せっかく仕事も辞めて海外にいるのだし、ちょっと思い切った髪にするのも悪くないとも思いましたが、
先に髪を切ってきたヤゴウさんを見て考え直しました。
意図した髪型とかなりのズレが生じることは確実です。更に他の日本人の散髪も見た結論は、
フィリピンで髪を切ると、どうやってもフィリピン人ぽくなる。
ということ。フィリピン人がフィリピン人っぽい髪型をしているのは、全然格好悪くないのですが、日本人がそうなるとなぜか違和感がある。なので、ここは目標設定を大きく下げて、
フィリピンっぽい髪型を全力回避することに集中します。
つまり、
やっぱり坊主でいいや。
ヤゴウさんが行っている所は200ペソ以上する店ですが、坊主でいいなら安い方がいい。ということで、100ペソ(212円)で髪が切れるという噂の床屋を探すことにします。
散髪前の日曜の昼ごはん。
7月7日(日)、生徒仲間3人で連れたって早めのお昼ご飯に。店は以前も行ったフィリピン定食「シログ」が食べられるベントログ(Bentlog)。
相変わらずローカル感のある客層に、飛び交う蝿が拍車をかけます。
前回はロングチリの射込みを、春巻きの皮で包んで揚げたダイナマイト(DYNAMITE)を食べましたが、今回はシログの定番タプシログ(TAPSILOG)をオーダー。
TAPはTAPAの略で、
TAPAというのはタガログ語で、牛肉を醤油や砂糖、ニンニクなんかのタレに漬け込んで焼いたものです。
ビーフジャーキーに近い干した感じのものと、生に近いものを見かけますが、この店のは生に近い方。肉の量が少ないですが、しっかり味が付いているので、
いこうと思えば、この肉でおかわりご飯も充分賄えます。
まわりのフィリピン人男性は、2倍・3倍のご飯をペロリと平らげていました。タプシログはこの店では高級メニューで65ペソ(138円)。相変わらず安定の美味しさです。
噂の100ペソ床屋さがし。
昼食の後はヤゴウさんたちと別れて、ひとり床屋へ向かいます。とはいえ、具体的な店名は分かっておらず、BRICXという店のナナメ向かい辺りというざっくり情報。
まあ、行ってみれば見つかるでしょう。
とりあえず、そっちの方向に向かってみます。googlemapの経路検索で避けられる、細いトンネルを抜けられれば約1.5km。歩いていける距離です。
普通の車が、幅も高さもギリギリのトンネル。
片方が通っている間は、反対方向の車は待機するので、トンネル待ちの行列。待っているのは車とトライシクルだけで、歩行者は皆無です。
通っていいのか分からないけど、行っちゃえ!
車は徐行しているけど、ペースを合わせるには小走りが必要。暗いので、気が付かれずに轢かれたらたまらないです。無事渡り終えて暫く歩き、BRICXの近くまで来ると、そこかしこに床屋や美容室があります。
ここは絶対高そう。
ここも高いに違いない。ちなみにフィリピンでSalonというと、女性向けの美容室のイメージだそうです。
この店も高そうな気がして避けたのですが、後で聞いたらここも100ペソで切れて、評判の良い店だそうです。チェーン展開しているっぽい。
店名が分からないので、とにかく見た目の印象で判断して見つけたのが、この店。
もちろん、黒とピンクの左のサロンではなくて、奥にあるザ・床屋な感じのお店です。
うん、なかなか安そうな佇まいですよ。
近くに行ってみてみると、予想通りカット100ペソの表記。噂の店は、きっとここに違いないと判断し、店に入りました。
坊主にするだけでいいんですよ・・・
店内には4つ椅子があり2つで散髪中。待たされるかと思ったら、奥から別の理容師さんが出てきました。すぐいけるみたい。
念のため100ペソなのを確かめて、散髪開始。
まずはこちらの意図を、なるべく正確に英語で伝えなければなりません。
Very short!About 5mm. All the hair!
こういう時は、それらしい文法よりも、単語とジェスチャーの方が間違いがないものです(←言い訳)。とにかく誤解のないように、全ての髪を5ミリの丸刈りにしてくれるようお願いしました。
抜かりなく散髪の状況を見ていたかったのですが、
しまった。散髪中は眼鏡を外さないとじゃないですか。
不安だけど、とりあえず理容師のおっちゃんがバリカンを手に取ったのを確認して、眼鏡を置きます。
頼むぞ、おっちゃん。
勿論シャンプーなんかは無く、おもむろにバリカンを髪にあてるおっちゃん。襟足から刈り上げるように、バリカンを操ります。そのまま頭頂まで刈り上げるかと思いきや、襟足から10cmくらいのところで、すぅーっとバリカンを離していきます。
おかしいな。そんなカーブは要らないはずだけど。
襟足から耳回りまで、まずは下側を執拗に刈り上げた後は、ハサミと櫛を取り出して、上の部分をカットしていきます。もうこの時点で、十中八九、丸刈りからズレていますが、もしかしたらバリカンで仕上げないことが
フィリピン理容師のプライドかもしれないじゃないですか。
それに、丸刈りじゃなくたって、
想像もしていなかった格好良い髪型になっている可能性もゼロじゃない。
そのままお任せして、髪型のアウトラインが作られてきた所で、「ちょっと眼鏡をかけて確認していい?」 とおっちゃんの手を遮ります。
不安7割、期待3割で見た自分の髪型は、
カッチンカチンの角刈り。
すかさずおじちゃんの目を見てキッパリ言いました。
NO! THIS IS NOT like that I told you.(←文法合ってますか?)
英語を勉強していて、本当に良かった。さすがにこの角刈りは、泣き寝入りが許される許容範囲ではありません。もう1度、
全部同じ長さにしてよ。この刈り上げの所と同じ長さだよ。5ミリって言ったよね。
とお願いしたところ、
お前、それは3ミリだぞ。
嘘つけと思いながらも、「じゃあ3ミリでいいからやってくれ」と強くお願いすると、しぶしぶながら、上部の髪を落とし始めました。再び眼鏡を外して身を任せること10分。再度作業を遮って眼鏡をかけて見ると、
うん、だいぶ丸みを帯びてきました。
それでも角刈りの角を少しでも残そうとするおっちゃん。それがフィリピン理容師としてのプロ意識なら、リスペクトはするべきですが、こちらにも譲れないラインと言うものがあります。
場末の床屋で、日本人とフィリピン人のオヤジ2人の美意識バトルです。
最後は眼鏡をかけたまま、
この角を落としてくれ。そう、もっと!そんな顔しなくても、それで大丈夫だからやってくれ!
と具体的指示を出していきます。満足とまではいかないまでも、譲れる線まで押し戻した所で、ゲーム終了。ヤゴウさんからは、30分もしないですぐ終わると聞いていたのですが、
終わってみれば50分ものロングバトルでした。
おっちゃんと共作の坊主頭。
後で計ったら、頭頂部は1センチでした。
どこが3ミリですか!
満足感70%といったところですが、翌日フィリピン人先生には好評でした。それと数日経って、こうしてブログに書いていて改めて思ったのですが、そしてここまで読んでいただいておいて大変恐縮ですが、
オヤジの坊主頭なんて、心底どうでもいいなぁ。
海外でも、きちんと自分の意見は伝えましょう。という趣旨で読んでいただけたら幸甚です。
↓ブログ村ランキングに参加しています。励みになるので、よかったら下のバナーを1日1回クリックしていただけると嬉しいです。変なサイトには飛びませんのでご安心ください。