フィリピン英語学校の3か月留学も残すところあと2週間。英語学習は、音読とシャドウイング中心に大幅シフトチェンジして、学んだ表現を定着させることに奮闘中。その傍ら、旅を再開する準備と、旅先の下調べにかからなきゃならないのに、一向に進みません。
さて、今回はフィリピンのローカル食堂の中でも極めつけとも言える、
ローカル・オブ・ザ・ローカル
のカレンデリア(イータリーとも言います)の話です。
フィリピンのローカル食堂を分類してみる。
わたしの見てきた所、フィリピンのローカル飯屋をざっくり大別すると、以下の3つに分けることができます。
1.カレンデリア/イータリー
下の写真のように、作り置きの総菜が何種類も置いてあって、好きなものを選んでよそって貰い、ご飯と一緒に食べる店。値段はざっくり、おかず1品30~50ペソ(60~100円)くらい。
2.シログ屋
ガーリックライスと目玉焼きに、おかずが付くフィリピン版定食の店。おかずは肉やソーセージを焼いたもの、揚げた魚の干物等を選び、オーダー毎に調理してくれる。ローカルな店だと1食40~100ペソ(80~200円)くらい。
3.その他の専門店系
パレス(牛スープ)の屋台や、ラパズバッチョイ(イロイロ名物の汁麺料理)など、1つまたは少数の売り物に特化したお店。串焼きや、鶏・豚ローストの店もあちこちで見かけます。
カレンデリアに最もローカル感を覚える訳。
ローカル・オブ・ザ・ローカルと表現したように、わたしはカレンデリアに最もローカルな雰囲気を感じます。言い換えると、
一番生活に密着している飲食店じゃないかと思うのです。
単純に外国人が入りづらい雰囲気に見えるのも事実ですが、提供される料理が、
料理屋の料理じゃなくて、家庭料理の延長
なんだと思います。来ているお客さんも「あれ食べに行こう」というお出かけ気分は微塵もなく、毎日の生活と完全に一体化している印象を受けます。
店で食べていく人と同じかそれ以上に多いのが、持ち帰りする人。
全ての料理は、ビニール袋に入れて持ち帰ることができ、作り置きの総菜なので待ち時間もない。フィリピンの人にとってカレンデリアでご飯を買うのは、
コンビニ弁当を買いに行くような感覚じゃないかと思います。
そんな日常に埋もれた存在のカレンデリアは、フィリピンの人々にとっても「あの店は美味しい」という話題になりづらいのか、なかなか確実な良店情報が集まりません。これまで飛び込みで試した数軒も、さほど美味しいと思えない店が多い中、ようやく信用できそうな美味しい店情報をゲットして、行ってきました。
Vimmer's Eateryの肉総菜4種食べ比べ。
ある日曜の昼下がり、学校から歩いて10分程のカレンデリアへ向かいました。今回もヤゴウさんとの2人飯。
普段歩かない方向に進むと、パン屋や床屋がぽつりぽつり。郊外の住宅街ののんびりした雰囲気です。細い脇道を入ったところに、店はありました。
店名の表記はどこにもありませんが、場所的にこの店なのは間違いない。
外見の建築資材は、9割が竹とトタンという節約建築です。
フィリピンに来た当初だったら、多少は躊躇したかもしれませんが、今はもう大丈夫。
フィリピンのご飯屋さんで、感じの悪い排他的な人には会ったことがありません。
ここも愛想のよいご主人がいて、料理の蓋を取って、1つずつ料理名を教えてくれました。
ヤゴウさんと2人で4皿をチョイスして、ご飯もオーダーしたら席で待ちます。
店内にはビリヤードと、フィリピンではビデオケと呼ばれるカラオケマシンがあり、
昼間っから、おっちゃんが一人カラオケ。
真っ昼間からビールの1Lボトルをやりながら、延々とカラオケを歌い続けます。
上機嫌なまま、隣に座った我々に乾杯を求めてくるので、お冷でカンパーイ!
休日の午後を楽しんでいるおっちゃん、幸せそうで何よりです。
暖めたりせず、よそうだけなのに15分程かかって配膳された料理4品。左から順に、
- 青唐辛子の効いた豚肉と野菜のココナツ煮、ビコールエクスプレス
- 鶏肉のトマトソース煮、チキン・カルデレータ
- 豚肉を酢と醤油で煮た、アドボ
- 豚肉や内臓を血と一緒に煮込んだ、ディヌグアン
全て1皿35ペソ(74円)、ご飯は1カップ12ペソ(25円)。これだけ食べても2人で164ペソ(348円)という安さです。
4種のおかずを皿に盛り、いただきます。
ビコールエクスプレスは、タイのグリーンカレーを連想させる、ピリリと辛くもご飯が進む1品。下手に作ると酸味が鼻につくアドボも、この店のはまろやかでコク深く仕上がっています。カルデレータはトマトの自然な甘さ、ディヌグアンも血の酸味を感じさせない穏やかさで、旨味だけを楽しめます。
全ての料理がちょうど良い味付けで、全ての肉が柔らかい。
つまり、肉の火入れに気を遣っているということ。これはかなり良いカレンデリアかもしれません。
この店、もっと早くに知っていれば・・・。唯一残念なのは、他のカレンデリア同様に、料理が熱々ではないこと。これの解決策は、
持ち帰ってレンチンするか、オープン時間を狙って行くことだそうです。
料理の値段と味が比例しないことの多いフィリピン。まだの方は、ぜひローカル推奨のカレンデリアに挑戦してみては如何でしょうか。