北海道や一部の地域を除きなかなか羊肉に縁遠い日本とは逆に、トルコでは羊と牛が圧倒的な存在感です。イスラム教徒が殆どの国だから豚肉は当然NGで、鶏肉も今のところ存在感が薄め。既に2日目にはフルン・ケバブ、3日目にはロカンタで煮込みとプラフの計3品羊肉料理を食べていますが、
連戦連勝でハイスコア更新中!!
まさに羊肉好きにとってパラダイスのこの状況。イスタンブール4日目の3月16日も羊料理からスタートです。はたして連勝街道は続くのでしょうか。
※文中のレート換算は実際にアコムカードで調達したレート7.29を四捨五入して、1TL(トルコリラ)=7.3円で記載します。尚トルコはいま月単位で値段が変わるレベルのインフレ中。あくまでご参考まで。
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行列のできるケバブ一品勝負の店 Şehzade Cağ Kebap
2日目にフルン・ケバブを食べた後、すぐ側で行列を作っているこのお店が目を引きました。すかさずGoogleマップを開いてみると、5000件オーバーの評価4.3とかなり高い。その時は保存だけしておいて場を離れたのですが、後でチェックしてみるとどうやら、
羊串のケバブ一品勝負で人気を勝ち取ってきた店らしい。
旨いものレーダーが唸りを上げて逸品の予感を伝えてきます。
11時過ぎに到着すると、2日前とは打って変わって店はガラガラ。あの行列は幻だったのかしらと刹那不安がよぎります。
席についてメニューを見ると、噂に違わぬシンプルな内容。ジャー・ケバブ/Cağ kebabというのが唯一にして看板のメニューであり、その取り巻きとしてスープやらヨーグルトやらの4品、またジャー・ケバブをラップサンドにしたものとデザートが1品だけというラインナップです。いいね、いいね。では取り巻き4人衆には
勢揃いで来て頂きましょう。
まずはスープ。メニューにもスープとしか書いていないけれど、トルコに来て一番よく見るレンズ豆のスープですね。コクがあって、でも重たすぎず、
うん、旨い!
残りも素早く提供されます。生の玉葱は注文しなくても勝手にくるやつ。日本のユカリに似た味のスマック/Sumacというスパイスがかかっています。
エズメ/Ezmeはトマトベースのサルサに似たディップ。意外とキュウリが効いていて、青臭さが爽やかさとなってイケます。
サラダはほんとにシンプルなもの。一応ケバブに合わせて食べてみようと思います。
ヨーグルトは自家製なんでしょうかね。トルコのヨーグルトはどこも美味しいけれど、ここのは一味違う気がしました。
ひと通り味を確かめた所でケバブ様のご登壇。もう見るからに香ばしくてジューシィーそうで、
これで美味くない訳がないというお姿です。
大きな串に薄切りされた肉が刺さっていますが、これはこの形で焼いている訳ではなくて、
ドネルケバブのように円筒状に巻き付けた肉の塊を回転させながら焼いて、焼きあがった外側を先程の串に刺しながら切り離しているんですね。ドネルというのは回転という意味でして、とある昔トルコで肉を回転させて焼く、そして火を下からじゃなく横から当てるというのを発明した人がいるんだそうです。
いわゆる天才ですね。
で、ここからは半可知識と推測による今の所の理解なのですが、、、
1.火を横から当て回転させることで肉汁が下に落ちずに肉に吸収される、だからジューシーに仕上がる。
2.直接火が上がらない内側はじっくり火が入るのと、回転させることで火が当たらない面は余熱調理していることになる。だから低音調理と同じ理屈で肉汁が逃げずに柔らかく仕上がる。
3.1~2で柔らかジューシーに仕込んでおいて、食べる直前の外側は直火でメイラード反応を起こし、香ばしくクリスピーになる。
もし詳しい方がいらしたらコメント等で教えて頂けるとありがたいのですが、つまり何が言いたいのかというと、
柔らかくジューシィーで、香ばしくクリスピーで、馬鹿みたいに美味かったです!!!
ということ。肉の旨みも素晴らしく凝縮されている感じです。
ついてきた薄皮の生地に、取り巻き4人衆と玉葱も一緒にして包んでみました。
うん旨い!旨いけど肉だけの方が旨い(チーン)
特に野菜やヨーグルトを入れすぎると、肉の味が薄まる気がするんですよね。エズメを控えめに入れるのはアリだと思うけれど、結局この店ではジャー・ケバブとスープだけ、ヨーグルト好きなら単独で食べる用にヨーグルトって注文で良い気がします。逆に言うと、邪魔しないで欲しいくらい肉単体が美味しかったのです。恐るべしイスタンブール、羊肉4連勝で無敵街道爆進中です。
美しい!オスマン帝国のモスク三昧。
ブルーモスクに振られ、アヤソフィアに感動したものの、イスタンブールには他にも綺羅星のごとく多くのモスクがあります。オスマン帝国を代表する巨匠ミマール・シナンの建築もまだ見ていないですしね。ということで腹ごなしの散歩はモスク巡りすることにしました。
❶スレイマニエ・モスク(ジャミィ)
こちらのスレイマニエ・モスクは1557の完成、かの有名なミマール・シナンの建築によるものです。なんて知ったかぶって書いていますが建築についての知識は皆無です。シナンについては夢枕獏の小説「シナン」を大昔に読んで、
なんか凄くて格好いい印象だけ残し内容は完全忘却。
でもシナン建築くらい見たいじゃないさという訳で、まず訪れたのがこちらのモスク。
因みにモスクとジャミィ(ジャーミィとも)ですが、ざっくり言うとイスラム寺院のことをモスク、そのデッカイのをジャミィと良ぶようです。Googleマップでこの場所を見ると、英語ではスレイマニエ・ジャミィなのに日本語はモスク表記なんですよね。不思議~。
外は白と青だけど、中に入ると穏やかなピンクが基調。良い感じに色褪せてパステルでアースィーでとても素敵です(語彙)。
イスラム教の国はまだアジア圏とトルコしか来たことありませんが、国によってモスクの雰囲気もアザーン(礼拝を呼びかける放送)も特色がありますよね。厳しい雰囲気の所もあるけど、トルコはなんとも優しい感じがします。
シナン建築の何たるかは全く分かりませんが、素晴らしく美しいことはよく分かりました。
❷リュステム・パシャ・ジャミィ
続いてこちらもシナンの設計。1561年着工1563年完成だそうで、スレイマニエ・モスクの少し後ですね。規模はわりかし小さくて、迷路のような商店街に囲まれて2箇所しかない入口はとても分かりずらく作られています。
1周しても入口が見つからず、ついつい商店街の方が気になって足を止めてしまいますね。
これは何でしょう。下の方に液体がでる蛇口がついていますね。コーヒーとかお茶を淹れるようにも見えますが、街中で使っているのは見た事ありません。
なんて気を取られては時間をくっていると、ようやく入口を見つけたタイミングでアザーンが鳴り響きます。これからイスラム教徒の皆さんの礼拝の時間、観光客は遠慮しないとですね。暫し外で時間を潰して、お祈りが終わってからお邪魔しました。
内部は今度は青基調でタイルがとにかく美しい。スレイマニエ・モスクより狭い分天井の高さが引き立って、柔らかく入る陽の光が神秘的に感じます。
❸イェニ・ジャミィ
最後はイェニ・ジャミィ。ヨーロッパ側へフェリーで来るとひと際目立つモスクです。1597年着工、一度中断して1665年に完成なのでシナンより後の時代ですね。
中に入ると圧巻の内部装飾。スルタン(王様)の母親、つまり女性によって作られたモスクだけあって配色も雰囲気もとても女性的な気がします。
模様の細やかさ、煌びやかなのに落ち着きも兼ね備えた色使い。
3つのモスクの中ではここが一番、見蕩れ指数が高かったです。それにしても男性的で畏怖を感じさせるアヤソフィアと、この日観た3つのモスクは相当印象が違いますね。モスクをこんなに優しく美しい場所だと感じたのは初めてで、トルコのモスクにはまってしまいそうです。
お袋の味クルファスリエ専門店アリババ。
白インゲン豆のトマト煮クルファスリエ。悪い言い方をすればとても地味な料理ですが、それがお袋の味ともソウルフードとも言われる程に愛されている。こういうのは「幸せな日常食」を求め旅するわたしにとって非常に気になる存在です。しかもそれの専門店があるというのですから行ってみない手はありません。
スレイマニエ・モスクの裏手にある店、その名もクルファスリエ・アリババ/KURUFASÜLYECİ ALİ BABA。
長屋のように一繋がりの建物に多くの店が入っている一角です。店に入り案内を請うと、トルコ人には珍しく無愛想にしてぶっきらぼうな雰囲気のおじさんが対応してくれました。他に店にいるのもコワモテ系の男性従業員ばかり。
お袋の味的な要素がいっこもないんですけど・・・(笑)
メニューの左上、最優位置に並んでいるのがクルファスリエとピラフ。聞くところによるとクルファスリエを食べるときにはピラフを合わせるのが王道だとか。勿論セットでオーダーしましょう。
他にスープも頼むと、
サラダかピクルスも食べた方がいんじゃねか?
正確に何を言ってるかは分からないけど、何となく圧の強いお勧めに従いピクルスもオーダー。ピクルスは鮮烈に酸っぱくて、レンズ豆のスープは相当に重たい。すごく美味しいわけじゃないけれど、直球で素朴な味付けに、
いいぞいいぞ、らしくなってきた。
とつい喜んでしいます(ドM)
暫く待つとピラフにクルファスリエが出てきました。いいぞいいぞ、
この雑な盛り付け(笑)
上品に気取らない所はこの料理の性格にもマッチして大変好ましい。実際食べてみると、ふっくら上手に炊かれた白いんげん豆に煮汁が染みてとても美味しい。適度なコクと毎日食べても飽きなそうな軽さが両方備わった絶妙な加減です。
ピラフ自体にもちろん味が付いているのですが、口の中で合わせても重たくならないバランス感。この2皿で完成されていて、
正直スープもピクルスも何もいらない(爆)
でもこんなホッコリした料理を食べさせられると、無愛想に見えたオジサンも「不器用だけどやさしい」に脳内変換されてしまい、
デザートも断れない訳です(術中)。頼んだのはカダイフ。小麦を細~い麺状にしたもので、日本だと揚衣に活用したりするやつですね。実はこれトルコ発祥らしくて、トルコではナッツ系のペーストを挟んだり上に散らしたりして蜜をかけたデザートにするのが一般的だそう。
当然安定の、痺れるような極々甘口。
コーヒーまで飲みおじさんの思惑に120%乗っかって、心地よい敗北感とともに店を後にしたのでした。
この日の食事は2軒とも、看板料理は最高だけどサイドメニューが残念という図らずも同じ結果に。失敗といえば失敗なのですが、
でも懲りないんですよね。
何気なく頼んだ副菜に発見があったり、レンズ豆のスープのように同じのを色んな店で食べることで物差しができたり。長くてもたかだか1ヶ月その国にいた位では、その国の食文化の表面ですら理解できていないレベルですが、ささやかなチャレンジを続けていこうと思います。
さて、次回はイスタンブール5日目。篠突く雨と寒さに再びアジア側に活動範囲を狭めて、ファストフード攻略に打って出ました!
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