4月24日、この日は朝からジロカストラを発ってアルバニアを北上。「千の窓を持つ町」と呼ばれるベラトへ向かいました。ベラトに着いて、まずは楽しみにしていた羊肉のヨーグルト覆い焼きタフコーシ。夕食はベラト風ステーキとも呼ばれる牛肉のチーズ包み揚げヴィエネーズなど、
初日からアルバニア料理三昧!
古い街並みが広がるベラトの町も散策してきました。
※文中のレート換算はジロカストラで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1レク=1.32円で記載しています。
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ジロカストラからベラトへのバス移動と、ベラトバスターミナルから市街中心部への行き方。
ジロカストラからベラトへのバスは、聞いた人によると朝8時30分発の1本。
本当か⁉︎
アルバニア屈指の観光地2つを結ぶ便が1本だけなんて信じがたいですが、時間的にはちょうど良いので否やはありません。8時半のベラト行きバスに乗る為、6時半に起きて7時20分に宿をチェックアウト。宿からバスターミナルまではたった1.3kmなのに、なぜそんなに早く出るのかというと、
以前お話しした地獄の石畳のせいです。キャリーケースを転がせず、急坂を持ち上げて移動するので、下りとはいえそこそこ時間がかかるのです。
朝から買い物に来ている主婦に、学校へ通う子どもたち。さすがにスーツで出勤する姿は一人も見ませんが、生活の始まりを感じる朝です。
バスターミナル前の道路を渡る前から呼び込みがやって来て「ベラトか?ティラナか?」と食い気味にバスへと誘います。何故彼はそんなに頑張っているのでしょう。
競合いないのに…。
※ベラトへ行くバスはここ↓から出ました。
先にミニバンに荷物を預け、チケットはバス乗り場の奥にあるこの建物で購入するよう言われます。
バス代は1000レク(1320円)でした。さてさて、まだ出発まで30分以上ありますからね、
脇にあるカフェでゆっくりしましょうか。トイレもここで借りて済ませておきます。
8時半になってもバスはガラガラ。車に乗ると昨日のオーストラリア姐さんがいらっしゃいました。
車中で色々な話をしたり、車窓の景色を眺めたり、
アルバニアの川は乳青色できれいですね。
さすがバルカン半島。アルバニアでも葡萄の栽培が盛んです。もちろんワイン用ですね。欧州の銘醸地と同じく垣根栽培です。一旦西へそれてフィエル/Fier という町に寄ってから、11:15ベラト郊外のバスターミナルに到着しました。
別れもそこそこに、オーストラリア姐さんはお手洗いへ直行。
降りた敷地のバスターミナルの建物の前に、市街地へ行くローカルバスが来ると言うので待っていると、
3分もしないでバスが来ちゃいました。
ごめん姐さん先行くね。
アルバニア語で町の中心部をチェンダーと言うそうなので、これは覚えておくと便利ですね。
乗る際に運転手さんに「チェンダー?」と確認し、頷くのを確認して乗車。
運賃はこの目立つベストを来た人が回収に来てくれます。ベラトでは市内ローカルバスは一律30レク(40円)。
こんなチケットを切ってくれます。20分弱でバスは市街中心部エリアに突入。町を流れるオスム川の北沿いの道を東へ進み、何箇所かあるバス停で停まっていくので、GoogleマップのGPSを見ながら宿に近いポイントで降りました。
※バスを降りたのはこの辺り↓目印がないので上手く表示出来ないかもですが、川北の公園の真ん中へんです。ニューブリッジ近くでも降りることが出来ます。
オスム川沿いの道から西を振り返ると、山肌に白い壁の家と赤い屋根。さすが「千の窓の町」確かに窓が多そうですね。
その辺は後でじっくり見るとして、まずは宿に荷物を下ろしたい。
川沿いの道の内側(北側)は公園緑地と広い遊歩道。片側には洒落たカフェやレストランが立ち並んでいて、
ジロカストラより随分と垢抜けていますね。
アルバニアのイメージを少し修正しないといけません。
今回の宿はこちらのBERATI HOTEL。なんとストレートな名前でしょう。ところでベラトは、旧市街だけで3つのエリアに分かれる
旧市街が大集合!
な町なのですが、ここは旧市街ではありません。その分どのエリアにもアクセスが良く、長距離バスターミナルへ行くローカルバスの停留所からも近いのが利点。
時間が早くてチェックインしたのは後でなのですが、先にホテルを紹介しておきましょう。部屋はゆとりのある大きめベッドにソファー付き。
風呂・トイレも部屋にあるのですが、ご覧の通りシャワースペースは半畳ほどの極狭です。シャワーカーテンも無い上にシャワー自体が固定式なので、毎回便器も周りの床もビシャビシャになり、半日経っても乾かない。ネットによると
こういうホテルはアルバニアに多いそうです。
トイレの方もですね、水は勢いよく流れるのですがグルグル回って肝心のをなかなか流してくれません。トイレットペーパーを流しちゃいけないのは言わずもがなですが、立派なやつをドンとした日には……この話はこの辺にしておきましょう。
ちなみ垢すり出来そうなゴワゴワタオルもアルバニア旅の間デフォルトでした。全て安宿の話ですけどね。
でもこのホテル、部屋ごとに広いバルコニーが付いているのが嬉しい所。猫の通り道になっていて、屋根伝いに時々遊びに来てくれるのですよ。1泊36.88€(5421円)。現地払い且つ現金オンリーがアルバニアのデフォルトなので、換算して貰ってレクで支払いました。
羊のヨーグルト覆い焼きタフコーシ、アルバニア流汁ダクのピラフ。
宿に重い荷物を預け、まずは昼ごはんに向かいます。宿からほど近いRestaurant Bar Çuçi というお店。今回の旅では大いに参考にさせて頂いている「さぼわーる」さんのサイトで、タフコーシという料理と共に紹介されていたのです。
店に入るとキビキビ働く店員の皆さん。さすが観光地の中心街、アルバニア語のできない外国人も簡単な会話で普通に対応してくれます。
一方で客層はかなりのローカル具合。おじさんやお爺さんが一人で来て、ささっと食べて帰るのが多そうです。
タフコーシはもちろん頼むとして、周りを見ていてオーダー率が高いのがピラフ。よしじゃあそちらも頂きましょう。
隣のおじさんに釣られてビールもね。アルバニアのELBAR ビールは軽やかで程よくコクもあってなかなか旨い。なんか今更だけどアレですね。
コロナの3年間と隔世の感がありますね。
今さらだけど気兼ねも理由もなく、その時の気分で昼ビールが楽しめる世の中に戻ってよかったです。
ほどなく先にピラフが到着。アルバニアのピラフは味のついたスープで炊くそうで、これもしっかり強めの塩味がついています。そのスープが米に含みきれずに溢れていて、食べた感じは
さながら汁ダクのごとく。
更に味を含めた挽肉が乗っていて、これ一皿で完結する味の組み立てです。ピラフにキョフテ(肉団子)を一つ付けて食べてる人も多いようです。
さて本日の主役、タフコーシ/Tavë kosi。Tavë はキャセロール、kosはヨーグルトを意味するようで、まずは予め焼くか煮るかしたラム肉をキャセロールにセットします。次にヨーグルト(としばしば卵)を小麦粉とバターのルーに混ぜて羊肉を覆い、オーブンで焼き上げるという、
なかなかに手間のかかる料理。
この店では普通の皿に盛られて出て来ましたが、確かに容器に入れてオーブン焼きしたような焼き色が見て取れますね。
さてまずはヨーグルト部分。とても軽い食べ味で、単独で食べると慣れない酸味に戸惑いますが、
これを無料で付いてきたパンに合わせると、
お〜なんと素晴らしい相性!
酸味も気にならず、これだけでも朝ごはんとして成立しそうですよ。更にはメインの羊肉。
ほほう!まろやか柔らかでとても旨い!
羊肉を2度に分けて火入れするのがこの料理のポイントだそうですが、なるほど確かにそんな感じ。ヨーグルトに包むのは臭み消しの効果もあるのでしょうか。羊っぽいクセが全くなくて、羊肉が苦手な人でもいけそうなアルバニアの知恵が詰まった料理です。
ベラトの町を散策してみます。
お腹も満たされた所で、ベラトの旧市街を散策してみましょう。ベラトには旧市街が3つあると書きましたが、まずはマンガレム地区。
千の窓の町マンガレム/Mangalem 地区
店から出て西に歩くとすぐ見えてくるのがマンガレム地区。「千の窓の町」として使われる、パンフレットなどの写真に映っている家々がマンガレム地区のものですね。
こんな感じのオスマン帝国な雰囲気が色濃く残るエリアです。歴史のありそうな建物の中に、
アルバニアのお洒落ブティック的な店が入っていたり。
山肌に家が建ち並ぶ町なので、中はそれはもう階段だらけ。極細の道は曲がり角が折れ折れしていて、あっという間に現在地を見失います。その迷路加減は
さながらインドのバラナシのよう。
牛も居なければウ○コも落ちてない平和バージョンですけどね。
マンガレム地区を散策しながらも一つ目当てがありまして、それは
Googleマップのレストランマークを次々に押していくという日課
で見つけたHomemade Food Lili というお店。なんと口コミ数1000オーバーで評点4.9という驚異的スコア!
しかも14席しか無いので予約必須とのこと。ダメ元で行ってみたのですが、忙しそうなご主人が丁寧に対応してくれました。
ごめんね今日も明日もいっぱいなんだ。
一瞬ベラト滞在を延ばそうか真剣に考えましたよ。マンガレム地区がどの辺かの参考に、一応店の場所を貼っておきましょう。
オスム川対岸の庶民的なゴリツァ/Gorica 地区。
マンガレム地区を降りるとオスム川にかかるニューブリッジがありまして、橋の袂がマンガレム地区の「千の窓」の写真を撮る定番スポット。
この橋も一応場所を貼っておきましょう。
「遅いよ」と怒られそうですが、そろそろ千の窓の写真を載せておきましょうね。
はい、こんな感じ。
i所詮はiPhoneカメラですからね。もう少し上手く撮れら良いのですが、実際は雰囲気があってもう少し素敵ですよ。そして千の窓のマンガレム地区の上には、
断崖の上に、アルバニア国旗をたなびかせた砦が見えますね。アレに明日登るのですよ。
ハァ…また登りですか。
メテオラからこっち、あっちに登りこっちに登り、さすがに勘弁して欲しいのですが、あの上にあるのがベラトで一番古いカラサ/Kalasa 地区。ベラティ城の城壁の中にある旧市街です。オーストラリア姐さんは「お城の中に泊まれるのよ!」と目を輝かせていましたが、わたしとしては頼まれても泊まりたくないのです。
さて話がだいぶそれましたが、ゴリツァ地区に戻りましょう。乳青色の川をニューブリッジから渡り、
橋の上から東を見ると、なんとも長閑で素敵な景色。遠く雪を被った屏風のような山が、わたしにとってのアルバニアらしい風景。
橋からゴリツァ地区を映すとこんな感じ。マンガレム地区ほど足並みが揃っていませんが、やはりこちらも縦長の窓が連なる建物。
眺めが良いという教会に行ってみたものの、開いている時間は短いようで入れませんね。
庶民的な旧市街というだけあって、町の中も雑然と。でもそれが生活感を醸し出していて、ぷらぷら歩くのが楽しいエリアです。
ゴリツァ地区の見所がどこなのか調べていないので分かりませんが、なんとなくブラブラ歩きを楽しむので正確という気がする町です。
ゴリツァ地区を歩いていると、子猫発見!アルバニアも猫が多い国ですが、子猫は珍しい。
この子、警戒心のカケラもありませんね。
やばい、このまま持って帰りたい。コロナ禍で飢えていたネコ欲を、こうして満たす日々です。
ゴリツァ地区を東に歩いてオールドブリッジ(ゴリツァ橋)へ。ニューブリッジからオールドブリッジの間の川南が、ゴリツァ地区の範囲のようです。
オールドブリッジからのマンガレム地区。お、こっちの方が千の窓の町っぽくないですか?
※オールドブリッジの場所も一応貼っておきます
旧市街散策を切り上げて、宿に戻ってチェックイン。暫しの休憩を挟んで宿の東の方も少し歩いてみましょうか。
何がある訳でもないのですが、学校や商店など生活感のある町の雰囲気が心地よい。
あれ?少し旧市街疲れしてますかね。
ふと見ると教会とモスクがごく近所に建っています。正教会を経てオスマン帝国の支配、そして宗教禁止の共産主義を経験したアルバニア。
ベラトの町ではある時間には教会の鐘が鳴り響き、
ある時間にはイスラムのお祈り時間を告げるアザーンが流れます。
少し北へ行くと悲惨な内戦を経験したボスニア・ヘルツェゴビナの例もありますからね、異なる宗教でも共存できる社会であり続け
では町歩きはこの位にして、夕ごはんを食べに行きましょう。
ゴリツァ地区の高評価店 Eni Traditional Food Berat でベラト風ステーキを食べる。
Lili には残念ながら入れなかったけれど、こちらもGoogleマップポチポチで見つけたお店。
かなりの人気店と思いかや先客は一人もいませんね。まだ18時半なので、時間が早いのかもしれません。
メニューを些細に検討し、注文を決めていきます。
アイスコーヒーがあったので頼んだら、甘さ控えめなコーヒー牛乳が出てきました。うん、これはこれでおいしい。
続いてはフェルゲス/Fergese。カッテージチーズに刻んだトマト・ニンニク・ピーマンを加えて、石の皿の上で焼いてあります。
おお、これはパンに乗せると無限に食べられますね。
カッテージチーズを加熱する感覚はなかったけれど、少し辛味も効いていてとてもおいしいのです。
続いては、ベラト風ステーキとも表現されるヴィエネーズ/Vienez。牛肉でカチョカバロチーズを巻いて、卵とパン粉の衣(フリット衣に近い)で揚げてあります。
牛肉がミディアムレアで絶妙な火入れ具合。とても柔らかくアッサリしていて、
多分これ仔牛肉ですかね。
そうなるとですよ、これにハムを加えたらフランスの定番料理コルドン・ブルーじゃないですか。アルバニア料理はギリシャ、トルコ、イタリアの影響を受けていると言われていますが、意外な所でフランスとの繋がりが出てきました。因みにこの料理はナッツを使うバージョンもあるようで、もしかするとそちらが主流かもしれません。素材のままのシンプルな料理だけど、仔牛にカチョカバロって、
けっこう贅沢ですよね。
お会計は1200レク(1584円)。2人でシェアできる位の量ですし、内容からするとリーズナブルなお値段です。
次回はベラト2日目。山の上にあるベラト最古の旧市街カラサ地区を歩きます。更に朝昼夜と、アルバニア料理を食べまくる1日になりました。
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