アジア ネパール 旅のブログ

Poonhill Trek⑤ 一生ものの絶景、プーンヒルの朝日にまさかの事態!

投稿日:2020-03-18 更新日:

プーンヒル・トレッキング5日間の真ん中となる3日目。この日は朝食の前にゴラパニの宿を出てプーンルを登り、山頂から朝日とヒマラヤ山脈を見る、

5日間のハイライト!

今回のネパール旅でも最高の絶景を観ることができると、ずっと楽しみにしていたのですが、

まさかのアクシデント発生!

今回は、それでも心から素晴らしかった一生ものの絶景と、ゴラパニのピース&エクセレントビュー・ロッジのおいしい朝ごはんについてです。

※1ネパールルピー=0.97円。ほぼ日本円と同額なので、ネパール篇では個別の日本円換算は記載しないこととします。またネパール篇で単にルピーと記載したものは、ネパールルピーのことだとご理解ください。


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早朝5時45出発のはずが…。

まだ真っ暗な2月2日(日)早朝。前日の夜に出発時間を確認した際には「5時45分には出よう」と言っていたツァクラ。「プーンヒルの後は朝食をとりにホテルに戻るから、荷物は最低限でOKだよ」とのこと。保温下着上下を2枚重ねにして、上着類も全て着込んで、

防寒対策だけは最強モードで準備万端。

5時半少し前には集合場所のロビーに降りて行ったのですが、ツァクラはまだ来ていません。他のトレッカーは大体5時半には出発していて「いってらっしゃい」と見送ったのですが、5時45分を回っても我がツァクラはまだ現れません。

星空です。見えますか?

もう少し待とうと外に出てみると、

霧が晴れて満天の星空。

iPhone だとこれが限度ですが、実際はもっともっとたくさんの星が瞬いていました。

6時を過ぎても現れないツァクラ。ジリジリと焦りばかりがつのります。別のトレッカーのガイドが起きてきたので聞いてみても、誰がどこに寝ているかはわからないとのこと。「もう朝日に間に合わなくなるし、ひとりで行ってくるよ」と言うと、

スパイクは持ってる?雪で滑るから危ないよ。

とのこと。しまった、スパイクはツァクラが持っているのです。彼がどこで寝ているのか確認しておけばよかったのですが、さすがにそこまでは考えていなかった…。待って待って6時半、ようやくツァクラが出てきました。

おはよう、じゃあ行こうか。

何事もなかったかのように出発しようとするツァクラに「もう朝日間に合わないじゃんか」と恨み言をいうと、あっさりと「ああ、ソーリー」のひと言。

おい、全然反省してないな。

ムッとしながらも、喧嘩してこれ以上時間を無駄にはできません。靴の底に外付けするスパイクを借りて、急ぎプーンヒルに向け出発です。

夜の間に雪が降ったのか、ホテルも前庭には新雪が積もっていました。ここからプーンヒル山頂まではずっと雪道。

待っている間にMaps.me アプリで経路検索したら、距離1.4km、310mの登りで所要時間1時間13分。既に6時半を回っていて、

7時前の日の出時刻には間違いなく間に合いません。

それでも少しでも早くと、息を切らしながらもハイペースでひたすら登り続けます。

そもそも…ハァハァ…ツァクラが…ハァハァ…寝坊しなきゃ…ハァハァ…

そして7時10分、Maps.me の所要時間の半分、30分ちょっとで山頂に辿り着いたのでした。

振り替えると既に陽は昇りきっていましたが、

空の色はぎりぎり朝日の気配を残しています。

ツァクラが荷物を持っていてくれるというので、預けてそのまま展望台の上にのぼっていきました。

アンナプルナの、人生に残る絶景。

改めて展望台の上から東の空に昇る太陽を眺め、視線を転じてヒマラヤの山々を見て息を飲みました。

谷ひとつ隔て、すぐそこにあるヒマラヤの山々。カトマンズからのマウンテンフライトや、ナガルコットからの眺めも素晴らしかったけれど、ここからのヒマラヤは、

比較にならないくらい迫力の大きさと重量感。

見えているのは8000m未満の山ばかりなのですが、高さもさることながら、横幅や奥行きも含めた視覚から感じる「大きさ」が桁違いなのです。そして、

澄み渡る空の、吸い込まれそうな深い青。

時間を忘れて見入っていると、後からツァクラが登ってきて山の名前を教えてくれました。

展望台から左の方角、少し離れて見えているのがダウラギリと、その右にあるトゥクチェピーク。

正面すぐ近くにあり、一際大きく見えている3連山は、左からアンナプルナ・ファング、アンナプルナ南峰、ヒウンチュリ。その右側の少し奥まった場所に覗く険しい山が、

マチャプチャレです。展望台からの景色を見た瞬間に、朝日を見られなかったことなどどうでもよくなり、ツァクラへの苛立ちも消え失せていました。黙って山々を見続けるわたしの横に、静かに立つツァクラ。ずっと見惚れ続けたあとツァクラに、

It’s a Lifetime Experience for me.

というと、ツァクラは黙ったまま、やわらかく微笑んだのでした。

プーンヒル山頂は3210m、皆ここで記念撮影します

雪道にはやはり、スパイクがあった方がよいです。

たっぷりと景色を堪能して、晴天の明るい道をホテルに向けて降ります。

ついついアンナプルナ南峰に目がいってしまいますが、足元を疎かにすると危険。

人に踏み固められた雪をまとう階段は、所々滑るのです。外付け式のスパイクがあると楽々降れますが、無いと足元を確かめながらになるので、時間もかかるしちょっと危ない。

でもそんな安全志向を笑うかのように、ネパール人なのかインド人なのかわからない若者集団は、普通のスニーカーでわぁわぁ騒ぎながら降っていきます。コンバースの ALL STAR の人もいましたからね。

よくまぁ、そのペラペラの靴で…。

そんな訳で決してトレッキングシューズやスパイクが無いと歩けない訳ではないですが、やはりあるに越したことはないと思います。

8時半にホテルへ戻ってきました。昨日は雲や霧に隠れて見えなかったけれど、宿の庭からも、

ダウラギリがどーん!!!

と見えます。ああ、本当にトレッキングに来てよかった。プーンヒルでこれなんですから、アンナプルナ・サーキットやベースキャンプに行ったらどんな凄まじい景色なのでしょうね。

朝ごはんに、熱々のチベタン・ブレッド。

Peace & Excellent View Lodge での朝食は、サランコット山頂でも食べたチベタン・ブレッドを選択。小麦粉の生地を揚げた、チベット族の伝統食です。

前に食べたものは平べったかったけれど、今回の形の方がスタンダードだと思います。厚みがあって、

ふわっふわの、ほっかほか!

多分、焼き置きしない出来立てだからだと思いますが、前回も今回も心が満たされる幸せパンです。

すっかり甘党になって、砂糖入りミルクコーヒーを飲んでから、3日目の移動開始に向けて荷物のパッキングを始めました。

次回予告

トレッキング3日目は、ゴラパニ〜タダパニへの移動。雪の峠を越える少しハードで、美しい道でした。お昼ごはんに食べた、ネパールに来て初のちょっと怪しいチョウメンと、夜ごはんの素朴でおいしいダルバートもご紹介します。


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