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チャールストン半日観光と有名シェフ ロドニー・スコットのBBQ

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前回はアトランタでの交通事故について書きましたが、精神的ダメージを回復しきれぬその翌日の2023年9月20日。事故の前に組んでしまった旅程もあるので、チェックアウトはしなきゃだし、次の町チャールストンへも移動せねばなりません。気が乗らないけど粛々と車を運転します。

途中マスターズで有名なゴルフコースのオーガスタを通るのですが、さすが名門クラブ。おいそれと観光客に見学とかさせないのです。ワンチャン外から見れないかなと、敷地の周りをぐるぐる流してみたけれど、

あちゃ〜、ガード固いなぁ〜。

チラリとも見えませんね。沈みがちな心は、ますます重くなっていく構え。うーん、よくないな•••。

こういう時は逆にですね、落ちるとこまで落ちきるのが復活を早めるコツ。お昼ごはんにダンキンドーナツをヤケ喰いしたりして、さながら自傷行為のような1日を過ごしたのでした。

※文中のレート換算はサンフランシスコで実際にセディナカードを使い調達したレートを四捨五入して、1ドル($)=142.9円で記載しています。その後レートは更に悪化していくんですけどね(泣)


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明日のBBQに復活の光を見る。

冒頭から情けない書き出しでしたが、今回の記事はその翌日のチャールストンについて。

チャールトンではゲストハウスとモーテルが混ざったような、変わった宿に泊まりました。一軒家が何棟か連なっていて、それぞれに数部屋の個室が収まっている。そして一棟ごとにシャワー・トイレ共用という仕組みなのですね。

受付はなくて、SMSで送られてくる暗証番号で勝手に中に入る仕組み。料金は2泊で144.54$(20,655円)と、郊外立地ながらそこそこリーズナブルです。

宿に着いてもやる気がせずに、車に積んでおいたカップ麺とか啜りながら「明日はどうしようか•••」と物憂げにGoogleマップを開いたのですね。チャールストンの地図を見ていると、そこにはだいぶ前にチェックしておいた一軒のレストランが。そうだ、チャールストンといえば、

ロドニーのBBQがあるんだった!

全米でもトップクラスに有名なバーベキューのピットマスターで、Netflixの番組『シェフのテーブル/Chef’s Table』でも特集されていたロドニー・スコット。彼のBBQ を目の前にして、腑抜けてる場合じゃありません。いそいそと営業時間をチェックしたり、Netflixの番組を見返したり。底まで沈んだ心は、再浮上の気配を見せ始めたのでした。

超有名店Rodney Scott’s BBQ へいざ!

テキサス州オースティンでBBQの有名店を回った時は、開店2時間前から行列なんてザラでしたからね、この日もある程度早めに乗り込みます。

店に駐車できそうなスペースは少なくて、それも客が使っていいのか怪しい感じ。向かいには広大な駐車場完備のスーパーがあるので、こちらにご厄介になりましょう。めちゃくちゃ空いているのでさほどご迷惑でもない筈です。行列の気配はないので先にスーパーに入り、駐車代がわりにしっかりと買い物。買ったものを車に置く頃には、ロドニーの店がオープンしました。

中に入ると店の奥にカウンターがあり、ここで注文と支払いを済ませて、好きな席で待つシステムです。

メニューはこんな感じで色々ありますが、やはりこの店の代名詞、WHOLE HOG の一旦突破でしょう。豚を丸ごと1頭開いた状態で、12時間かけて火を入れる。焼き上がった豚のあらゆる部位をほぐしてまとめたのが、このWHOLE HOG なのです。

注文したのはROD’S ORIGINAL WHOLE HOG PORK PLATE 14.49$(2071円)。8オンス(226.8g)の豚肉に、サイドメニューを2つ選ぶことができます。それにファウンテンドリンク2.49$(356円)をつけましょう。

支払いを済ますと番号札とカップを渡され、自分でドリンクを注いだら、適当な席に陣取り料理を待ちます。結構待たされましたが、いよいよロドニーのBBQ のご降臨です!

ほほぉ、これが!思ったより地味というかあまりオーラを感じない見た目ですが、まあとりあえず食べてみましょう。うむうむなるほど、Netflixで言ってた通り、いくつもの部位が混ざってるのが分かりますね。皮は入っていないけど、

皮に近い脂の乗った部分がすこぶる旨い!!

でもそれ以外の大部分は肉汁が流れ出て、パサつきが気になりますね。焼いている間はモップソースをバシャバシャ塗って、乾燥させないように仕上げるんじゃなかったっけ?抱いてたイメージとは違いますね•••。

その潤いに欠けた部分を、3種類のオリジナル卓上ソースで補ってみましょう。左のRODNEY’S SAUCE は酸味と胡椒がシャープにくる。真ん中のOTHER SAUCE は普通のBBQ ソースに酸味のキレを足した感じ。右のKATHY’S SAUCE は甘めと書いてあるけど、甘ったるさはなくて良い感じ。それぞれがおいしく、順番にかけて味の違いを楽しめます。

サイドはコラードグリーンとマッケンチーズ(マカロニ&チーズ)を選択。コラードグリーンは他のソウルフード店でも食べたように、スープで炊いてあるようです。そしてこれは他の店でも感じることなんだけど、少し食べづらいというか味が重く感じます。これはコラードという野菜の特徴なのだろうと考えていたのですが、今回ふと思ったのは、

もしかしてアクを引いてないからじゃない?

自分で料理して検証しないとなんとも言えませんが、世界的には「アクを引く」という発想がない土地も多いんですよね。

マッケンチーズはアメリカ基準としては歯応えが残っている方で、これはなかなかおいしい。全体に前情報で抱いていた、

全米が誇る魂のBBQ!!

という期待値には到底及ばなかったものの、久しぶりに未知の味に集中し、アレコレ考えていると本来の調子が戻ってきました。それにしてもNetflix で特集されていた店は、ここもトッツィー・トマネツのいるSnow’s も、残念ながら感激は得られませんでしたね。一方でオースティンの名店、フランクリン・バーベキューだけは別格でした!アレはまた是非食べに行きたい•••(涎)

※興味ある方はこちらの記事をどうぞ↓

ともあれようやく「チャールストン観光してみようか」という気分になってきたので、町の中心部へと向かいます。

歴史ある町チャールストンをぶらぶら散歩。

アメリカの中では歴史がある方の町チャールストンですから、見どころもきっと数多いはず。でもまあ、

あまり欲張ると息切れするしね。

と、観光の中心地っぽい場所をのんびり散歩することに。まず向かったのはチャールストン・シティ・マーケット/Charleston City Marketです。

マーケットの周辺は観光馬車がポクポク行き交っていて、なんかもう久々に、

正しく観光地の雰囲気がするぅ!

いいですね、これですよこれ。

マーケットは屋内型で、何百メートルも続く細長い形。

観光客で賑わう通路の両脇に、各種のお土産や名産品などの店が連なっています。

Tシャツや帽子に、チャールストンに因むお土産雑貨。

早くもクリスマスの店も出ていました。

その中でも興味を惹かれたのは、やはり料理関係。ある意味でアメリカ南部文化の要衝と言えるサウスカロライナ州なので、料理文化も発達しているのです。アメリカ(特に南部)の定番食、

グリッツだけでも品揃えがすごい!

シンプルなパッケージも格好いいですね。

本屋さんでは料理本が主役。

さっき食べたロドニーの本も置いてました。

マーケット内には軽食を売る店もポツポツあって、こちらではグリッツやアメリカ式ビスケットを食べることができるようです。

マーケットを端から端まで歩き終えて、次に向かったのは旧奴隷市場博物館/Old Slave Mart Museum。

チャールストンといえばアメリカ南部の奴隷貿易の玄関口。アフリカから連れてこられた黒人奴隷の多くが、まさにこの博物館の場所にあった奴隷市場で売買されていたのです。

さほど広くはない博物館だけど、その展示内容はとても濃くて激重。

具体的なことはここには書きませんが、いま現在でも最大級の社会問題として続いている、

世界史上でも稀に見る非道な行い。

展示パネルを見るほどに、気分が重くなっていきます。

それでも今回のアメリカ横断旅のテーマは、ソウルフードや黒人音楽。目を背けるわけにはいかないのです。

絶望的な状況のなか、手に入るもので少しでも美味しく栄養のあるものを食べさせたいという家族への愛情。音楽に束の間の喜びを得たり、時にどうしようもない怒りを音にしてぶつけたり。そういうのってつまり、

剥き出しの ”生きること” そのもの。

程度や質の差はあれ現在の日本人も、色々な問題を抱えて生きているわけですね。そんな中で我々にとってのソウルフード、我々のアイデンティティを支え、生きる上での灯火となる食文化を、もっともっと大切にしなければと改めて考えた次第です。

博物館の展示に当てられて、つい真面目なことを考えてしまいましたが、引き続きチャールストンのぶらぶら散歩。

レインボー通り/Rainbow Row というカラフルな建物が並ぶ場所を横目にみつつ、

歴史ありげな建物を抜けて海側に出てみると、

ほぉ〜なんかやっぱ西海岸とは雰囲気ちがう。サンフランシスコを発って1ヶ月半。

ついに大西洋に出ましたよ!!

海沿いの公園にはパイナップル・ファウンテン/Pineapple Fountain という噴水もあって、暫しここで休憩です。交通事故のポリスレポートを受け取ったのもこのタイミング。責任割合ゼロっぽい内容に勇気づけられ、再び車に乗って郊外へ夕飯を食べに行くことにしました。

ソウルフード店 Hannibal’s Soul Kitchen でカニ飯を貪る。

前夜にチャールストンのソウルフード店を調べていたのですが、ソウルフードを代表する料理だと思っていたチタリングス/Chitterlings あるいはチトリンズ /chitlins と呼ばれる豚の腸の煮込みを出す店は今回も見つからず。

もはや絶滅危惧種なのか⁉︎

wiki で「ソウルフード」を調べると、最初に載ってる料理なのに•••。

その代わりではないのだけれど、海産物メニューを扱っているソウルフード店を発見しました。

さすが港町チャールストン!!

これまでどの町に行ってもソウルフード店のメニュー内容は似通っていて、現存しているソウルフード料理は十種もないのではと訝っていたのですね。なるほど、まだまだ探せばありそうですね。店に到着すると、たまたま店外にいたブラックのお姉さんがとても素敵な笑顔で迎えてくれました。

店内は飾らず明るい雰囲気。使い込まれたテーブルと椅子が、ローカルな雰囲気で大変好ましい。いいねえ落ち着くなぁ。

メニューもね、一昔前の家庭用プリンターで印刷したような感じでほのぼのですよ。Entrees(メイン料理)のカテゴリにはFlounders(ヒラメとかカレイ)やWhiting(たぶんBlue Whiting=プタスダラ)なんかもあって、イギリスやアイルランドで食べたフィッシュ&チップスと魚の種類がかぶります。

大西洋に戻ってきたんだなぁ•••(遠い目)

店の看板メニューであろうSpecialty Dishes カテゴリにはシーフードは2品。サーモン&ソーセージ・ライスというのにも惹かれるけれど、やはり写真付きで店名を冠するカニ飯、Hannibal’s Crab Rice Meal 16.5$(2358円)を頼まぬ訳には参りますまい!景気づけに海老追加オプション6$(857円)もいっちゃいますか。

なんか久々な気がする完全フルサービスのお店で、テーブルにて先ほどのお姉さんに注文します。飲み物はObama という、たぶん甘い紅茶とレモネードを混ぜたやつですね。2$(286円)という良心価格です。

前菜としてFried Gizzards 6$(857円)も頼んでみました。

頑張ってナイフで切ってみるとご覧の通り。下味をした砂肝を厚めの衣で覆った揚げ物なのですが、この衣が激クリスピーなガリザク食感。かなり硬くて味もしっかりついているものだから、その存在感たるや、砂肝が入ってなくてもきっと気づかないくらい。

おーい砂肝さんやーい。

口の中で砂肝を探しながら食べる感じです。好きか嫌いかで言ったら好きだし、おいしいとも思うんですけどね。アメリカ人のクリスピー信仰、ここに至れりの一皿でした。

さてメイン料理のカニ飯です。さっそくスプーンで頬張ると、スパイスと一緒に炒め焼きしてあるカニ肉はたっぷり。追加した海老はプリッぷりだし、何かのストック(=出汁。肉系に感じるけど確信はありません)で炊かれた米はパラパラ。悪くはないけど料理としてのまとまりが無く、ひと味足りない気がします。そこで目を留めたのがこちら↓の卓上ソース。

勘を信じて左側の、TEXASPETE Hot Sauce を振りかけてみると、

きたきた、来ました!!!

ビタリと味がまとまって、料理の格が2ランクくらいアップしました。うまいうまい。

ピリ辛になった口を、サイドメニューのリマ豆煮込みが癒してくれます。濃厚とろりの仕上がりで、アメリカに来て散々食べた豆の煮込みでもかなり上位の美味しさ。

カニ飯ひと口目は「あれれ」と思ったけれど、結果的にはなかなかの満足度。店の雰囲気やブラックのお姉さんの接客も心地よく、上向いた気分のままチャールストン滞在を終えたのでした。

次回はチャールストンから北上し、ノーフォーク近郊で1泊。翌日ボルチモアへ到着するまでの話です。出発前に食べた本場のグリッツ料理は絶品だったのですが、その後おそろしい暴風雨にたたられました。カロライナ州の豆ごはん料理ホッピン・ジョンを求めて、暴風雨に挑みます。


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