めしレポ(記事) アジア フィリピン

フィリピン料理は美味しい!旅・留学を充実させるフィリピン料理入門(5)地方食巡り旅のススメ前編

投稿日:2020-04-21 更新日:

これまで4回にわたりフィリピン料理の美味しさと楽しみ方のコツを書いてきましたが、最終回のこの記事では、食を巡る地方旅をオススメしたいと思います。第1回で書いたように、

フィリピン料理は各地方の郷土料理の集合体!

だから訪れた場所ごとにご当地グルメが待っていて、活き活きとその土地の生活を彩る食を体験することは、大都市マニラや美しいビーチリゾートとは全く違う喜びをもたらしてくれるのです。実際に私が旅したルソン島北部の旅を食中心にご紹介することで、フィリピン食の地方旅の魅力をお伝えできればと思います。


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【ルソン島北部食巡り】旅の概要

まず最初に大まかな旅のルートから。

  1. マニラを出発
  2. アンヘレス・・・食の都パンパンガの中心都市
  3. ビガン・・・イロコス地方の美しい町
  4. バギオ・・・涼しくて野菜が美味しい高原の町
  5. バタッド・・・世界遺産の棚田が絶景の農村
  6. 再びバギオに泊ってからマニラ帰着

行ったのは2019年8月3~17日の15日間です。移動手段は主にバス、一部バンというミニバスのようなものや、ジプニーを利用しました。

※ご紹介するお店は、当時の旅日記ブログに全て記載されています。地図が必要な方はお手数ですが文末のリンクから該当のブログをご参照ください。

アンヘレス〜シシグ発祥店から砂糖を使わないハロハロまで!

マニラのクバオ(Cubao)にあるバスターミナルから、アンヘレスの町はずれにあるダウ(DAU)バスターミナルまでは1時間40分。やってきたのはパンパンガ地方の中心都市アンヘレス!一般的に日本人にとってアンヘレスは、

町中心部にあるMain Casino

カジノや夜の歓楽街が有名だったりするのですが、ここに来た目的は食べること!「食の都」とも呼ばれるパンパンガ地方は、

料理上手が多いとフィリピン中に知れ渡っている土地柄なのです。

だから当然、美味しいものもたくさんあって、その筆頭格がフィリピンを代表する料理シシグ(Sisig)です。

アーリン・ルーシン・シシグ(Aling Lucing Sisig)というシシグ発祥の店では、店先で豚ほほ肉を香ばしく炭火焼きして、レバーのコクが加わったしっとりジューシーなもの。

オイリーで量もかなり多いのですが、意外とするりと食べきれたのは余計な味つけがないから。さすがフィリピン中で愛される名料理を生み出した店だけあって、素材も調理もしっかりしています。この店でもう1つトライしたのが、

ブロ(Buro)またはブロン(Burong)と呼ばれる、米を発酵させたもの。これを焼きナスなどの野菜につけて食べるのですが、

日本の飯鮓(いずし)みたいでオツな味!

最初は恐る恐るだったけど、思ったよりクセがなくて発酵食品が好きな方には喜ばれる味だと思います。

こちらは半露天のローカル食堂エンジェルズ・キチネット(Angels Kitchenette)という店で食べたシシグ。トロリとした卵の黄身がしょっぱ辛い豚肉をまろやかに包み、そこにカラマンシーの爽やかな酸味が加わると、

もう、ご飯もビールもなんぼでもイケます!

同じ店で食べた海老のシニガンは、

見た目と違って透明感のある絶品!あぁ、もぅ・・・。

しっかり酸味があるのにまるで尖った所がないのです。地元の人に聞き込みをして探し当てた良店ですが、ローカル食堂にして雑さのない素晴らしい仕事です。大衆食堂にしてこれなのですが、高級レストランも負けてはいません。

25 Seeds というこの1軒屋レストランは、ウェイティング用のソファー席まであるハイソな造り。

スペイン統治時代からフィリピンと繋がりのある中南米の料理タマレスを米粉アレンジしたものや、

ゴージャスなカレカレも、通常のピーナッツではなくマカダミアナッツを使ったアレンジバージョン。これにドリンク1杯と食後のコーヒーまで飲んで約1300ペソ(2700円位)。1人利用だから割高だけど、それでもフィリピンでは高級店も割安感があり利用しやすいです。

パンパンガの名物料理を調べると、必ず出てくるのがカエルや虫。

あまりというか全然気が進まないけれど

妙な使命感にとらわれて食べに行ったのがMATAM-IHという店です。実際に来てみたらモロ観光客向けっぽい店でイヤな予感・・・。コオロギを食べるのはさすがに嫌で、カエルをオーダーしたら丁度品切れ。もうこの辺りでテンションは下がりっ放しだったのですが、

初見だからと頼んでみたブラングラン(Blanglang)というグァバのスープ。何の気なしに口に入れたら、

これが目が覚めるほどの美味しさ!!!

フルーツ(グァバ)の甘味と穏やかな酸味が、野菜や豚肉と驚くほどよく合うのです。後で知ったけれど、これもパンパンガの名物料理でした。

甘いものではフィリピンのカラフルミルキーなかき氷ハロハロ(Halo-Halo)。大概の店は色々な具材が入ってものすごく甘いのですが、アンヘレスにあるラゾンズ(Razon’s)のものは

シンプル&シック!

ココナッツミルクのかき氷は砂糖を使わず甘くない。上に載ったレチェ・フラン(フィリピン版プリン)と、下に沈められたバナナ、ココナッツ果肉を甘く煮たものを混ぜて、その甘味で食べるのです。甘すぎるのはちょっと苦手・・・という方は、この店で試してみると良いと思います。

ビガン~ご当地グルメ満載!石畳と馬車の町並みが美しい世界遺産の町

イロコス地方にある華の観光都市ビガン(Vigan)へはバスで7時間半。まあまあ遠いのと、バスの便も少し分かりづらいのとで、日本人旅行者が多くはない町のようです。

でも実はフィリピンの人たちにとって、ビガンは大人気の旅行地!

上の写真のように石畳の上を馬車が闊歩するスペイン統治時代の美しい街並みは、世界遺産に登録されています。

歩いて行ける範囲にたくさんの協会や陶器の窯があったり、

夜には町の中心で噴水ショーが行われたりと、小ぢんまりとしているけれど観光しやすく和やかで落ち着いた雰囲気。でもそれだけだったら1日もあれば充分。わざわざ来なかったかもしれません。ビガンまでやってきた目当てはもちろんのこと、イロコス地方のご当地グルメ!

まずご紹介したいのは、ビガン名物のソーセージ、ビガン・ロンガニーサ(Vigan Longganisa)。短くポテっとした形のソーセージは、シャウエッセンのような肉汁弾けるタイプとは真逆の、

肉の味がみっちり詰まったドライなもの。

醤油や塩、砂糖にハーブに香辛料。色々なフレイバーを凝縮させて挽肉に染み込ませたような味わいは、酢を足してガーリックライスと卵料理とともに食べるのが定番です。

郷土料理のひとつピナクベット(Pinakbet)は豚肉とたっぷりの野菜を、魚介系発酵調味料バゴーン(Bagoon)と一緒に煮込んだもの。イロコス地方ではバゴーン・イスダという魚で仕込むバゴーンをよく使うそうで(通常は小エビのものが多い)、複雑な旨味が効いたほっとする味わいです。

上の写真の右側、バグネット(Bagnet)という料理も有名。フィリピンではチチャロン(Chicharon)という豚の皮や内臓を揚げたスナックが大人気で、コンビニでチチャロン味のスナック菓子を売っているほどなのですが、バグネットはその上位互換バージョンと言って差し支えないはず。豚バラ肉をカリカリになるまで揚げたもので、そのまま酢をつけて食べたり、ご飯のおかずにしたり、

もちろんビールのおつまみにも!

その時につける酢は、スカン・イロコ(Sukan Iloco)というイロコス特産の酢!これがまた味の深みがすごくって、料理に少しかけるだけでぐっと味が良くなるのです。これだけでも充分魅力的なご当地グルメですが、イロコス地方の真打といっても過言ではないのが、

主にメリエンダ(間食)に食べられる軽食、エンパナーダ(Empanada)。

フィリピン各地で食べられているエンパナーダですが、アナットーでオレンジに色付けされたイロコス式エンパナーダは別格!

薄い小麦粉生地の中には挽肉、卵、細切りにした未熟のパパイヤの実を野菜として包んであって、サクっと揚げてあります。これにイロコス酢を垂らして食べると、

もう、もう、もう堪らなく美味しい!!!

正直に言って、今フィリピンへ行き真っ先に食べたいものはこれかパレスです(パレスについては別記事参照)。

地元の人にはもちろん、フィリピン人観光客も120%食べていくエンパナーダは、何軒も連なるエンパナーダ専門の屋台街があったり、町のアチコチに評判の名店が点在していて、食べ比べしているだけで数日は楽しめます。ページ末リンク先の旅日記ではたくさんのエンパナーダをレポートしていますので、もし良かっら覗いてみてください。

スタンダードなものだとだいたい70~80円

真打であるエンパナーダも登場して名物料理を充分に楽しんだのに、まだ終わらないのがビガンのすごいところ。夜飲んでいると地元の人から耳よりな情報が飛び込んできたのです。曰く、

シナングラオは絶対食べていった方がいい。

ビガンへ行くまで全く耳にしたことがなかったこの料理。グーグルで「シンガングラオ フィリピン」と入れると、検索結果の上位1・2位がこの弱小ブログ『世界一周めし旅』の記事ということからも、その無名ぶりが分かろうというものです。

食べられるのはファースト・シナングラオアン(First Sinanglaoan)という店で、朝7時にオープンしてすぐにこの行列。午後の早い時間いは売り切れるというのですから、その人気ぶりは相当なもの。知らぬは日本人ばかりなり・・・なのです。

牛の精肉から各種内臓まで一緒くたに煮込まれたスープは、最初の数口だけ漢方のようなクセが感じられるのですが、

食べ進めるとそれがヤミツキ要素に。

慣れると純粋に牛の旨味だけが感じられるようになります。具材はオーダーするときに自分で選べ、肉とスープをご飯の上に載せると、白飯がバカバカ捗ります。そして極めつけは、

この怪しげな卓上調味料(左)。後で調べたらこれは胆汁のソースだそう。

え!胆汁???

普通食べませんよね・・・。ひと口舐めるとこれが苦くて苦くて。本当はイヤだったのだけれど、一応は試してみようとスープへ入れてみると、

あれ、苦くない!!!

それどころか益々味に深みが出て、これはもう魔法のようです。大人気なのも納得の美味しい料理で、翌日再び行列に並んだのでした。

↑シシグやシニガンを手軽に作れるママシタの料理の素なんていうのもありますよ。予行演習か復習にどうぞ(笑)

次回予告

食を巡るフィリピン地方旅は、このシリーズ記事の中でも特にオススメしたかったこと。思わず力が入り長くなってしまいました。2回に分けて、旅の後半は次回バギオから!鮮度抜群で驚くほど多種多様な野菜が揃う生鮮市場と、5分で準備して突如現れるナイトマーケットに圧倒されました。世界遺産の棚田が絶景のバタッドや、各町で楽しめるクラフトビールについても書きたいと思います。


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