世界3大仏教遺跡のひとつにして、今年7月に世界遺産にも認定されたバガン。緑溢れる域内のいたる所に、大小様々な3000を超える仏塔が建ち、その多くは11~13世紀のものという、
街まるごと自然と遺跡の融け合ったバガン
を3日間かけてしっかり楽しみました。前日夜に到着して明け11月1日(金)の実質バガン1日目は、Eバイク(電動式スクーター)での仏教遺跡巡りですが、
その前にまずは朝陽から!
バガンは遺跡と同様に、雄大な朝陽も夕陽も楽しめる場所。以前は仏塔に登って見ることができたようですが、今は殆どのお寺が「登るの禁止」になっています。それでもいくつもあるサンライズポイントのひとつ、Nyaung Lat Phet Viewing Mound という丘を目指し、朝5時に出発しました。
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朝陽も夕陽も見られる丘、Nyaung Lat Phet Viewing Mound。

冒頭に書いた状況で、以前のような遺跡に登ってというのは基本NG。とはいえ「登れる遺跡に連れて行ってやるぞ」とチップ目当ての地元民が声をかけてきたりしますが、そういう裏ルートを除くと
恐らくもっともメジャーな日の出・日の入りスポット
がこちらじゃないでしょうか。

朝5時にフロントへ行くと、ロビーで寝ていた従業員がモソモソと起きだし、予約していたEバイクを取りに行ってくれました。一応操作を確認するものの、キーを捻って電源を入れたら、右ハンドルを回せばアクセル。ブレーキは自転車と一緒で、あとはライトのスイッチくらい。
ウインカーも何も作動しないので、操縦方法は極めてシンプル。

借りる時に「このバイクはスモールだから1日30~35kmしかバッテリーがもたないぞ。バッテリーが切れたら充電に8時間かかるから、今日は終わりだ。バッテリーの目盛りに注意してくれよ」と説明をされたのですが、念のために「走行距離はこれで見ればいいんだよね」と確認すると、
走行距離メーターは動かないから見ても駄目だ。
じゃあ、どうやって距離を把握するんだよと困ってしまうのですが、走行距離どころか、
速度メーターすら作動しませんでした 笑
※結局、1日30~35kmしかバッテリーがもたないというのは間違い。30kmは優に走った段階で、バッテリーメーターは1マスしか減りませんでした。

まだ暗い夜道を丘に向かって走ります。舗装されている幹線沿いは電灯もあって走りやすいのですが、

大部分は砂地のオフロードなので、慣れるまでちょっと怖い。

とはいえ自転車に乗れればすぐに慣れるレベルで、Eバイクを借りる際には免許も求められませんし、
ヘルメットすら貸してくれません。
この辺りゆるゆるのバガンでは、観光客もローカルもほぼノーヘルです。そんな状態ですが、無事に丘の麓まで到着しました。

坂をちょこっと登るとすぐそこが展望スペース。
目の前の池に空が鏡のように映って美しい景色です。
遺跡が少し遠いのが残念ですが、十分楽しめる素晴らしい眺め。

ああ、なんて静謐な風景なんだろうと感動に浸りたいところですが、

中国人の団体様が大声で騒いでいて、実際は静謐からは程遠いのです(悲)

雑音を意識して遠ざけ、空の移ろいに集中していると、徐々に明るくなってきて遠くに気球が上り始めました。気球に乗るのは1台3万円以上するらしく、彼女もいないのに乗る選択肢はありませんが、
せめて見るだけでも、もうちょっと近くで見るか。
と丘を降りて移動を開始。

麓に戻ると、ちょうどお日様が顔をだしました。
馬車と気球と日の出。うーんバガンっぽい。

明け方の空に浮かぶ気球はなかなかに素敵で、きっと上から見るバガンの景色も素晴らしいのでしょう。
次こそは乗ってみたいです。誰か~。
Eバイクの遺跡巡りスタート!

日も昇ったところで、いよいよ本格的な遺跡巡りスタートです。とりあえず丘から西へ向かい、バガン最大のダマヤンジー寺院向かおうとに決めたのですが、

もう、そこら辺の道端の遺跡がかっこよすぎて前に進めません。

こんな光景や、

こんな光景に、

こんな光景。

こんな景色がそこらじゅうに転がっていて、

もうなんか、現実離れしたファンタジーの世界です。
夢中で砂地の道に分けいっているうちに、砂にタイヤを取られて転倒してしまいました。スピードは出ていないし、いちはやく身体を逃がしたので怪我はありませんでしたが、
所々砂が深くなっているので要注意です。

転倒には要注意ですが、Eバイクでの遺跡巡りはその場で出会った景色に従って好きな所へ行けるし、
手軽なアドベンチャー気分も味わえて、すっごく楽しい!
1日350円ちょっとと激安ですし、安全に注意して、ぜひ。
バガン最大のお寺、ダマヤンジー寺院。

あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、盛大に道草を喰ってしまいましたが、ようやく1つ目のメジャー寺院に到着です。ここ、ダマヤンジー寺院は、数あるバガンの仏教施設でも最も大きい寺院だそう。

もちろん土足厳禁、靴下も禁止で素足で歩き回ります。

パゴダ(仏塔)は中に入れませんが、テンプル(寺院)は建物の中に入れる構造。大きな門を潜っていくと、

大きな仏様が正面に。ここで正座して頭を地面につける形のお祈りを捧げ、左右から建物内を1周する回廊へ進みます。ミャンマーのお寺はだいたい似た構造になっています。

とはいえダマヤンジー寺院の回廊は、他に比べても出色。差し込む陽射しに石の重厚な質感が感じられて、めちゃくちゃ雰囲気あります。バガン自体よく言われますが、その中でも特にここは、
本当にインディージョーンズの映画の中みたい。

石の床や階段を、裸足で歩くというのは意外と油断できなくて、
ちょっと指をぶつけただけでメチャクチャ痛い。
爪なんか簡単に割れちゃいそうです。

1170年に造り初めて、王の死によって未完成のままだというダマヤンジー寺院。ヤンゴンでも2か所のパゴダを観ましたが、やっぱり古刹感はこちらの方が圧倒的でした。

お寺から出てきて、時刻は8時。もう3時間も夢中で動き回っていたのですね。さすがにちょっと疲れたので、フレッシュジュースで休憩します。

メロンを選んだら、生メロンをバカバカ切り入れて、氷と一緒にミキサーに。

うまい!1杯1k(71円)はお値打ちです。
子犬にメロメロの、シュエサンドー・パゴダ。

続いてシュエサンドー・パゴダ。以前はこのパゴダの上から夕陽を見るのが人気だったようです。今は登れなくなって、人も少なかったけれど、
レンガ色の遺跡が多い中、ここは色も形も特徴があって、すごくかっこいい。

喰い下がってくるお土産売りのおばちゃんをいなしながら先へ進み、下まで行って見上げると、かなりの迫力です。

仏塔の向かいには、寝仏様の大きなものが。ありがたいお姿なのですが、
進撃の巨人を連想して、ちょっと怖い。
ここでも子供がポストカードを売りに来て、なかなかゆっくり見れません。

再び躱して外に出ると、
子犬発見!!!
こちらに興味を持ってそうで、警戒もしている様子なので、しゃがんで帽子をフリフリしてみたら、

余裕で釣れました。
君たちチョロすぎです。

やばい、持って帰りたい。

朝陽に遺跡に犬牛羊・・・・・・バガン、たのしいです。
バガンで一番美しい!と言われるのも納得の、アーナンダ寺院。

おそらくバガン遺跡群の中でも最大の目玉と言えそうな、美しい寺院がこのアーナンダ寺院です。

お寺をキレイ系とカッコイイ系で分けたら、個人的にはカッコイイ系が好みなのですが、
明らかにキレイ系なのに、ここはすごい好き。
思わずため息が出そうです。

これまた光と影が美しい回廊を正面に進むと、

やさしく微笑む仏様が見えて来ます。ところがこの仏様、近くまで行ってみると、

あれ?めっちゃ怒ってるよね。
同じ仏像とは思えない表情の変化ですが、これは遠くからしか拝むことができない庶民には優しい顔を、近くから参拝できる権力者には厳しい顔を見せるように作られているのだそう。
へぇぇぇ、深い話ですね。

仏教遺跡群とひと口に言っても、色も形も見どころも様々で、
飽きるどころか、どんどん引き込まれていくバガン遺跡です。
お昼ごはんはローカル食堂で惨敗。

遅めのお昼は、目抜き通り添いに見つけたそこそこ人が入っているローカルレストラン。

麺料理中心のお店のようで、判断材料がないので周りのお客さんが食べているものを観察してみましたが、
殆どお茶か、食べていてもせいぜいサモサくらい。
ローカルが食べに来ているならと思ったけど、ちょっと見当違いだったみたい。勘で汁なし麺/Noodle Salad をオーダーしました。

タリアテッレのような、小麦の幅広平打ち麺。麺自体は美味しいし、玉子やパリパリの揚げ物が載っていて見た目は美味しそうなのだけれど、

たっぷりかかった謎の粉が食べづらい。
なんでしょうね、これ。

底に溜まったタレと全体を混ぜ合わせて完食しましたが、粉がタレに溶けたどろっとした感じはちょっと苦手でした。コーヒーと合わせて1.4kチャット(99円)。
なかなか美味打率があがらない、ミャンマー飯です。
※この店もオススメ要素がないので地図は省略します。
食後いったんホテルに戻り、バッテリーメーターのチェックをしてもらって、ひと休み。夕陽の時間に合わせて16時に再度出発です。
夕暮れに映える川辺の寺、プーパヤー。

朝陽を丘から見たので、夕陽は川縁から見たいとやってきたのが、プーヤパーという寺院。
川沿いの小高い場所に立つ金色の仏塔が夕暮れに映えてとても美しい。

徐々に茜色に染まる空と、川面のキラキラがまた綺麗で、

多くの人がのんびりと夕暮れを楽しんでいて、とても良い場所です。ただ、ひとつだけ問題が見つかって、

ちょうど森が邪魔をして、まさかの日の入りが見えないという事実!
まあ、4泊するので丸3日。あと2回夕陽チャンスはあるので、初日はこんなところでしょう。

川を見下ろす眺めの良いローカルカフェがあったので、まったり過ごしてから夜ごはんの店へ向かいました。
口コミ評価の高い観光客向けお洒落レストラン、Bibo Restaurant。

あーもう、いい加減に美味しいミャンマー料理を食べたい!
とgoogle mapで手当たり次第口コミをチェックし、かなり評判が良いこちらのお店へ。大通りから入った裏路地的な場所にありますが、雰囲気も良くてお値段も高い、観光客向けのレストランのようです。ただちょっと、
雰囲気出すのに照明を落とし過ぎて、料理がよく見えないのが難点。
なんか、昔ーしの日本のお洒落レストランもそうだったですよね(笑)

川海老のミャンマーカレーはライス付きで6.5k(462円)。プリっとした川海老が3尾入ってゴージャス。
しっかり美味しいけれど、好みでいうとちょっと甘さが強いです。

黒豆ソースの汁なし麺/Black Bean Sauce Noodle 4k(284円)。これも複雑な大人っぽい味で美味しいといえば美味しいけれど、
もうちょっと塩かなにか、ひと味欲しいところ。
ふにゃふにゃ米麺も好みが分かれるかもしれません。

パイナップルとパパイヤのミックスジュース2.3k(163円)。フレッシュジュース系はハズレ無し。どこで飲んでも美味しいです。全体にまあまあ美味しいんだけど、
これだー!という美味しい喜びにはあと一歩。
ミャンマー旅ももう中盤ですが、モヒンガーやお茶の葉サラダ以外にはこれといった美味しさには出会えておらず、このまま終わってしまうのかもと半ば覚悟をしていたら、
翌日からは、美味しいミャンマー料理に続々と出会う嬉しい展開になりました。反撃開始です!
※Bibo Restaurant は、ミャンマー料理よりもハンバーガーがイチ押しのお店かもしれません。他のお客やメニューを見ていてそう感じました。美味しそうでしたよ。
次回予告
次回バガン2日目は、宿の近くのローカル市場を探索し、8時半から馬車に乗っての遺跡巡りスタート!時間や予算の関係で、バイクだけで終わる人も多いと思いますが、馬車最高です!馬車遺跡巡りの素晴らしさを、たっぷりとお伝えします。
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